goo blog サービス終了のお知らせ 

河野美砂子の「モーツァルト練習日記」+短歌+京都の日々の暮らし

9/5(金)19時 日暮里サニーホール クララ・シューマン「ピアノトリオト短調」R.シューマン「ピアノトリオニ短調」他

ワルツ全曲シリーズ② 5~8番他

2025-06-23 00:58:21 | 全曲演奏付き講演会
6/28(土)13時30分よりNHK文化センター京都にて、ショパン「ワルツ全曲②」を開催します。

今回は、初期の2曲の他、第5~8番(Op,42、OP.64-1~3)の計6曲。

ショパンの生前に出版されたOp.番号は、Op.65(チェロソナタ)まで。
ということは、この5~8番(Op.64)のワルツは、ショパンのほぼ生涯最終時期の出版作品だということ。

ショパンが死の病床で書き残した「マズルカ」(へ短調)の時にも気づき、マズルカシリーズの時に書いたのですが、
今回また同様に「ショパン晩年の凄いこと」に気づきました。
つまり、(8番(Op.64-3)のワルツについて)
短い1曲の中で、同じ音型を使いながら、いかに多くの調性に移調できる(カラーが変わる)か。

わずか3分の曲の中に、なんと14もの調が出現するのです!

……他に、ワルツって「回転」なんだ、ということを、弾いていて身体的に、
また音型的に感じたこともお話する予定。


ショパン・ワルツ全曲シリーズ①

2025-04-25 01:40:09 | 全曲演奏付き講演会
4月26日(土)午後1時30分よりNHK文化センター京都にて【ショパン「ワルツ」全曲シリーズ①】を開催します。

2023年4月から12回にわたる「マズルカ全曲」が24年11月に終了し、今年(25年)春からの新シリーズ。
ワルツは、2024年に発見され話題になったものや遺作を含めて20曲あり、たぶん3回シリーズに。

今回は第1番~4番(Op.18「華麗なる大円舞曲」、Op.34全3曲)と、若書きの変イ長調、ホ長調を演奏。
気付くのは、前シリーズの「マズルカ」との違い。
「ワルツOp.34」は1835~38年作で、同時期のショパンは、マリア・ヴォジンスカとの、生涯忘れ得ぬ失恋が。

…そのこころの傷は、同時期作の「マズルカOp.30、Op.33」に、わりと剥き出しになっていた(同音型の繰り返し、愛想のない終わり方他)のに対し、「ワルツ」ではそんなことはない。あくまでお客様(聴衆 or ピアノ愛好家)への意識がわりと濃厚。

やはりショパンにとって「マズルカ」が、プライヴェートの最も大切なものだった。
…今回、その比較も少しお聞き頂くつもりです。

あと、ちょっと賢くなって頂く(?)ために「ヘミオラ」などの解説も。

ふたつの肖像画。
11歳のマリアの自画像と、16歳になったマリアが描いた、25歳のショパン。

ショパンが死の直前に書いた曲

2024-11-19 00:41:46 | 全曲演奏付き講演会
(★11/20、追記しました。●●●✦✦✦後をご覧ください。)

11/23(土)13時30分より「ショパン・マズルカ」シリーズ ⑫ 最終回を、
NHK文化センター京都教室にて開催します。 詳細は、こちらへ。

Op.67、Op.68全曲と、サービス(!)で「幻想即興曲」を演奏。

特にOp.68-4のマズルカは、ショパン39年の生涯の一番最後に書いた曲。
ところどころ未完成の部分がある自筆譜が残っています。

従来のパデレフスキ版などではへ短調部分のみが印刷譜として出版されていましたが、
近年出版されたエキエル版では、解読しにくい中間部のヘ長調部分も掘り起こしており、
今回はそれを演奏します。

私もこの部分を弾くのは初めてなのですが、弾いてみてびっくり! 
4回繰り返される同じメロディに、4回とも異なったハーモニー(調)が……カラーが次々と変化してゆく……! 
今までのマズルカでも似たようなな部分はありましたが、この曲のハーモニーは、
ショパンのあらゆる曲の中で最も精妙で親密で香気があるというのか、ショパンの心臓と直結しているように思います。

フォンタナという、ショパンの友人兼マネジャー的な人が、
ショパンの遺言(出版していない作品はすべて廃棄する)を守らず、
結果的にはそれがよかった(?)とも言われますが、今回は、その一例として、
ショパンの意に反してですが「幻想即興曲」も演奏することにしました。

●●●✦✦✦……ここから追記です!

