2011年2月3日のブログ記事一覧-ミューズの日記
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昨年末に書いた「今年最後のコンサート」に「毎日遊びに来ていますが、なかなか年が明けませんね!」と言うコメントを頂いています。先日のメールの方など「ブログを楽しみにしていただいている人が居る事は有難いことだなあ」としみじみ感じると同時に「申し訳ないなあ、やっぱり頑張らなくては!」と思うこの頃です。

さて、先日の日曜日(1/30)に「ホルヘ・カルドーソ ギターリサイタル」がサロンでありました。彼はアルゼンチン出身なので、私も6年住んでいたと言うと「どこに住んでいたの?」「ブエノス・アイレス」などと言う会話をしながら、そろそろ日本食以外が良さそうかなと言う配慮から昼食はデニーズへ。その時に、次の様な話をしました。「ミューズの生徒さんで名古屋公演は仕事で聴けないからと東京公演を聴いた人から、貴方の曲のある箇所をどの様に演奏するのか見極めるために楽譜持参で行ったそうですが、全く楽譜通りに弾かなかった」と。すると彼は「本来音楽とはそう言う物だよ。昔は皆が即興をしたものさ。」と話し始めました。

そしてミューズに到着後、リハーサルをするのかと思いきや、「いや、必要ないよ」と控え室に。今回彼を招聘した東京のギタリスト・樋浦さんから「彼は本番15分前にカフェオレを飲む習慣だからお願いします」と言われ、用意して持っていくと、突然「今日のプログラムを変更したい」と言い出しました。「昼食の時に話したことを、第1部でルネッサンスやバロック音楽を演奏しながら説明したいから、山下、貴方が通訳して欲しい」と言い出したのです。そして、音楽は演奏者がそれぞれ自分のバージョンで演奏して構わないこと、変奏又はアドリブは3つの要素で行うなど説明しながらナルバエスの曲やスペインバロック音楽を聞かせてくれました。

皆さんもスペインバロックを聴けば分かると思いますが、ドイツバロックの代表であるバッハなどとは全く違います。数年前に犬山で聞いたイタリア人のバロックギタリスト、マルコ・メローニも立って、ラスゲアードを多用してバロックギター(復弦5コース)を演奏していました。カルドーソ氏はモダンギターですが、立奏でラスゲアードと即興を楽しみながら演奏していました。そして、南米のフォルクローレ音楽とスペインバロックギター音楽とが密接な繋がりのあることを悟りました。彼の演奏を聴きながら、コロンブスの新大陸発見以降、スペイン人がギターを中南米に伝えた様子が目に浮んできたのです。そして、2部では南米音楽(ピアソラ、アリエル・ラミレス、カルドーソのオリジナル、L.B.アレッコのミショネリータなど)をそれはそれは雰囲気のある、味のある演奏を披露してくれました。特にミショネリータは最高でしたね。彼の本領大発揮でした。
最後には彼のブエノス・アイレス組曲を樋浦さんと二重奏で演奏してプログラムを終了と言う素晴らしいコンサートでした。
山下高博                 

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