河野美砂子の「モーツァルト練習日記」+短歌+京都の日々の暮らし

7/27(土)13時30分 NHK文化センター京都 ショパン「マズルカ」Op.59全曲、「バラード第3番」等

杉本秀太郎先生宅訪問記・5

2007-02-11 23:09:36 | 杉本秀太郎先生宅訪問記
モーツァルトのピアノコンチェルトK.503ハ長調が先生はお好き、とおっしゃる。
私は今までちゃんと弾いたことがなかったので、そこにある楽譜を見つつちらちら弾きました。

梯 剛之さんという盲目のピアニストも先生宅を訪問されたことがあるそうで、その時は、ブラームスの小曲集Op.118の最後の曲(変ホ短調)を弾かれたとのこと。

では、と、私は、同じOp.118の中から2番、イ長調を。

楽譜があったのでアンプの心配もなく、ブラームスの「espressivo」をたっぷりと弾きました。

楽器は、タッチとペダルがちょっと独特でしたし、磨ガラス+格子を隔てた向こうは綾小路通りで、車の音がけっこう入るですが、思い入れがあると関係なくなるのですね。

4ページの小曲ですが、何回弾いてもほんとうにいい曲。

先生は、低音が効いてた…とおっしゃいました。
ブラームスって、内声やバスを弾きたくなるんです、と私。


……あっという間に1時間が過ぎてしまいました。
もう失礼します、と立ち上がったところ、先生は部屋隅の壺に挿してあった枝を折りつつ「宿り木あげるわ」と、きれいな黄色い実のついたものを二本くださいました。

宿り木ってヨーロッパではクリスマスの時の縁起のいいものとかで、以前から先生がお好きなのは知っていました。
なのでとてもうれしく頂戴しました。
ほんとに黄色い実が半透明できれい。

宿り木を手に持ちながら、昼過ぎの綾小路通りを歩きました。
曇りがちの一月の空と、宿り木の黄色い実の色が印象的でした。




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杉本秀太郎先生宅訪問記・4

2007-02-10 02:16:46 | 杉本秀太郎先生宅訪問記
もう紙が茶色くなった、古いペーター版の楽譜。
ぱらぱらめくってみると、こないだ「モツ会い」で弾いた「メヌエットK.355ニ長調」(モーツァルトの曲の中では超マイナーな小曲)の楽譜が載ってる!

驚きつつそのメヌエットを弾きだすと、先生はそのメロディを口ずさまれる。

ひぇ、先生知ったはんのん?!
マニアですねぇ~。

とか言ってるうちに、奥様がお茶とお菓子を持ってきてくださる。

そのお茶の、なんとまあおいしいこと。
緑茶があんなに甘いって、今まで知らなかった。
本当にお茶っておいしくてありがたいものなのですね、という感じのお茶。

お菓子は、柚子の形してる、と思ったら、「これは、ゆべし」と教えてくださった。
杉本先生宅に生る柚子の実を使った自家製で、杉本先生のお母様がお作りになっていたものをそのまま奥様が作っていらっしゃるとか。
ゆべしにも種々あるらしいが、先生宅のは、柚子の実をくりぬいた中に、ご飯が詰めてある。
見た感じ、飯蛸の「飯」みたい。

つづく。
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杉本秀太郎先生宅訪問記・3

2007-02-08 23:18:36 | 杉本秀太郎先生宅訪問記
まず、おも~い戸(あれなんていうの?格子の引き戸)を開けて、そのあと、昔はお店だっただろう所を通って、迷いそうになりながら上がり口(名前まちごうてるかも)へ。

奥様(?)に、どうぞお上がりください、と言われたのだけどお忙しいの知ってたので、用件だけですぐ失礼します、と言ったら、さっきからお待ちかね、と言われて、恐縮。

で、上らせていただく。
さりげなく水仙が活けてある。
一月の末だったから、もうそれだけで感激。

蔵を改装した、と聞いたことありますが、アップライトピアノ(ザイラー)が置いてある洋間へ。

今回のお礼と、その事情のほか少しお話をしたあと、迷いつつも、先生、お礼と言っては失礼なんですが……、と切り出したところ、そんなんええ、ピアノさえ弾いてくれたら…、とおっしゃって、ひゃあやっぱり、と言ってしまいました。

ピアノの上には古い楽譜がたくさんあり、その中から、昨年の「モーツァルトに会いたい」で弾いた、ソナタK.280(ヘ長調)の第2楽章へ短調アダージォを。
先生のお好きな曲です。

前半後半両方リピートしてたっぷり聞いていただきました。

つづく。
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杉本秀太郎先生宅訪問記・2

2007-02-08 01:36:46 | 杉本秀太郎先生宅訪問記
杉本先生のお宅は、知る人ぞ知る「杉本家住宅」4http://www.gyoutai.com/kyoto/sugimotoke/info.htm
かの名著「洛中生息」の、あのお宅。

この21世紀によくまあ残っている、とまず驚く、京都の、古い、古いだけじゃない、その規模と質の高さに感動するおうちです。

ここを、「保存」するのではなく、日々杉本先生一家が生活したはる、というところが素晴らしい。

これは私個人の感想ですが、たとえば「二条駅」(もとJR山陰線駅舎・今は梅小路に移転)みたいに保存するのは、まぁ、壊すよりはいいけど、でも使わなかったらあかんと思います。
骨董とかも、私のうちにはヤスモンしかないけど、使わんとあかん(時々割ってオコラレマス)。

……で、そのおうちですが、祇園祭の時(おうちを公開される)に詩人の高橋睦郎さんと一度伺ったりしたことあるのですが、個人的に訪問するのははじめて。
どきどき。

つづきはあした。
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杉本秀太郎先生宅訪問記・1

2007-02-05 23:10:12 | 杉本秀太郎先生宅訪問記
「モーツァルトに会いたい・2」、徐々に詳細が決まりそうですが、まだ正式ではないので、今しばらくは発表できず残念。

先日、そのために助成金申請なるものをしたのですが、その書類に「推薦者の推薦文と印鑑」という欄があり、なななんと、あの、す、す、杉本秀太郎先生にお願いしてしまったのです!
なんというハジシラズ。
冷静に今考えると、よく厚かましいお願いをしたものだと思いますが、その時は、申請申し込み締切直前であせりまくっていたため、お電話いきなりしてしまいました。

いくらなんでもお電話でお願いするのは失礼かと思い、お会いしたい旨伝えると、「何日たらまであかんのや。新しく出る本(?)の校正と締切原稿と、なんやらの審査で東京行き…」とおっしゃる。
その「何日たら」は、申請申し込み締め切りが過ぎてしまっている日なので、こらあかんと思い、ほんなら結構です、と言いつつ、一応用件をお伝えすると、「それやったら書いたげるわ、明日1時半に家に来て」とありがたいありがたいお言葉。

で、翌日、あの、素晴らしいおうち、四条烏丸近く(芸術センターから歩いて2、3分?)のお宅に伺いました。

続きは、明日か明後日かに。
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