河野美砂子の「モーツァルト練習日記」+短歌+京都の日々の暮らし

9/7(土)15時 京都府民ホール・アルティ シューマン「ピアノ三重奏曲第2番ヘ長調」Op.80 

アマデウスへの手紙・2

2006-10-02 21:08:21 | アマデウスへの手紙
モーツァルトさん、こんにちは。

今日は、「私はランドール」による12の変奏曲K.354の、第4変奏についてちょっと書きます。

この変奏曲自体、モーツァルトさんご自慢の曲で、何度も人前で演奏されたそうですが、それは私もとても共感します。 よくできた曲ですよね。

今日も練習していて、ハッと気がつきました。
この第4変奏に隠されているテーマ!

三連符の内声の動きと、バス、ソプラノのやり取りに耳を奪われがちですが、実は三連符の内声は二声になっていて、そのアルトのパートに、「私はランドール」のテーマが隠されているんですね。

ぱっと聞いたり弾いたりする分には、テーマのハーモニーはそのままで、リズム変奏と、メロディの自由な飛躍が主眼の変奏のように思えるんだけど、そうじゃないの。

今日の練習で、三連符のところを、三連符にしないで同時にハーモニーとして弾いてみたら、見事にテーマが浮かびあがりました。

「気がついた~?」と、モーツァルトさんに言われたような気がしましたよ。

本番では、ソプラノ、バスの印象的なやり取りとは別に、アルトの隠されたテーマが立体的に聞こえるようにぜひ弾きたいものです。

それともうひとつ、
これは質問ですが、この第4変奏は、はじめて弾いた時から、J.S.バッハのパルティータ第1番変ロ長調のジーグとそっくり、と思いました。
モーツァルトさん、バッハのパルティータ、ご存知だったのですか?

きっと知ってたんですよね。
「平均律」の編曲はなさってましたもん。
三連符、手の交差、調(♭2つに対して♭3つ)など、なんとなく手が覚えててこの曲ができた、って感じです。

うふ、うふふ。

また、明日書きます。♪

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アマデウスへの手紙・1

2006-10-02 00:41:07 | アマデウスへの手紙

「アマデウス・ブログ」で、モーツァルトご本人が書いているの↓
http://amadeus-blog.cocolog-nifty.com/blog/

で、私も、モーツァルトさんに手紙を書きたくなりました。 題して

   ◆アマデウスへの手紙

モーツァルトさん、こんにちは。 初めてお便りします。

私は、もうすぐ、あなたの数あるクラヴィア曲の中から、これは、というのをピックアップして、お客様に聞いていただくことになっています。

5歳から35歳まで、たくさんの楽譜の中からプログラムを組むのには、けっこう苦労しました。 でも、それは実は楽しい苦労で、K.355のメヌエットなど見つけたときには、ホントにっこりしましたよ。
K.574 の アイネクライネジーグなんかも。

あっ、ひょっとしてモーツァルトさん、ケッヒェル番号ご存知ない?! ですよね? ケッヒェルさんが番号を付けたのは、モーツァルトさんがこの世からいなくなった後ですから。
でも、どの曲かおわかりでしょう。
あなたが若い頃には決して書かなかった、音と音との大胆なぶつかり合い(アッポジャトゥーラ)。小曲のなかに大きな宇宙がぽっかりと開いているようです。

「新全集」では、この曲は、弦楽合奏曲のクラヴィア編曲またはスケッチではないか、と推測しているようですが、確かに、後半のユニゾン部分はクラヴィア的ではないかも。
でも、この音のぶつかり合いを一人で弾くことができるのは快感です。

一箇所、記譜上のミスではないか、と、私の独断で、ナチュラルを付けて弾きたくなる所があるのですが、モーツァルトさんのご意見、ぜひ聞きたいものです。

今、ここに楽譜を載せるようなヤボはいたしません。 演奏会当日、聞きにいらして下さいませ。 そのとき、繰り返し1回目は記譜どおり、2回目は、私の独断ナチュラルを弾きます。
お聞きの上、どうぞご意見お聞かせくださいね。


では、また明日。 秋の雨もようやくあがったようです。


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