…その幻想即興曲、
やっぱりフォンタナが出版したの(一般に流布してる)とは別ヴァージョンがエキケル版に載っています。
で、従来の版は、フォンタナが勝手にショパンの死後に改変していたかと私は思ってたのですが
さにあらず!! 

実は、超ややこしい事情があったのです! 

私も今回初めて知りました(詳細は講座でお話します)。

そのことも含め、今回の「幻想即興曲」は、従来の版(ショパンの初稿?)ではなく、
エキエル版(ショパンの改訂稿)を演奏するつもりですが……。

私も今回それを弾くの初めてなので、ちょっとさらわなくっちゃ……。




マズルカ Op.59 傑作の理由

2024-07-22 18:44:07 | 全曲演奏付き講演会
7月27日(土)13時30分「ショパン~マズルカ全曲⑩」
NHK文化センター京都教室にて開催します。

今回は、マズルカ全50数曲中のたぶん最高傑作であるOP.59の3曲、
それにバラード3番も演奏。

作品は最高。
しかし気温も最高(昨日38度)で、
その暑い中この名曲をどれだけの方が聞きに来て下さるか…?

…その心配をよそに練習していると、
この作品の、何物にもとらわれない即興的とも言える感興にほんと魅了されます。
ショパン自身が楽器を弾いていて、手と耳と音が混じり合いつつ音楽を誘導してゆくような…。
カラーがグラデーションのように自在に変化する…。

たとえば OP.59-1など、3分あまりの小曲なのに、なんと12の調が!
これで思い出すのはシューベルトの最後のソナタ変ロ長調第1楽章。
これには、たしか20を超える調が出てきたはず。

同じことはモーツァルトの晩年にも。
ロンド K.511 イ短調も小品ながら、約14の調が。
もひとつついでに言うと、アッポジャトゥーラの頻出!
ショパン、モーツァルトともに晩年に。
(他の作曲家も共通するのかもしれませんが、とりあえず私の気付く限りのことです)

…などと言いつつ、締切過ぎた10首もまだで…。

★この絵は、ジョルジュ・サンドが描いたショパン。
なんと書いてあるのか「?」なのですが、どなたか読めますか?

ショパンとモーツァルト

2024-06-19 19:35:43 | 全曲演奏付き講演会

今度の土曜日、マズルカ ⑨ やります!
今回はOp.56の3曲+「即興曲第2番」他。
6/22午後1時30分よりNHK文化センター京都教室にて。

ショパンさんもこのあたりになるとマズルカ集大成的な感じで書いている雰囲気。
プラス「1小節を100回書き直した」エピソード的な「こだわり」も。

今までの9回の講座で「ドローン」「教会旋法」「ポリフォニー」「ゼクエンツ」「ヘミオラ」などをお話しましたが、
今回の3曲はほとんどそれら総動員的?

また、同じメロディが異なった調で出てくる=色彩の変化、ということでは
「即興曲第2番」にも当てはまるので、それも弾くことに。

この即興曲、最後の32分音符のパッセージの曲線が魅力的なのですが、
音階の中の半音や全音が微妙(それが「味」)で意外に苦労する…。
モーツァルトのピアノ協奏曲群を思い出しました(全曲演奏会のとき苦労した)。

ショパンさんはモーツァルトのことを尊敬していたので、
きっとその協奏曲を弾きつつヒントをもらったのでしょうね。

マズルカ 30~32番他

2024-04-14 15:18:11 | 全曲演奏付き講演会
毎回土曜日開催のショパン「マズルカ」シリーズ。
今回のみ、金曜日の開催となります。

今までのマズルカは、必ず4曲がセットになっていたのですが、
このOp.50は3曲の構成。
それだけでも、今までのマズルカとは何か違う、と直感します。
特に第3番、嬰ハ短調は「新境地」と言っていいでしょう。

詳細は、講座で音を出しながらお話しますが、
ポリフォニーや、後半のめくるめく転調など
「マズルカ」とは称しながら、舞踏曲の範疇を越えたショパン独自の作品となっています。
ん~、すばらしい!

