前回のブログに以下のように書きました。
・・・・・
4番変ロ長調シンフォニーの冒頭、ユニゾンの♭シ――・・・・が伸びているところへ
♭ソ――・・♭ミ――・・ファ――・・♭レ――・・・・・
↑
これって、何か気づきません?!!!
・・・・・
・・ようやく気づいてくださる方約一名。
そうです、5番ハ短調シンフォニー(「運命」)の冒頭
♪ソソソ♭ミ―――・・・ ♪ファファファレ―――・・・
の、「ソ、ミ、ファ、レ」という音型の予行演習なのです!
これは、偶然似ている、とかそういったものではゼッタイありません。
あの「運命の動機」として有名な「♪ダダダダ―――ン」というリズムが、
「運命」作曲以前にいろいろな曲(たとえば「熱情ソナタ」)で試されている、という話は有名ですが
リズムだけではないのですね。
以下は私個人的な見解ですが、書いておきます。
この「ソ・ミ・ファ・レ」という音型は、たぶん探せば他の曲にもいくつか見つかると思いますが、
元来、下降音型(「ソ→ミ」も「ファ→レ」も3度下降)ですので
どちらかといえば、やさしさや柔らかさといった性格(4度や5度ではないことも重要)を持つ音型です。
だから4番シンフォニーでは、柔らかいとは言えないかもしれないけれど、
神秘的、ミステリアスな雰囲気になりました(ソに♭が付いたことが大きい)。
それを、今度は5番シンフォニーで
なんと、ものすごい「エネルギーの爆発」にしてしまったのです!
「ソ→ミ」「ファ→レ」という、3度の下降音型を使って
あんなエネルギーのテーマを考えつくなんて、
というか、
ベートーヴェンは、従来の音の性格(下降音型や3度は、優しくて柔らかい)を
なんとか別物にしようと悪戦苦闘しているのです。
(モーツァルトはそういう場合、べトちゃんみたいに無理強いしないで
その音の性格を上手に利用してオンガクします。
両者、持って生まれた性格の違いですね。)
この他にもベートーヴェンは「動機(モチーフ=短い音型)」を、
何年も何十年もにわたってさまざまな曲に使う・・・というか
その音型を、ひっぱったり叩いたり、蹴ったりひっくり返したり・・
これでもかこれでもか、というほど使いまくり
それをすべて晩年の作品の中に昇華していく・・・。
たとえば、「大公トリオ」の一つ前の変ホ長調トリオ。
この曲のフィナーレに出てくるモチーフは、「大公」冒頭テーマをひっくり返した形です・・・というか、変ホ長調トリオのモチーフをひっくり返したものが、「大公」のテーマ。
あるいは、
第九交響曲の第2楽章冒頭、「レッレレ・ラッララ」(最初のレ及びラは、後の二つのレ及びラの、オクターブ高い音)の後に
ティンパニが「ファッファファ」(最初のファは、後の2つのファよりオクターブ高い)とやるのは、多くの意味で画期的(内容は略)なのですが、
ベトちゃんは、すでに第8シンフォニーでティンパニに「ファ・ファ」(オクターブ)と何度もやらせて試しているのですね。
私にとって一番身近な例としては、5曲のピアノとチェロのためのソナタ。
身近な例、というより、チェロソナタを弾いていてそういったことを気づき始めたのですが。
4番ハ長調チェロソナタのアレグロ部分に、どうみても不可解な音型が出てくるのですが、
それって、実は3番チェロソナタの冒頭テーマだったのですね。
そう気づいたとき、わらわらと他にもそういった例が見つかってきたのです。
そして、あの5曲は、5曲全部で一つの大きな作品になっている。。。
(ここで詳細を書くことできませんが)
ピアノソナタにしても、似たようなことはたくさんあり。
そういったサブリミナル的なものが、作品の一つのエネルギーというか
作品を長く強く支える、影のチカラになっているのでしょうね。
・・・・・
4番変ロ長調シンフォニーの冒頭、ユニゾンの♭シ――・・・・が伸びているところへ
♭ソ――・・♭ミ――・・ファ――・・♭レ――・・・・・
↑
これって、何か気づきません?!!!
