大分単身赴任日誌

前期高齢者の考えたことを、単身赴任状況だからこそ言えるものとして言ってみます。

今週の予定―相談センター・ADR開設関係

2012-02-21 04:26:43 | 調査士会

1日遅くなりましたが、今週の予定

25日(土曜):第3回全体研修会。午前中は、会員のみ向けの通常の研修会ですが、午後は、センター開設記念で、一般市民の方をも対象にした「公開講座」として開催します。講師としては、大分県弁護士会から田中利武弁護士に来ていただき、境界問題について「民事紛争―その解決」という視点から講演いただくことにしています。

その前の22日(水曜)には、センター開設をお知らせし、広く県民・市民の方にご利用いただくように、ということで、大分県・大分市にご挨拶に伺うことにしています。

また、相談の電話受付を来週の月曜(27日)から始めることにしています。

センターを作ったまではいいのですが、実際に利用されなければ仕方ありません。そのための広報活動は、作った当初が肝心です。皆様、よろしくお願いします。

22日(水曜)には、常任理事会もあります。「年度末」ですので、5月の総会(25日:金曜)へ向けての準備をすることにしています。


福岡「境界鑑定基本講座」

2012-02-19 09:16:11 | インポート
昨日は、福岡会の「境界鑑定基本講座」にお招きいただき、昨年11月に続いて「後編」のはなしをさせていただきました。

課題は、「筆界特定意見書(境界鑑定書)の書き方」で、「文章を書くのが苦手」と言う人が多い調査士にとっての「永遠の課題」みたいな話です。昨日も話したのですが、「こうすれば書けるようになる」というような方法があるわけではなく、日常的に「訓練」を重ねること=日常的な業務の中で筆界認定に係る文章を書いて行くことが必要なのだと思います。

いつもそうなのですが、話し始めはゆっくりとはなすつもりでいるのに、途中からあわてまくるような感じになってしまって、肝心なことを話すのを忘れてしまったりします。昨日で言うと、「事例」の話をする前に、「社会的な事柄についての答えに「正解」はなく、せいぜい「最善解」があるにすぎないのであり、異なる考え方も当然にありうる」ということを話した上で、質疑の中で違う意見がでるようにしよう、と思っていたのですが、それを忘れてしまい、結局事例に関する質疑は何もなし、ということで、予定よりも早く終わってしまいました。反省、です。

福岡で一泊。今朝の福岡は雪が積もっていて、まだ降っています。大分に帰れるのか?


表示登記実務協議会・弁護士打合せ で考えた

2012-02-17 06:21:22 | インポート

昨日、法務局との「表示登記実務協議会」がありました。詳しい報告は、後日行いますし、概略の報告は25日の全体研修会にも行うようにします。

「表示登記実務協議会」終了後、25日の研修会について、講師の田中弁護士との打ち合わせをしました。

その二つの中で考えたこと。

田中弁護士との打ち合わせの中で言われていたのは、「民事裁判」の場で「筆界確定訴訟」が扱われているけれど、通常の民事裁判の中で課題となっているのは「紛争解決」であって、「真実(の境界)の追求」ではない、だから、その民事裁判の中で、急に、「真実の境界の追求」を行おう、としても無理がある、ということでした。

また、弁護士からすると、筆界特定手続というのは、裁判のように双方が主張を繰り返して、言いたいことを言ったうえで結論が出る、という「過程」をたどらないことに関する不満がある、ということでした。これについては、私としては、少なくとも制度設計的には「手続保障」ということでそれなりの配慮はなされているのだと思いますが、司法の世界からすると不満が大きいようです。これも、普段は行政事務を行っている登記官が、司法的な要素を持つ手続きを主宰することの難しさなのかと思います。

「表示に関する登記」についても、私たち調査士は申請情報を提供する立場にあり、登記官はそれを審査する立場にあります。この、ひとつのことをめぐって行う作業は、お互いに相手の視点を共有するような形で、「ひとつのもの」として行っていければいいのですが、そこにむずかしさがあります。

「普段慣れ親しんだ世界を越えて考える」ということはむずかしい――、あたりまえのことではありますが、あらためて思い知らされる気がします。

しかし、「普段慣れ親しんだ世界」の中だけではやっていけなくなってきているから、さまざまな課題が浮かび上がってきているのであり、「むずかしさ」をかみしめながらも、それに取り組んでいかなければならないのだと思います。そうでなければ、、「普段慣れ親しんだ世界」そのものが崩れ去っていくのかもしれない、という危機感を持って。


