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足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1463  ~ 1月の 玄倉 ~

2017年01月28日 | 自然現象

観 察 月 日   2017.1.8 曇 3℃

観 察 場 所   山北町 玄倉

 丹沢湖の畔に植えられているイロハモミジは、枝々を紅くして紅葉の様

に見える。その中に一点緑色が目に止まり、何かと近づいて見るとウスタ

ビガの繭が、モミジの葉を一枚付け微風にそよいでいた。紅い景色の中に

緑色は余りにも目立つ。繭の中にいる蛹は、野鳥にとっては高蛋白質のこ

の上もない御馳走だ。それなのにわざわざ目立つ緑の色を、ウスタビガの

終令幼虫が選ぶ訳がなく、秋に蛹は羽化して飛び立ち今は空繭だ。

 湖畔の路には何種類かのサクラが植えられている。その幹も太くなり、

そこにはマツゲゴケが生え、空気のきれいさを語るエンブレムそのものだ。

 玄倉川の川面には、キンクロハジロが泳ぎ、時折潜水し餌を捕っては上

って来る。

 「チイ、チイ・・・」と賑やかな鳴き声がして、エナガの群れが通過する。餌

の少ない冬は集団が生きる為に有利だと言われるが、通過する速度が速

く、“あっと”言う間に姿が見えなくなった。

 「ジェー、ジェー・・・」と濁った声と共に、渓谷から山側へと5羽のカケスが

飛んだ。ヒノキの葉越しにシルエットが見え、実を突いては種子を食べてい

る様だ。

 渓谷側を双眼鏡で覗くと赤い実を鈴なりに付けた美しい木が視野に入り、

この前より気になっていた。Uさんが林の中に分け入り、落ちた実を拾って

来た。予想はしていたが“アズキナシ”と解り落着した。

イロハモミジの枝々が赤く色付いて きれいだ。

紅い中に 緑色は目立つ。 冬の季節 繭の中は?

マツゲゴケのエンブレムが美しい。

「アっ!鳥が・・・」

「潜ってる」 「なかなか出て来ないね」

動きが早く すぐ通過してしまう。

「ヒノキの種子を 食べているみたい」

アズキナシ あずきとなしで 美味しそうな名前?

★ 天気は良くなかったが 雨に降られず 今日も楽しかった。

 


No. 1446 ~ 11月 の 雪 ~

2016年11月26日 | 自然現象

観 察 月 日   2016.11. 24.雪 1℃ 

観 察 場 所   横浜市

 部屋のシャッターを開けると、昨夜の予報通り庭は雪だ。

 菜園のダイコン、ホウレンソウ、ミズナ等、緑に育っている上に雪が

積もり始めている。昨日までツワブキの花にはハナアブが訪れ、ノコ

ンギクやシロヨメナも一面花で飾っていた上にも、雪が積もり始めて

いる。

 植物達も、昆虫達もこんなに早い季節に雪が来るなんて、思ってい

なかっただろう。急ぎシジュウカラの為に、ピーナツのネックレスをイ

チジクの枝に掛けてやった。午後2時、外の温度計は0℃を指し、積

雪も4cm、植物は雪に覆われてしまった。

 昨夜から、TVもラジオも、「今夜の雨は、明朝雪に変わるので注意

を」と呼び掛け、雪の予報は100%的中した。11月に54年振りの雪

をもたらしたのは、偏西風の蛇行が真冬の寒気をもたらしたのが原因

と言われる。気象情報を聞いていると“偏西風”の用語がよく出て来る

のだが・・・。

 それは第2次大戦も終わりの頃、大型爆撃機B29が日本本土に大

編隊で襲来し日本の都市は焼土となり、横浜空襲の時は空を覆う黒

煙を、中学生の私は動員された工場の監視哨で見つめていた。

 そのB29がサイパン島の基地を飛び立ち、日本の上空に差し掛か

ると、何故か飛行機が東に流される。時には“スロットを全開にしても

飛行機が後ろへ飛んだ”と言う不思議な現象に遭遇した。その後それ

がジェット気流、偏西風発見の元となったと言われている。

 日本付近ではっきりと現われる“ジェット気流”偏西風が、日本人の手

で発見出来ず、それも戦争が介在していた事実は、考えさせられてし

まう。

部屋の シャッターを開けたら庭は・・・・。

ツワブキもシロヨメナも雪が来るとは 思ってもみなかっただろう。

急いで シジュウカラに ピーナツのネックレスをイチジクの枝に。

温度計は、積雪は、・・・・。

庭の植物は 雪に覆われた。

★ これも、あれも、 偏西風がその原因とやら・・・。

 


 No. 1432 ~ もう 秋ですね! ~

2016年08月28日 | 自然現象

観 察 月 日   2016.8.21.晴 30℃

観 察 場 所   厚木市 七沢 (県自然環境保全センター)

