足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1021 ~ オオムラサキ から おめでとう ~

2012年01月05日 | 昆虫

落ち葉のふとんで ぬくぬく?

日  2012 1 5 晴 6℃

所  相模原市

 

「あけまして おめでとうございます」

「と言っても、私はエノキの根元に積もった落ち葉のふとん

の中で越冬中ですから、寝正月と言うわけです」

 オオムラサキの幼虫が口をきく訳もないし、暮も正月も彼

等の暮らしの中には全く関係ない事なのである。

 何故、彼等は冬の季節は落ち葉の布団の中に潜り込むので

あろうか。それは、彼等にとって冬は大嫌いな季節、と言う

よりも、夏が大好きな、暮らしに最適な季節なのである。エ

ノキの枝上で、厳しい冬の空風にさらされたら、幼虫の命は

ひとたまりもないであろう。

 では、落ち葉のふとんは暖かく、彼等は眠りに着いている

のかと言えば答えはNOである。木の上よりは気温は高いで

あろうが、彼等にとってぬくぬくとした暖かさは必要としな

いのだ。彼らの細胞液は、気温がー10℃に下がったとして

も、凍結に耐えるだけの用意は出来ている筈だ。只、極度の

乾燥により水分を奪われる事、逆に降雨等による濡れで、そ

れが引き金となる細胞液の凍結、それは死に至る事になるの

だ。

 此の厳しい冬の季節をなんとか乗り切り、春を待つ姿なの

である。