福岡会中村邦夫前会長ご逝去

2012-02-15 10:31:55 | 調査士会

福岡会の中村邦夫前会長が亡くなられた、との報を受けました。突然のことで、ただ驚くばかりなのですが、ご冥福をお祈りいたします。

中村邦夫さんとは、九州ブロックの場で長いおつきあいがありましたし、特に3-4年前には、一緒に九州ブロック選出の日調連理事としての活動をさせていただきました。おとなしいけれど、芯の強い方でした。

特に、福岡会の会長として、若い会員の活躍の場を作ってこられたことが、業績として大きなものだったのだと思います。

土地家屋調査士を取り巻く今日の情勢は、さまざまな要素が複雑に絡み合ったものとしてあります。その中で、当面何を選んで進んでいくのか、ということをめぐっては、さまざまな考え方もあるでしょうし、意見の違いもあります。しかし、それらを含んで、大きな流れとして、「未来」を問題にして拓いていく方向性、というものが大事なのであり、それを具体的に若い世代へのバトンタッチとして実現してきたことに、大きな意義がある、――と、今にして思います。

そのような中村さんの足跡をもう一度思い起こし、それを引き継いで完成させていくことこそが、のこされた者としての責務です。

思えば、昨年の10月に勉強会(の後の飲み会)でお会いしたのが最後になりましたが、そのような勉強会などをも含めて、「未来」を考え、拓いていくための作業をしっかりとやっていかなければ、ということを、九州の土地家屋調査士の一人としてあらためて思わされています。


今週の予定ー表示登記実務協議会

2012-02-13 06:26:41 | 調査士会

16日(木曜日):  法務局との「表示登記実務協議会」があります。

法務局と調査士会とのあいだでの表示に関する登記をめぐる諸問題に関する協議は、表示に関する登記申請のかなりの部分を、土地家屋調査士が、調査・測量を行なって代理申請をしている、という現実の上で、表示に関する登記の適性性を保つために、重要な意味を持つものだと思います。その意味でこの協議は、日常的に行われてしかるべきものだと私は思うのですが、これまでの現状は、必ずしも十分なものとは言えないようにも思えます。現実問題として、一年に一度協議会がもたれるに過ぎず、今週の木曜のものはそれに当たります。開始時間は、午後5時半。

この協議が十分なものとして持たれて来なかったことについては、調査士会の側としても反省すべき点が多いような気がします。

それには、さまざまな問題があるのだとは思いますが、最も基底にある問題は、「表示に関する登記の適性性に責任を持つ」という意識の稀薄性、として考えられるのではないか、と思います。

調査士業務の「官業補助」的な性格(その克服の必要性)ということについて、これまでも何回か書いてきたのですが、もう一度、分解して考えてみます。

「官業」というのは、より今日的な用語で言えば、「行政事務」ということになります。「官業」で言えば「官」と「業」に分けられ、「行政事務」で言えば「行政」と「事務」に分けられます。

さて、調査士が「補助」するものとされているのは、この分解したもののどちらのほうでしょうか?

「官」「行政」の方でしょうか? それとも「業」「事務」の方でしょうか?・・・という問題です。

これについては、本来的ではない考え方が、結構有力であったように思えるます。つまり、「補助」の対象を、二つに分解したうちの「官」「行政(機関)」の側として考える考え方です。逆に言えば、調査士というものへの自己規定を、「官」「行政(機関)」の「補助者」として考える考え方です。

ここに違いがあるのだと思います。調査士の「官業(行政事務)補助」的性格について、それを積極的なものとしてとらえうるのだとすれば、あくまでも「補助」の対象は、「業」「事務」として考えるべきだと、私は思います。「業」「事務」を補助して、それが適性・円滑に進められることを確保することにこそ、「民間の資格者」としての土地家屋調査士の存在意義(「唯一の存在意義」ではないとしても)を考えるべきなのだと思うのです

そのような観点からすれば、国家財政の危機が深刻な課題となり、行政改革の推進が全国家的・国民的な課題となっている現在、登記行政の場面においても、どのようにしてその適正性を確保しながら、行政改革=行政事務のスリム化を実現していくのか、ということに真剣に取り組んでいかなければならないのだと思います。土地家屋調査士は、その課題を「官」「行政機関」のみの問題として、自らの視野の外においてしまってはいけない、ということです。「登記行政」に関わる「民間」の立場、というものを再確認して、国民の視点から行政改革を推し進める存在にならなければならない、と思います。

そのような課題を意識しつつ、「表示登記実務協議会」に向かいたいと思っています。