アンヘル・ロメロがやって来た その4 - ミューズの日記
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<あれも聴きたい、これも聴きたい> アンヘル・ロメロがやって来た その4

 大阪国際フェスティバルは、ギターのコンサートとしてはかつてないほどの大歓声が渦巻く中無事終了しましたが、その瞬間、舞台裏の私達もほっと胸を撫で下ろしました。何故って無事スピーカーから二人のギターの音が出たことを何回確認したつもりでいても、ひょっとしたらアンヘルが興奮のあまりマイクを蹴飛ばしたりしねえか、曲の最後、左手を思いっきり上に振り上げマイクに触れて、あさって向けてしまいやしねえか、立ち上がって客席に向かって挨拶するときマイクにぶち当たって倒しゃあしねえかなど、モニターを見ていると何だかとっても心配になっちまって、とても平静でいられるような状態じゃなかったからです。しかしどうやらそんな恐ろしいことにはならずに済んで、最後のマドリガル協奏曲を終了してお二人が舞台下手に帰ってきた途端、アンヘルさんとアンヘルさんの奥様が大興奮。特にアンヘルさんはむちゃんこでっかい声で、我々のセットしたPAシステムのことを「どえりゃぁええがや!どえりゃぁ!」と、名古屋弁で言うわけはないが、しかしそんな感じで騒ぎまくるじゃないですか。演奏が終わって楽屋に飛び込んで来たとってもおしとやかな奥様も「アンヘルのこんな素晴しい音は初めてよ!なんて素敵な音がするスピーカーなの!」とこれまた大興奮。本人のアンヘルさんは「おらぁこのスピーカー買うだでよ!なんぼするだぁ、ええ?どこさいっだら買えるだよ!おらがこの装置持って世界中廻るだで、おめえら、えれえ宣伝になるだあよ」と今度はとうほぐべんよろしく終始騒ぎっぱなし。(そんなわきゃあないか)とにかくその声のうるせえのうるさくねえのったら・・・・。

 そしてセッティングをお手伝いいただいた小料理屋の若女将は、うちのかみさんと一緒に客席で聴いておったんだが、そちらももういつまでたってもうっとりと夢見心地。またまた村治佳織さんのファン度がグンとアップしちまったようだ。聞くとなんでも村治佳織さんには観音様の光背みてぇなオーラがあるそうで、おんなし人間、おんなし女性とはとても思えんかったそうな。演奏するときの姿、ステージ上での立ち振る舞いを、はじめから終わりまでただうっとりと眺めておったそうな。そして不思議なことに佳織さんがギターを弾いているという感じが少しもしなくて、音楽の化身みたいに見えたと、なんだかタカラジェンヌを見つめるタカラヅカファンみたいなことを申しておりました。実は前日のオケとの音合わせの後、その小料理屋さんへ一緒に行ったんだけど、あまりの興奮で写真を撮らせてもらうことも、サインをもらうことさえも頭に浮かんでこなかったそうな。彼女はそれくらいの熱烈な佳織ファンなんで、さもあらんさもあらん。そんな若女将を含めた我ら5人でPAシステムのお片づけをしましたが、みんないつまでたっても興奮が冷めません。とにかくみんなで「えがった、えがった!」の連続、連続。その夜はお父さんである村治昇先生のお気遣いで我々を招待してくださって、夜中の12時近くまでワインで乾杯したりお食事をしたりと、とっても楽しいひと時を過ごすことができました。とにかくギター史の記念すべき1ページに残るコンサートに、少しだけど裏方として関与できただけでも、とっても幸せな気分に浸れた一日でしたなあ。それにしてもアンヘルの野郎、なんであんなに声がバカでっかいんだぁ?(でもやっぱりかっこよかったわぁ)
続く・・・。
内生蔵 幹(うちうぞう みき)


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