 「もう秋ですね!」 しげしげと空を見上げた人がいた。澄んだ

青空に、巻雲、巻積雲が流れている。

 ここの所、次々と台風が発生し連日の雨続き、今日も台風9号

が関東に向かっていると言うのに、この晴天は遺跡的だ。

 この暑さなのに、「何が 秋だ!」と言いたいところだが、生き物

達の季節は、確実に秋へと向かっている。

 ついこの前まで、アブラゼミ、ミンミンゼミが主役であったセミの

世界も、今日は「ツクツクホーシ、ツクホーシ」と澄んだ鳴き声が

目の前のサクラの木から聞こえて来た。

 旧盆も過ぎると、湧いて出た様に、ウスバキトンボの群れが草

原の空間を埋め尽くす。昔の年寄りは、「ご先祖様が乗っている

精霊トンボは、捕るものではない」と子供達に言ったものだが。

 先月は、センターの片隅に植えてあるムラサキナツフジ(薩摩さ

っこう)の花には、花に似せたウラギンシジミの幼虫が、花弁を食

べていたのに、今日はその姿は無く、クロウリハムシが花に群れ

ていた。

 ケンポナシもそうだ。触れると痛いヒメクロイラガの幼虫の群れ

に変わっていた。

地上には、トチの実が転げ落ち、実りの秋を感じさせる。

 子連れのサルの群れが現われた。

[もう、秋ですね!」 と空を見上げて つぶやいた人が。

ツクツクホウシが 一番最後に鳴き出す。

ウスバキトンボも一休み。

ムラサキナツフジも実を付け。

花には、クロウリハムシが。

ケンポナシの実も青くなり。

葉を食べあらす、ヒメクロイラガの幼虫。

地上には、トチの実が転げ落ち。

仔ずれのサルの群れが、現われた。

 ★ 巻雲を見ると 人は「 秋ですね 」と言うのだが?


No.1365 ~ 雨に煙る 玄倉 ~

2015年11月22日 | 自然現象

観 察 月 日  2015.11.8.雨 15℃

観 察 場 所  山北町 玄倉

 先月も西丹沢の玄倉へ来た時は雨であった。調度1ヶ月過ぎた

今日も 又、雨だ。秋の天気は、晴れと雨が繰り返し動くので、一

度定着すると、同じ繰り返しになるのだろう。

 先月は、ススキの穂に、産卵前のシロオビアワフキが雨の中、

体に水玉付け頑張っていたが、産卵を無事に終えたのであろう

か、今日は1匹もいなかった。

 ヒメアカボシテントウが、ススキの穂を雨避けにして休んでいた

が、他には何も見当たらなかった。

 ススキの穂には重そうに水滴が付き、その水玉レンズには、色

付き始めた西丹沢の景色が写っていた。林道脇の草原は、赤褐

色に草紅葉をし、美しい“日本の秋景色”だ、と叫びたいところだ

が、実は一面“メリケンカルカヤ”の草原で、北アメリカの秋の景

色を見ているのだ。

 「今年の秋は、又々鳥の影が少ない。どうしたんだろう」とは、

野鳥を観察しているWさんの声。その声が聞こえたのか、ジョウ

ビタキの囀りが聞こえ、姿を現した。一段と雨足が強くなっても

動かない。晴天なら、紅葉を見に来る車で、いつもは静かな西

丹沢も混雑するが、この雨では車も少なく静かだ。

山は、雨雲のベールで包まれてきた。

今日も また雨だ。

ヒメアカボシテントウ がススキの穂で 雨宿り。 

穂先にできた 水玉レンズに見える。

写っていた 林道。 

草紅葉が 綺麗だが!

雨の中 ジョウビタキが。

玄倉川 対岸の山。

リュウノウギクの花は、まだ残っていた。


No.1350 ~ すっかり 秋 の 林道 ~

2015年09月11日 | 自然現象

観 察 月 日  2015.9.2.強雨→晴 30℃

観 察 場 所  伊勢原市 大山

 あの猛暑の夏は何処へ行ってしまったのだろうか。

 手帳を開いて見ると、8月23日の最高気温31.3度を最後に、それ以後

は20度代で、天気も曇であったり、雨だったりで、日照不足が続き、夏は

どこかへ吹き飛んだまま秋に入ってしまった。我々人間も戸惑うが、生き

物達はどうなのであろうか。

 今日は準備の為、フィールドに行く予定なのに、朝から強い雨で、その

上雷の荒れ模様、しかし、午後は急速に天気は回復との予報なので、家

を飛び出し大山前衛の林道へと向かった。

 つい先ほどまでの強雨で林道は水が流れ、落ち葉や枝が散乱していた。

 ついこの前は花盛りであったアカメガシワが、黒い艶やかな実を付けた

小枝が路面に散り、2年掛かりで育てたクヌギの若い実は小枝と共に散乱

していた。クヌギの小枝に付いた実の落下は、風雨が原因のものもあるだ

ろうが、ゾウムシの仲間が切り落としたものも見られた。

 ここのところの悪天候続きで、活動が委縮していた昆虫たちにとって、今

日のひと時の晴れ間と、気温の上昇は、彼等にとって貴重な時間だろう。

 目の前に陽の光を反射した、銀色の羽を羽ばたいて、私の周りを1回2回

と飛ぶウラギンシジミ、どうしたのか軽登山靴のつま先に止まり、ストローを

伸ばした。彼も悪天候続きで食事にありつけなかったのであろうか。 

 林道のススキは穂を伸ばし、確実に秋へと向かっている。

林道は水が流れ クヌギの枝柯が散乱する。

アカメガシワの枝も

オトコエシ が咲き 小さなハエの1種が。

ノハラアザミの花に ハナグモが。

コジャノメ が。

眩しい翅の ウラギンシジミ。

もう 秋ですね!