事後報告になりますが、2023年9月も「バースデートリオ」、
今年は、9/3 直方(福岡県)と9/5 荒川(東京)での2公演。
両日とも多くの方のご来聴いただき無事終了しました!
ベートーヴェンのWoO39は、
「ウィーン1812年6月26日。私の小さな友人、マクセ・ブレンターノに、ピアノを弾く励ましに。l v ベートーヴェン」
と自筆稿にある通り、当時10歳の女の子へのプレゼント曲。
彼女は8年後、ピアノソナタOp.109を献呈されていることでもわかる通り、良きピアノ奏者だったのでしょう。
「大公」トリオの後に書かれたこのWoO39は、
可憐な曲のようで、実は「後期ベートーヴェン」しか書かなかったような転調、構成など、大変興味深かったです。
モーツァルトK.502 B-durは、
ウィーン時代の一連の自作自演ピアノ協奏曲を思わせる名曲!
(ちなみにK.503は「ピアノ協奏曲第25番 C-dur」、K.504は「交響曲第38番・プラハ」!!)
次々と音楽のアイディアが現れて、Vn.とVc.とともに弾くこと、ほんと楽しい。
最後のブラームス第2番トリオOp.87 C-durで一番驚いたのは、
自筆譜(初版も)にメトロノーム数字(第一楽章・108)が書いてあること。
私の記憶では、ブラームスがメトロノーム数を書いてある例は他に思い出せません。
で、この2番トリオ第一楽章、その108はびっくりするほど速い(実際にはどう考えても速すぎる)のですが、
3拍子であることもあり、最初譜読みをしていた時のイメージより、ずっと軽い・・・
というと言い過ぎかもしれませんが、
重厚というより、清澄、あるいは調の変化のグラデーションを楽しみました(個人的には私はいつも「3拍子はダンス」と思ってます)。
フィナーレが giocoso(楽しく・おどけて)であることも、この曲のキャラ(ブラームスの従来のイメージとは異なる)を表しているかも。
福岡も東京も、お客様の暖かく、また音楽を楽しもうとする雰囲気がとても良かったです!