・・・・・
・・ようやく気づいてくださる方約一名。
そうです、5番ハ短調シンフォニー(「運命」)の冒頭
♪ソソソ♭ミ―――・・・ ♪ファファファレ―――・・・
の、「ソ、ミ、ファ、レ」という音型の予行演習なのです!
これは、偶然似ている、とかそういったものではゼッタイありません。
あの「運命の動機」として有名な「♪ダダダダ―――ン」というリズムが、
「運命」作曲以前にいろいろな曲(たとえば「熱情ソナタ」)で試されている、という話は有名ですが
リズムだけではないのですね。
以下は私個人的な見解ですが、書いておきます。
この「ソ・ミ・ファ・レ」という音型は、たぶん探せば他の曲にもいくつか見つかると思いますが、
元来、下降音型(「ソ→ミ」も「ファ→レ」も3度下降)ですので
どちらかといえば、やさしさや柔らかさといった性格(4度や5度ではないことも重要)を持つ音型です。
だから4番シンフォニーでは、柔らかいとは言えないかもしれないけれど、
神秘的、ミステリアスな雰囲気になりました(ソに♭が付いたことが大きい)。
それを、今度は5番シンフォニーで
なんと、ものすごい「エネルギーの爆発」にしてしまったのです!
「ソ→ミ」「ファ→レ」という、3度の下降音型を使って
あんなエネルギーのテーマを考えつくなんて、
というか、
ベートーヴェンは、従来の音の性格(下降音型や3度は、優しくて柔らかい)を
なんとか別物にしようと悪戦苦闘しているのです。
(モーツァルトはそういう場合、べトちゃんみたいに無理強いしないで
その音の性格を上手に利用してオンガクします。
両者、持って生まれた性格の違いですね。)
この他にもベートーヴェンは「動機(モチーフ=短い音型)」を、
何年も何十年もにわたってさまざまな曲に使う・・・というか
その音型を、ひっぱったり叩いたり、蹴ったりひっくり返したり・・
これでもかこれでもか、というほど使いまくり
それをすべて晩年の作品の中に昇華していく・・・。
たとえば、「大公トリオ」の一つ前の変ホ長調トリオ。
この曲のフィナーレに出てくるモチーフは、「大公」冒頭テーマをひっくり返した形です・・・というか、変ホ長調トリオのモチーフをひっくり返したものが、「大公」のテーマ。
あるいは、
第九交響曲の第2楽章冒頭、「レッレレ・ラッララ」(最初のレ及びラは、後の二つのレ及びラの、オクターブ高い音)の後に
ティンパニが「ファッファファ」(最初のファは、後の2つのファよりオクターブ高い)とやるのは、多くの意味で画期的(内容は略)なのですが、
ベトちゃんは、すでに第8シンフォニーでティンパニに「ファ・ファ」(オクターブ)と何度もやらせて試しているのですね。
私にとって一番身近な例としては、5曲のピアノとチェロのためのソナタ。
身近な例、というより、チェロソナタを弾いていてそういったことを気づき始めたのですが。
4番ハ長調チェロソナタのアレグロ部分に、どうみても不可解な音型が出てくるのですが、
それって、実は3番チェロソナタの冒頭テーマだったのですね。
そう気づいたとき、わらわらと他にもそういった例が見つかってきたのです。
そして、あの5曲は、5曲全部で一つの大きな作品になっている。。。
(ここで詳細を書くことできませんが)
ピアノソナタにしても、似たようなことはたくさんあり。
そういったサブリミナル的なものが、作品の一つのエネルギーというか
作品を長く強く支える、影のチカラになっているのでしょうね。