河野美砂子の「モーツァルト練習日記」+短歌+京都の日々の暮らし

6/22(土)13時30分 NHK文化センター京都 ショパン「マズルカ」Op.56全曲、ワルツ「ソステヌート」他

マズルカ④ ヘミオラ

2023-09-28 01:04:14 | ショパン


今度の土曜(9/30)午後1時30分 NHK文化センター京都教室(四条柳馬場)にて
「マズルカ」シリーズ④を開催します。

今回は、Op.24の4曲。
毎回、取り上げるマズルカ全曲を演奏(解説も)しつつ、さらに何か1つのテーマを決めてお話するのですが、
今回は「ヘミオラ」。

ヘミオラと言えば、まずはバッハを思い出します。
3拍子のカデンツ部分に頻出しますが、あと、舞曲(クーラントなど)では、途中部分にも。
たとえば「フランス組曲第3番 h-moll」のクーラント(4分の6拍子)の後半では、
その6拍子がなんと、右手は2+2+2、左手は3+3(もちろん同時に!)という小節がいくつかあります。

ショパンのマズルカの場合、
作曲年代順に今まで演奏してきましたが、今回ほぼ初めてヘミオラが登場しました。

マズルカでは今回が初めてですが、
それに先立って、有名なワルツ(華麗なる大円舞曲)の冒頭、
これも「ヘミオラ」というんでしょうか。(今回この曲も演奏します)

このワルツ冒頭の場合、
「同じテンポで、3拍子から2拍子になることによって、
煽(あお)る感じ、とか、テンポが速くなる錯覚、とか・・」という解説があり、
なるほど、と思いましたが、
バッハとかブラームスのヘミオラはそれとは異なって、
がっちりと囲う、みたいな感覚があるんですけど。。。
(だからこそ、カデンツ部分=エネルギーが必要=に用いられる)

グローヴの事典も見てみましたが、たいした説明はありませんでした。。。

現代のヘミオラでは、「ウェストサイドストーリー」の「アメリカ」。
今回久しぶりに聞いてみましたが、
バーンスタインの音楽、めちゃ魅力的!

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スティーヴン・ライヒ 日本公演

2023-09-25 03:41:34 | 室内楽
さきほど書いたBSの続き。

バッハコレギウムジャパン「ロ短調ミサ」の後に、
スティーヴン・ライヒ(ミニマルミュージック元祖)作品専門の演奏グループの日本公演録画。

・・・まずインタビューがあったのですが、
ライヒって、いま90歳近い(?)のにかわいいお帽子かぶってチャーミングなおじいちゃんでした。

東京オペラシティ(たぶん)が、ほぼ満席ということにびっくり。
今でこそ「現代音楽」ジャンルでは超有名作曲家というものの、ライヒのみの演奏会にこの数とは。
さすが東京。

しかも、最後の「18人の音楽家のための音楽」では、観客のほとんどがスタンディングオベーション。
日本人の、あんなに多くのスタンディングオベーションは、私は初めて見ました。

もちろん最後の「18人の・・」は、言いようのない高揚感というか、
いわゆるクラシック音楽の感動とは異なる、なんといったらいいのか、心を大いに動かされました。
そのこと自体も、自分でびっくり。

あと、2曲目の「トラベラーズ・プレイヤー」(日本初演)は、コロナ下での作品だそうで、
テキストとして旧約聖書など(歌+楽器アンサンブル)。
で、音程も「完全4度、5度。8度」が多用され、
もうそれはそのまま先ほどのバッハ「ロ短調ミサ」につながる。。。

おもしろーい!

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ロ短調ミサ コレギウムジャパン 

2023-09-25 00:20:55 | バッハ
ただいまBSで、バッハ「ロ短調ミサ」=バッハコレギウムジャパン・鈴木雅明さん指揮の、
トーマス教会での演奏放映中! 
すばらしい演奏。
今年2023年は、バッハがトーマス教会のカントルに就任して300周年(!)だそうです。

コンサートマスターは寺神戸亮さん。
・・・ン十年前、私が卒業直後のころでしたが、沖縄のミュージックキャンプでご一緒したことあります。
まだ彼がピリオドを始める前で、たしかプロコフィエフ2番のVn.ソナタ。
寺神戸さんは覚えたはらへんかもしれませんが。。。

そのキャンプの参加演奏家がすごくて、かのギドン・クレメルも来てました! 
クレメルは演奏のみの参加(他の講師はレッスンもしました)でしたが、
寺神戸さんは、クレメルに「レッスンしてくれ」と直談判。
・・・がクレメルは、レッスンするとなると最初の一音で1時間かかるから・・・、と断わった。。。

クレメルは、何曲かの室内楽の演奏をしましたが、
ある日の本番演奏の一ヶ所(?)が気に入らなかったとかで、
翌朝早朝、どの学生より早い時間からひたすらさらったはった。。。
完璧主義者=クレメル! と思いましたね。
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バースデートリオ2023 報告

2023-09-21 00:32:00 | 室内楽



事後報告になりますが、2023年9月も「バースデートリオ」、
今年は、9/3 直方(福岡県)と9/5 荒川(東京)での2公演。
両日とも多くの方のご来聴いただき無事終了しました!

ベートーヴェンのWoO39は、
「ウィーン1812年6月26日。私の小さな友人、マクセ・ブレンターノに、ピアノを弾く励ましに。l v ベートーヴェン」
と自筆稿にある通り、当時10歳の女の子へのプレゼント曲。
彼女は8年後、ピアノソナタOp.109を献呈されていることでもわかる通り、良きピアノ奏者だったのでしょう。

「大公」トリオの後に書かれたこのWoO39は、
可憐な曲のようで、実は「後期ベートーヴェン」しか書かなかったような転調、構成など、大変興味深かったです。

モーツァルトK.502 B-durは、
ウィーン時代の一連の自作自演ピアノ協奏曲を思わせる名曲!
(ちなみにK.503は「ピアノ協奏曲第25番 C-dur」、K.504は「交響曲第38番・プラハ」!!)

次々と音楽のアイディアが現れて、Vn.とVc.とともに弾くこと、ほんと楽しい。

最後のブラームス第2番トリオOp.87 C-durで一番驚いたのは、
自筆譜(初版も)にメトロノーム数字(第一楽章・108)が書いてあること。
私の記憶では、ブラームスがメトロノーム数を書いてある例は他に思い出せません。

で、この2番トリオ第一楽章、その108はびっくりするほど速い(実際にはどう考えても速すぎる)のですが、
3拍子であることもあり、最初譜読みをしていた時のイメージより、ずっと軽い・・・
というと言い過ぎかもしれませんが、
重厚というより、清澄、あるいは調の変化のグラデーションを楽しみました(個人的には私はいつも「3拍子はダンス」と思ってます)。

フィナーレが giocoso(楽しく・おどけて)であることも、この曲のキャラ(ブラームスの従来のイメージとは異なる)を表しているかも。

福岡も東京も、お客様の暖かく、また音楽を楽しもうとする雰囲気がとても良かったです!
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