他に「ノートル・タン」と呼ばれるマズルカと、
今回はマヨルカ島でのショパンとジョルジュ・サンドとのエピソードもお話するので、
「前奏曲集Op.28」から〈雨だれ〉など数曲も演奏予定です。


マズルカ第22~25番

2024-01-13 18:08:44 | 全曲演奏付き講演会
1月20日(土)NHK文化センター京都教室にて、「マズルカ⑥」を開催します。

第22~25番(Op.33)全曲演奏の他、
今回はその時期のショパンの、叶わなかった恋の相手・マリア ヴォジンスカに関するお話と作品も。
ワルツOp.69-2(別れのワルツ)、
エチュードOP.25-2(ショパンが「マリアの魂の肖像」と語った)など。
ちょっと湿っぽくなってしまうので、華麗なるワルツ(第2番 Op.34-1)も弾きます。

前回の第18~21番のとき、
同じメロディが何度も繰り返される=エネルギーが少ない(いい意味でも良くない意味でも)ことや、
曲の終わり方がちょっと変わっている(終わりです! という感じではない)ことに気付きましたが、
今回も同様。

それは、一つにはマリアとの人間関係の心理的な翳りが影響しているのでは、と私は推察します。
ただ、その同じメロディを繰り返す時、
ハーモニーは変化していることや、
以前に頻出していたドローン(同音のバスが続く)の手法がソプラノに来ることなど、
作曲技法の新たな展開にもつながってるよう。

めちゃおもしろい!


省エネ? マズルカ⑤

2023-11-04 15:25:29 | 全曲演奏付き講演会
ショパン「マズルカ」⑤が、11月11日(土)午後1時30分よりNHK文化センター京都教室にて開催されます。

「マズルカ」第18~21番(Op.30-1~4)、「雨だれ」(前奏曲集より)「ノクターン 遺作 嬰ハ短調」他を演奏予定。

いつも、1曲ずつを解説しながら演奏して、お話もしたあと、
最後に再度そのマズルカ全4曲を通して演奏するのですが、アンケート回答に
「最後に全曲通して演奏されるときが、毎回至福の時間です」と書いてくださった方も。

お話については、
前回は「ヘミオラ」を、短歌や俳句の「句またがり」なども交えてお話しましたが、
今回はまず、当時のショパンの交友関係(主に作曲家)について、エピソードとともに。

それから、ちょっと賢くなって頂くために「ゼクエンツ」について。

今回の4曲には、ゼクエンツの他、同じ短いメロディを繰り返しつつ、
ハーモニーは変化する、みたいな箇所もあります。
それってめちゃ省エネ! 
つまり、少ない素材(メロディ)を、ハーモニーによって変化させる=省エネ。
だけど、聴く人を飽きさせないってことですよね。


やさしいソナタ

2023-02-05 14:05:47 | 全曲演奏付き講演会
次の土曜日、2月11日午後1時30分より、
NHK文化センター京都教室にて「やさしいソナタ」開催。

今回は、モーツァルトC-dur(ドーミソ シードレドー)全曲と、
ベートーヴェンOp.49-1、2(g-moll、G-dur)全曲弾きます。

前回は「アラベスク」くくりで、シューマンとドビュッシーを
なかば思い付きでやったのですが、意外な発見が!

その二人の共通項と、相違点についてですが、何だと思います?
・・・相違点はわかりますよね。
つまり、ドイツロマン派と、フランス印象派(象徴派)。
espressivo(=express =中から外へ押し出す=内にある感情を)と、
impression(外界から中へ入って来た光や匂いにインスパイアされる)。
全く反対の方向。

共通項は、二人とも「音楽評論」を熱心に書いていること。

・・・その他の発見としては、
音楽における「アラベスク」は、有名な所ではバッハにまで遡れる、ということ。
ドビュッシーも書いていますが、
たとえば、あの有名なカンタータ(♪ソラ シレド ドミレ レソ♯ファ ソレシ シラシドレミレドシラシソ...)とか。

・・・思い付きでやってみて、意外な発見があることってほんと面白い。

さて今回の「やさしいソナタ」、どうなるでしょう。

アラベスク

2022-11-30 16:11:13 | 全曲演奏付き講演会
〈なつかしいピアノ曲〉の第5弾!
今回は「アラベスク」という括りで。
12/10(土)13時30分より、NHK文化センター京都教室(京都大丸より徒歩1分)にて。
詳細は、こちらへ。

シューマンのものと、ドビュッシーの「アラベスク第1番、第2番」。
ブルクミュラーも。

他に、シューマンの「ユーゲントアルバム」も少し。
前回「子どもの情景」の時にも弾きましたが、
あまりに魅力的な小品が多く紹介し切れませんでしたので、今回残りのいくつかの曲を。

