<あれも聴きたい、これも聴きたい> 原稿用紙とギター編
「知ってますか?なんて・・・、なんと失礼な!知っとるに決まっとるがね。あの有名な小説家でしょお」という人は偉い!あの有名な映画監督、木下恵介と今村昌平がこぞって映画化した「楢山節考」の原作を書いた作家ですね。その他に戦国の時代、農民の家族に降りかかる試練というか因果というか、繰り返す悲劇を淡々と語る「笛吹川」、そして「東北の神武(ずんむ)たち」、初期では「白(うすら)笑い」「狂鬼茄子」、また天皇家の存在に触れて一大騒乱を引き起こした「風流夢譚」など、ものすごいテーマというか、とにかく人間の深い深いところのものを、ものすごおわかりやすい口調で書いた、私の最も好きな小説家なんだなや。
その深沢七郎の作品の全集が今から8年くらい前、筑摩書房から初めて10巻まで順に出版されたと思ってくんねえ。それまではわずかな単行本と文庫本だけ。ファンとしちゃあ一生懸命買ったわね、こずかいはたいて全部。読んだねえ、毎晩、毎晩。
でもその深沢七郎が1939年、東京の丸の内でクラシックギターのリサイタルを開いとったっちゅうのを知っとる人はちょこっと少なくなるんでねえべか。その時なんでも日本で初めてナイロン弦を使用したとものの本には載っとるでねえの。本当だべか。
とにかく深沢さんはそれから18回目まではギターのリサイタルをやっとります。
また日劇ミュージックホールというところでも専属でギターを弾いとったらしい。
要するに今でいうとストリップ劇場みたいなもんで、そこで深沢さんはいろんな人生の裏側を見たんやろなあ。この写真もそんな楽屋での一枚。手前は踊り子さんやろね。(古いなあ、でもちょっときれい)
その後1965年、生まれつき田舎の大好きな深沢さん、埼玉県にラブミー牧場ってえのをこさえて農村生活。1971年、今度は東京に戻って下町で今川焼き屋の「夢屋」というのを開き、毎日今川焼きを焼いて暮らしておった。(名古屋では「大判焼き」、大阪では「御座候」っていうのが有名。知ってた?)
私らが大学を出るか出ないかのころ、「何でも深沢七郎が今川焼き屋を始めたそうな」と仲間同士話題になったもんだす。
とにかくなんか普通と違うというか、一晩寝れんようになってまうような「鬼気迫る」ような作品が多い作家なんだわ。ほんわかしたようなところなんかぜんぜんにゃい。
ところがそんな深沢七郎さんが作詞作曲した楽譜がちょこっと残っとるんだねえ。それになんとギターの伴奏楽譜も残っとるでねえか。なんかどことなくうら悲しいというか、しみじみしてまうというか。今ギターで音を出してみると、なんともはやいい感じなんだわ。
そこでひとつお願い!
ここが<あれも聴きたい、これも聴きたい>の真骨頂。
誰か和声を付けてギター伴奏で弾いてもらえんやろか。
ギターの伴奏譜が残っているものもあるので、それはそのまま聴きたい!
でも旋律だけの曲は、それを主題ばして変奏曲さ作曲してくれたらわしゃあうれしかあ!もう死んでもよかとです。(誰か止めて)
わしゃあ藤井敬吾先生がほんなこつぴったしじゃと考えるとですが、みなさんはどげん思われるとですか。皆さんの中で興味ばある人はミューズの山下さんに相談してみてつかあさい。深沢七郎作曲の楽譜ば見せてくれるばってん。
さあ!ここで問題です。
今日の<あれも聴きたい、これも聴きたい>では、いくつの方言が使われていたでしょうか?但しこのクイズは私個人が出しておりますので、答えをミューズへ持って行かない様に。あ、こらこら、答え書いた紙持って行っても弦なんかサービスしないっちゅうに!
内生蔵 幹
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さて、方言は8つですか?
またよろしくお願いします。