5月5日のデュオ・コンサートに向けて - ミューズの日記
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 2000年秋スタートの森本千絵(Vn)&野村芳生(G)のデュオ活動ももうす
ぐまる6年になります。ギターという楽器に積極的に興味を持って、有名、無
名ということではなく自分自身の感覚で、どちらかという気むずかしいギター
弾きである私とこの分野の作品探しに6年もお付き合いしていただけた森本千
絵さんにまずは感謝です。
今回はこれまで演奏してきた中から、これぞヴァイオリン&ギター・デュオの
醍醐味!というようなプログラミングを皆様にお聴きいただきます。

 この組み合わせの代表的な作曲家パガニーニ、その一番の名曲「カンタービ
レ」そして30分を超える大作ですが間違いなくジュリアーニ全作品中の最高
傑作、作品25の協奏風二重奏曲。ソルと並び称されるギター古典期を代表する
作曲家ジュリアーニは、そう言われるほどにはまだまだその作品に触れる機会
が少ないですね。作品のほとんどが独奏曲だったソルに比べ、アンサンブル作
品の多いジュリアーニの本領は、独奏曲以上にこういったアンサンブル作品に
あると思います。なかなかCDでも入手が難しい作品です。
 一部のエチュード、大序曲、ソナタなど一部の作品でしか知られていないジ
ュリアーニのイタリア的カンタービレとベートーヴェン的構成力を併せ持つこ
の傑作を味わってください。なお、パールマン&ウィリアム両氏のCDが国内
盤でありますが、原曲の味わいをかなり削ぐ短縮版の楽譜で演奏しています。
もちろん今回は原典版そして19世紀ギターでの演奏です。

 後半。まずは耳慣れない長い名前の作曲家ヴィルヘルム・ペッテション=ベ
リエルのピアノ曲集「フレースエ島の花々」から3曲。スウェーデンのギタリ
スト、マッツ・ベリストレム氏の編曲です。まさにこの季節ぴったりのさわや
かな曲、それに加えもともとヴァイオリンとギターの曲じゃないの、と思う素
敵なアレンジです。

 ジェイソン・テーラーさんは名古屋在住のアメリカ人作曲家そしてギタリス
ト。4年前初めて名刺代わりにいただいたのがこの「echoes」。試しに音にし
て以来、すっかり気に入って、私達の大切なレパートリーとして繰り返し演奏
してきました。231小節、8分半、 Vn.& Gの作品として規模の大きな曲です。
単一楽章ですが7つのそれぞれ異なったモードがとぎれることなく独特のうね
りを持って流れていきます。舞曲的な、叙情的な、モノローグ風な要素それぞ
れに Jasonnさん独特の、かつ今という私たちの時代の「うた」がこの曲には
あると思います。是非お聴きください!
 そして、「タンゴ歴史」より3曲。本来の指定であるフルートと、よりもヴ
ァイオリンとの組み合わせがすっかり定着した有名曲です。クラシック音楽に
携わるギター弾きとしてアレンジものではなく直にピアソラに接しうる数少な
い作品です。何度演奏してもピアソラ独特の世界に自分が吸い込まれていくよ
うな感じを持ちます。現代の名曲です。

 長くなり恐縮です。
 独奏がほとんどすべてだったクラシックギターの世界もどんどん変わってき
たように思います。ヴァイオリンとギターという組み合わせも独奏のギターと
は違う魅力があります。素敵な曲もたくさんあります。どうぞお楽しみに! 
    (野村芳生;記)

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