シューマンって、本当に「内的な音楽」を書く人で、
それは若い頃の多くのピアノ曲よりむしろ、
晩年の室内楽や子供のための曲などに感じられます。




「子どもの情景」と「ユーゲントアルバム」

2022-10-19 23:24:22 | 全曲演奏付き講演会
10月22日(土)午後1時30分 NHK文化センター京都教室にて
【子どもの情景】・・・「なつかしいピアノ曲」シリーズの第4回目です。
詳細は、こちらへ。

今回はシューマン「子どもの情景」全曲(トロイメライを含む)を解説、全曲演奏します。

むかし小学校高学年の頃この曲が大好きで、
たしかアニー・フィッシャーのレコードをよく聞いてました。

その頃は、第1曲目にBACH音型が隠されているって知らなかった!

また【ユーゲントアルバム】も今回と次回、数曲ずつ紹介します。

「愛する五月よ」など、なんと愛らしい音楽!
しかもポリフォニーが絡んでいるので、音楽的にもとっても上等、というかよくできてる。。。


モツとベトの「ロンド」

2022-07-28 23:05:09 | 全曲演奏付き講演会
明後日7月30日(土)午後1時30分より、NHK文化センター京都教室にて。

今回は、5曲のソナチネの他、ベートーヴェンの「ロンド Op.51-1 C-dur」も。

この曲は、その約10年前に書かれた、モーツァルトの「ロンド K.485 D-dur」をお手本としてます(モツとベト、二人とも30歳そこそこの時の作品)。

その2曲の、共通項と相違点がめちゃ面白い。

二人の作曲家の特性、あるいは「時代」(ロマン派への流れ)が、はからずも明らかに!


ソナチネアルバムから8曲弾きます

2022-06-20 23:32:48 | 全曲演奏付き講演会
【なつかしいピアノ曲② 「ソナチネアルバムその1」】 
6/25(土)午後1時30分、NHK文化センター京都教室にて開催します。
 
「ソナチネアルバム」より以下の曲を全曲演奏。
 第1番(クーラウ Op.20-1)
 第4番(同 Op.55-1)
 第7番(クレメンティ Op.36-1)
 第8番(同 Op.36-2)
 第9番(同 Op.36-3)
 ベートーヴェン(?)ト長調
    同   (?)ヘ長調
 モーツァルト「ロンド」K.485 ニ長調 詳細は、こちらへ。

「ソナチネアルバム」と言っても、編集者によって中身は異なるのですが、
今回は、私が子供のころ使っていた全音楽譜出版社版から。

同じ全音版でも、新しい版では「ロンド」などは入ってませんが、
「子供のころ弾いたなつかしい曲」ということで、今回モーツァルトのロンド弾きます。

7月30日(土)の「ソナチネアルバム②」では、ベートーヴェンの「ロンド ハ長調」を。
ベートーヴェンがモーツァルトから一杯学んでるのがわかります。(^^

ところで今回弾くクレメンティの Op.36-3ハ長調(ソーーミ ドソソソ)って、
モーツァルトのソナタ K.330ハ長調(ソッソーーファミミレドシ)と
そっくり(左手は最初全く同じ)。

いま急いで調べたところ、クレメンティの曲の出版が1797年となっているので、
たぶんクレメンティがパクったのか。
その辺りのお話も。。。


ブルクミュラー 全25曲弾きます!

2022-04-21 23:13:37 | 全曲演奏付き講演会
NMK文化センター京都教室「なつかしいピアノ曲 ① ブルクミュラー」 
4/23 土曜日、午後1時30分より。 → こちらへ。

ベートーヴェンのピアノソナタシリーズが終わり、
4月からは、ちょっと子供のころ弾いていた懐かしい曲を。

ブルクミュラー25曲ぜんぶ弾きますが、
むかし私が使っていた楽譜と、初版を元にした原典版ではいろいろと違いが。。。




フランス組曲第2番、第5番を弾きます!

2017-08-24 16:38:41 | 全曲演奏付き講演会


明後日土曜日、「生演奏でバッハを~フランス組曲全曲」の第2回目。
2番ハ短調と5番ト長調を全曲演奏+お話します。

第1回での、「組曲の構成」や「当時の楽器」「ポリフォニー」の復習のあと、
今回は、「各舞曲(アルマンド、サラバンドetc.)の性格」を詳細に。

2番のクーラントにおけるポリリズムも解説します。


この何ヶ月か忙しくてアップできなかったものがいくつかあって、
とりあえず先週の土曜のゲスト出演を、備忘的に載せておきます。