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<あれも聴きたい、これも聴きたい> アルベルト・ポンセ編
この原稿も随分書かせてもらっとりますが、そうそう特ダネCDなんてあるもんでねえ。だもんでどうも最近は、古いLPレコードの話題になってしまいがちで、ミューズのおいちゃんところで気軽にかけてというわけにはいかんのが、どうも面目ねえ気がしてムニャムニャムニャムニャ・・・。
ところでこの原稿を書かなあかん!と思って、棚の整理をしておると、やっぱりありました。購入してからほとんど聴いたことの無いLPが。
購入した当初、大して上手くもねえのになんだかわけのわからん曲ばっかり入れとるなあというような気がして、その時はぜーんぜんおもしろくなく、その後一回も聴いたことがなかったレコード。
演奏者はアルベルト・ポンセ。ちょっと珍しいべ?
あの有名なパリのエコール・ノルマルでギターを教えていて(現在も教えておられるのかどうかはよく知りませんが)、日本の有名なギタリストのほとんどが、このアルベルト・ポンセさんに習った経験をもっているようで、この前よりこのブログに登場する村治佳織さんも、このポンセさんに習ったんよと言われておりました。
その当のアルベルト・ポンセのレコードを発見し、録音されている曲を見てちょっと驚いた。ほんとかよーてな感じ。
というのは、このレコードに関してのおいちゃんの印象は、さっきも言ったように、なんだかわけのわからねえ現代曲をガチャガチャうるさく弾いとるけども、なんか大したことねえギタリストやなあっちゅうもんだったのに、今録音されている曲を見てみると特別バリバリの現代音楽というわけではないんやなあこれが。
最初に聴いた時になんだかわけのわからん曲やなあと思った曲が、なんとこのところ村治さんの演奏で何回も何回も聴いたディアンスのサウダージ第3番やんか。。
このレコードは20年くらい前に購入しておるんですが、何故だかその時この曲を聴いた最初の感想が、「なんだかわけのわからん曲」だったわけだ。
昨今ディアンスの曲はあっちこっちで聞かれるし、このサウダージ第3番なんか現代曲とはいっても、どう考えても「わけのわからん曲」ではない。
メロディーもかっこいいし、リズムもなかなかノリノリだ。
20年前の自分の「感性」を疑っちまうほどボケッと聞いとったんやろね。
その他はグラナドスのゴヤの美女とエミリオ・プホールの小品が少し、あとはピポーやらアジャーラやら、いまどき現代音楽というほどのもんではないなあ。
では演奏はどうかというと、「なかなかなかなかやるでねえの」っちゅうくらいのもんで、決してただの先生の演奏と言ってほっとけるようなもんではない。
ディアンスのサイダージ第3番なんか、しょっぱなから快速にぶっとばして、なかなか野性味あふれる表現が魅力的。ちょっとだけリズム感に難ありってとこかなあ。
ゴヤの美女はセゴヴィアやアリリオ・ディアス、それにずっと若い頃のオルカー・ギリアなんかがものすごくいい演奏をしておったので、それに比べりゃあ・・・といった感じではありまするが、まあまあなかなかのもんだわね。
でも最後のアジャーラの南米組曲なんかは、おいちゃんはすっきやね。
野性味あふれるちゅうとこが、またまたいい方に作用してなかなか聞かせる。
プホールの小品なんかは、先生直伝なんやろなあ、「こう弾かなあかんよ」といったような、模範的演奏とおぼしきムニュムニュ。
こう書いてくると、どうも皆さんにはあんまり褒めているように聞こえないかもしれませぬが、そんなことはありませぬのであしからず。
20年も前に購入して、あんまし良くないという印象だったレコードが、今聴き返してみると、なかなか良い演奏だったなんて、なんか得したような気分。
こんなギタリストの生の演奏にも触れてみたいという衝動に駆られるかな?という気がするようなしないようなムニャムニャムニャムニャ・・・・。
このアルベルト。ポンセさん、1935年マドリッド生まれっちゅうから、ご健在であればもう70を越えておられまする。
ハイフェッツが70ちょっとで引退しとることを考えると、あかんかなあ。
内生蔵 幹
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