河野美砂子の「モーツァルト練習日記」+短歌+京都の日々の暮らし

7/27(土)13時30分 NHK文化センター京都 ショパン「マズルカ」Op.59全曲、「バラード第3番」等

明日(今日)本番 KV454

2008-05-29 01:33:32 | モーツァルト関連
また昨日のつづきですが。
モーツァルトのヴァイオリンソナタ変ロ長調KV454の第2楽章展開部。

異名同音での転調がすごい、と昨日書いたあと
気づいたことあり。

変ロ短調→ロ短調→ハ短調
(♭5つ→♯2つ→♭3つ)。

それぞれ遠い調への転調に目を奪われるけど
主音だけ見れば、♭シ → シ → ド ・・・と
半音階上行型なのですね。

な~るほど・・・。
ほんま、ようできてる・・・嘆息・・・。

・・・
この第2楽章のような
シリアスで大胆でぞっくり来る転調があるかと思えば
第3楽章ロンドの最後の方のユーモア(第243小節~第250小節)など

音楽として本当に本当に魅力的で
よ~くできてる。

明日2番目に弾くプロコフィエフの第一番ヴァイオリンソナタは
或る意味で
モーツァルトのヴァイオリンソナタと究極の反対のような音楽。
(プロコの第2番はそうではないのだけど。)

ともあれ
明日の本番、とてもたのしみです。
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KV454 第2楽章

2008-05-28 00:48:53 | モーツァルト関連
昨日のつづき。

明後日(明日)木曜日本番を控えて
楽譜をアップする時間ないのだけどとりあえず。

第2楽章 Andante 変ホ長調は珍しく繰り返し記号なし。
でも明らかに第49小節からが展開部。

ここからがすごい。

提示部変ロ長調で終わったあと
いきなり変ロ短調(♭5つ!)。

5小節目(第53小節目)から減七和音等の3小節×2が終わったあと
第59小節目から。

59(小節)・・変ロ短調Ⅰの和音(♭シ ♭レ ファ)。

60・・上記に一音(♭ラ)を加えて、Ⅰの7の和音(♭シ ♭レ ファ ♭ラ)。

71・・まず上記の「♭シ ♭レ ファ ♭ラ」を異名同音に読み替える。
   すなわち「#ラ #ド #ミ #ソ」。
     ↓  ↓ ↓  ↓ ↓
   そこから「#ラ #ド  ミ #ファ」(ロ短調の属七和音!!!)。

・・・これ以上楽譜ナシで書くのはたいへんなので、かいつまんで書くと

変ロ短調(♭5つ)からいきなりロ短調(♯二つ!!)に行き
それだけでは終わらず
なんと
そのままハ短調(♭3つ)に転調するのです。

そして変ホ長調に戻ったところが再現部。

ここは本当にすごいところです。


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KV454 と KV482

2008-05-27 00:00:55 | モーツァルト関連
「モーツァルトに会いたい」シリーズを継続しているせいか
そのシリーズ以外でもモーツァルトを弾く機会があるのがうれしい。

18日は、宇治シティフィルの定期演奏会でKV482変ホ長調のコンチェルト、
29日木曜日は、大阪フェニックスホールでの「八幡順ヴァイオリンリサイタル」にて
KV454 変ロ長調のソナタを(他にプロコフィエフのソナタ第1番ヘ短調)。

この2曲は、ほとんど同じ時期の作品。
モーツァルトが、自分自身で作品目録を付け始めた頃で
ヴァイオリンソナタKV454が、1884年4月21日
コンチェルトKV482が、1885年12月16日の日付がある。

両曲ともまったく良くできた作品。

エピソードとして伝わっているのは
どちらの曲も
モーツァルト自身が弾く演奏会のために書かれたのだが
本番までに楽譜が間に合わず
モーツァルトが弾くパート譜はメモ程度だったとか。

ヴァイオリンソナタの方は
幸いその後ピアノパートもちゃんと楽譜に書かれたが
コンチェルトの方はカデンツァが残されていないどころか
第3楽章の何箇所かは、そのメモのまま。

18日本番の前は
その部分をどういうふうに弾こうか
けっこう悩みました。

カデンツァもとっておきの今回特別ヴァージョンでしたが
その話はまた別の機会に。

ヴァイオリンソナタの方は本番を3日後に控えて
練習も佳境に入ってて(?)
いろいろと気づくことあり。

この曲の白眉は
やっぱり第2楽章の転調でしょう。

以前にこの曲を弾いたときもその凄さをもちろん感じましたが
「モツ会い」シリーズで多くの曲を弾いてわかるのは

晩年のモーツァルトは
①多くの調に転調することによってカラーが変わる
②同じメロディ、音型でも音域の違いでカラーが変わる
ということにとても意識的だったということ。

詳細はまた明日。 
 
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角川「短歌」6月号

2008-05-23 22:14:54 | 短歌
今日あたり発売されたはずの、角川書店「短歌」6月号。
巻頭26首「こんなところに」が載りました。

本番と本番のあいまに書いたもので
出来がよいのかよくないのか
自分ではさっぱりわからず。

「塔」の月集評の方は
今まで5回掲載されて、
ファンレター(?)が何通か来たり
「ノリノリで書いてますね」と言われたり。
自分自身でも
書き出すまでは時間かかったけど
始まるとなかなか調子よく書けたみたいな気がする。

その月集評、
つい先日6回目最後の原稿を送って

昨日は「塔」の10首を送って
ようやく締切原稿がなくなりました!

