河野美砂子の「モーツァルト練習日記」+短歌+京都の日々の暮らし

7/27(土)13時30分 NHK文化センター京都 ショパン「マズルカ」Op.59全曲、「バラード第3番」等

春の祭典

2013-04-15 03:47:34 | モーツァルトに関係ないですが。音楽関連♪
BS パーヴォ・ヤルヴィ パリ管の「ハルサイ」!

途中から見たけど、なんか音の組み合わせがすごくよくわかる演奏!!
初演から100年ですね~。
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絶対音感とは ~ 相対的な絶対音感?!

2013-04-01 20:46:44 | 全曲演奏付き講演会
3月30日の、ミニ演奏付き講演会「日本人とピアノ~絶対音感って?」でお話した内容の一部を、備忘録的に書いておきます。

お話の前半では、シーボルトのピアノから始まって
日本のピアノに関する歴史的な流れを、年表(自作しました)を使って振り返りました。

伊沢修二が音楽取調掛のボスになった不幸とか、幸田延、メーソン、久野久子、園田清秀などについて。
園田清秀さんというのは、園田高弘先生のお父上で、パリでカサドシュに師事、
32歳の若さで亡くなられたにもかかわらず大きな仕事をされています。

島崎藤村(東京音楽学校に入学したことあり)が後年、
パリでドビュッシーの自作自演を聴いたとか、
夏目漱石が400円でピアノを購入したとか、そういうお話も交えながら・・。

京都の番組小学校のいくつかにスタインウェイやペトロフなどが
町衆の寄付で購入されたことなども(私の通っていた京都市立嘉楽中学校にも
スタインウェイがありました)。

絶対音感早期教育は、ハーモニー感が身についていない日本人のコンプレックスと相まって徐々に広まってゆき
昭和に入って戦時色が強くなる時代には
戦闘機を識別する(音の高さの違いで)のに使われたことも(ヒトラーユーゲントでもそのようなことがあったらしい)。

戦後は、羽仁もと子が自由学園で、その早期教育を斎藤秀夫などに依頼、それが桐朋学園「子どもの教室」につながったようです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

後半は、「絶対音感」について。

「絶対音感」とは、
A(ラ)が440ヘルツである場合、
一音または複数の音を聞いて、音名(ドレミ)が識別できる能力。

という定義づけを一応しましたが、上記はたいへんナンセンス。
なぜなら、以下のことがあるからです。

★A(1点ラ)=440 Hz(ヘルツ)ということは、1939年にロンドンでの国際会議で決定された。
 
①だが現在、日本の一般的な演奏会などでは442~443Hz。
②ヨーロッパではそれより高い(445Hz前後)ことも多いが、アメリカでは逆に440Hzが中心。

③バロック・ピッチ(古楽 = いわゆるピリオド楽器を使った演奏 = バッハなど)では、一般に 415Hz。
だが厳密にいうと、「カンマ―トーン」や「コーアトーン」などがあり、決まった基準があるわけではない。

④その他にも当時は、ヴェルサイユ・ピッチ = 392Hzや、ヴェネツィアン・ピッチ = 466Hzなど種々のピッチが存在した。

⑤当時は、絶対的な基準となるピッチは存在せず、町ごと、村ごとに異なったピッチが使われていた。
それどころか、一つの町の中でも異なったピッチが使用されていた(教会、室内楽、軍楽隊など)。

⑥彼らにとって大切なことは、ピッチではなく、和声(ハーモニー)の色合いだった。
そのため、鍵盤楽器では様々な調律法(平均律ではないもの。例えば「ミーントーン」「ヴェルクマイスター」など)が試された。

ただし、A(ラ)が仮に415ヘルツだと決まったら、そのラ415ヘルツを基準に
他の音(ドレミ)が即座に識別できる能力は、絶対に必要。

別の場合には、A(ラ)が430ヘルツとされるかもしれない。
その時には即座にアタマを切り替えて、430ヘルツを基準にした絶対音感が必要。

それを名付けて「相対的な絶対音感」。

だから、たとえば
「415ヘルツの音」が「ラ」なのか「ラ♭」なのか、聞いて判断することは
ナンセンスの極致。

現代のピッチなら、それは「ラ♭」だし
いわゆるバロックピッチなら「ラ」となります。

CDもいろいろ聞きましたが
たとえばバッハ「無伴奏チェロ組曲」では
 ヨーヨー・マ 410(415だったかも)ヘルツ
 ビルスマ 430ヘルツ
 ブルネロ 440ヘルツ
など。
・・・ビルスマがなぜ430かというと、この時の楽器はスミソニアン博物館所有のもので、ピッチを自由にできなかったとか・・・。
その証拠に、第6番のみは5弦のピッコロチェロ(スミソニアンのものではない)を使用、ピッチは410でした。
だから、ビルスマのCDを5番まで聞いて、続きに6番を聞くとヘンな感じ。

「クリスマスオラトリオ」の、往年の大家リヒターのCDなど
異常に高い、と思って計ったら、なんと450!
同じ曲の、コープマンのは430でした。


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