足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1181 ~ 初見 クロバナヒキオコシ ~

2013年09月25日 | 植物

誰も通らぬ林道の脇は ミゾソバで埋まり 

ヤノネグサが混ざっていた

林道を被るヒキオコシは

クロバナヒキオコシであった

小さなクロユリを思い出させる暗い色の花だ

葉がカメの甲羅の形 カメバヒキオコシもあった

花は 明るい紫色

観 察 月 日  2013 9.11.曇 25℃

観 察 場 所  群馬県 水上町

 「これ、ヒキオコシですよね」Yさんが振り向いた。

 草全形はそうだし、葉も茎もそうだが花の色が暗紫色だ。

そうだろうが自信がなかった。

 「葉を口に含んで噛んでみましよう」二人でやって見ると、口の

中にヒキオコシ特有の苦味が広がり、その仲間には間違いなか

った。

 Yさんは、「ヒキオコシがあったら・・・」と奥さんに頼まれていた

のだと言う。

 “昔のこと、弘法大師が山道に差し掛かると、一人の行者が苦し

がって倒れていた。それを見た大師は、道端に生えていた草の

葉を採り、そのしぼり汁を飲ませると行者は忽ち回復し、元気に

起き上がったと言う。”そこから、ヒキオコシの名が、又、別名

“延命草”の名が付けられたのだと言われる。

 翌日、水上の奥にある林道に入ると、根株より1mもの茎を

10本以上も伸ばしたヒキオコシが、続いていた。調べて見ると、

クロバナヒキオコシで、日本海要素の植物であった。

 ここの山中は、有数の豪雪地帯で、10月も末になれば雪が

降り出し、植物達は雪に埋もれてしまう場所なのである。