あとは29日木曜の
大阪フェニックスホールでの本番
「八幡順ヴァイオリンリサイタル」の
モーツァルトのソナタKV454 変ロ長調と
プロコフィエフ1番をがんばるのみ。

それが済んだら
ほんとーに長かった半年が終わります。

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カデンツァ完成!日曜本番コンチェルト

2008-05-15 23:45:12 | モーツァルト関連
10日土曜日の本番が終わって
今度はコンチェルト本番が18日日曜日に。

モーツァルトのKV482 変ホ長調(第22番)。

この曲は、モーツァルトの書いたカデンツァが残っていないため
いろいろなピアニストがそれぞれのカデンツァを作っている。

第1楽章と第3楽章の大きなカデンツァの他に
第3楽章ロンドの途中にアンダンティーノのメヌエットが入る(第9番ジュノームとそっくり!)のだが
その「入り」と「出」にも小さなカデンツァが必要。

しかも
モーツァルトがこの曲が書いたとき
よっぽど時間がなかったと見えて
第3楽章フィナーレのピアノソロパートには
メモ程度の音符しか書いてない所がいくつか。

モーツァルトのピアノコンチェルトは
晩年に素晴らしい曲が次から次へと生まれているが、
これは
彼がウィーンに定住してから
自分がソロを弾いてお客様を集める「予約演奏会」のための曲。

だから
オケパートは音符を書かないと弾いてもらえないけど
自分が弾くところは
全部の音を書かなくても大丈夫、というわけ。

250年後のわたしたちは
そのメモをたよりに(和音とか、だいじな音符のみ書いてある)
それをリアライゼーションするのです。

もう10年くらい前だったか
同じモーツァルトの21番ハ長調コンチェルトを弾いたとき
やはりモーツァルトのカデンツァがなかったので
自分で作曲したけど

今回はなにしろ時間がなかったので
(4月4日が母の告別式、19日にメントリ1番などの本番。その後からようやくこのコンチェルトの練習を始めました。実質一ヶ月・・・。)、

オリジナルを作る余裕がなく
リリー・クラウスやスコダ、エドウィン・フィッシャーのものを参考にして・・・

実は!
今回の演奏会のみの特別ヴァージョンのカデンツァを考えました!!

ここでその内容をバラすと
当日の楽しみが半減するので今は書けませんが。

ヒントは、下記のプログラム。

1.モーツァルト作曲 オペラ「後宮からの逃走」序曲
2. 同       ピアノコンチェルト第22番KV482変ロ長調
3.ショスタコヴィッチ作曲 交響曲第5番

 ・宇治シティフィル第52回定期演奏会 指揮・脇坂英夫
 ・2008年5月18日(日) 午後2時開演
 ・文化パルク城陽プラムホール 電話 0774-55-1010
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本番1日前です

2008-05-09 00:00:16 | モーツァルト関連
5月10日(土)午後2時、京都アスニー(千本丸太町西)4階ホールにて
アスニーコンサート「歌の花束」が開催されます。

4月19日にメントリ(メンデルスゾーンのピアノトリオ)などの本番が終わったあと
短歌26首という原稿に苦悶し(角川「短歌」6月号に載ります)、

5月18日本番のコンチェルト(モーツァルトピアノ協奏曲第22番KV482変ホ長調)の練習が入りつつ

明日の演奏会の練習も入り

その合間に指を怪我し

はっきり言って
われながらようやる。

あ、もひとつ
締切過ぎた塔の原稿、まだ書いてへん。
・・・・

明日のコンサート、以下詳細です。

 河野 美砂子(ピアノ)
 田中 奈津美(ソプラノ)
 砂場 拓也(バリトン)

♪ プログラム
 〈オペラアリア〉
・モーツァルト/オペラ「ドン・ジョバンニ」より「カタログの歌」
・ロッシーニ /オペラ「セミラーミデ」より

 〈オペラ二重奏〉
・モーツァルト/オペラ「ドン・ジョバンニ」より
        オペラ「フィガロの結婚」より

 〈イタリア・ドイツ歌曲〉
・シューベルト/「魔王」「菩提樹」
・マスカーニ /「アヴェ・マリア」他

 〈日本歌曲〉
・中田喜直/「夏の思い出」,「木兎」,「悲しくなったときには」
・山田耕筰/「この道」,「中国地方の子守唄」,「からたちの花」その他

問い合わせは、京都アスニー(電話 075-812-7222)まで。

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