韜晦小僧のブログ 無線報国

真空管式ラジオ、軍用無線機やアマチュア無線機の修復の記録
手製本と製本教室の活動の記録
田舎暮らしの日常生活の記録

54年前の開局時の高1中2全波受信機の修復作業 その4(令和3年06月27日)

2021年06月27日 09時13分28秒 | 07アマチュア無線機

54年前の開局時の高1中2全波受信機の修復作業 その4(令和3年06月27日)
トラッキング調整とその他機能追加について

54年前からコイルパックについては、購入のままで使用していました。
自作受信機であれば、本来は製作した時点でトラッキング調整をすべきですが、当時測定器といえばテスターしか持ち合わせていません。
このため、コイルパックの調整を行うことも出来ず、今日に至ったということです。
もう一つの理由は、自作受信機ですのでダイヤル目盛がないのでトラッキングなどの2点調整の目印がないという難点からもありました。
どうも後から「初歩のラジオ」などのラジオ雑誌の付録のダイヤル目盛を後から貼り付けたようですが、その辺の記憶は定かではありません。
今回受信機を作動してみて、Aバンド(550Kcから1600Kc)、Bバンド(1.6Mcから4.8Mc)、Cバンド(4.8Mcから14.5Mc)、Dバンド(10.5Mcから30Mc)の中で、AとBバンドは問題ありませんが、Cバンドは6.5Mc以降が、Dバンドは16Mc以降で急激に受信低下しています。
明らかに、トラッキング調整不良のようです。
これが経年劣化の結果か、初期メーカー出荷の問題かは不明ですが、少なくとも、54年前の7Mcのアマチュア無線の受信では問題なかったと記憶していますが自信はありません。
今回はトラッキング調整を行い受信機に命を吹き込むこととします。
幸いなことに、当時の9R-4JのTRIO TECHNICAL DATA SHEET No11を所有していますので、その中のテストオッシレーター(懐かしい言葉ですが今では死語かな)による調整法を使用して調整するこことします。
テストオッシレーターにかわり自衛隊が使用していた標準信号発生器JSG-Q13(日本無線昭和48年1月製)と中国製のデジタルオシロを使用します。
最初は、IFTの調整ですが、ほぼ調整範囲に入っていることを確認しただけです。
AとBもダイヤル目盛の位置調整の微調整で完了です。
CとDについては、上の周波数が大巾に狂っており、かつイメージを追っかけていた節もありかなり難航しましたが無事調整範囲に収まりました。
一応、通信型全波受信機として整備完了しまたが、今回採用したIFTは狭帯域のT-11ではなく、T-48で2段増幅3段可変帯域高級HI-FI中間トランスですので、帯域切換SWを設け、帯域幅±2.5Kc、±7Kc、±15Kcの切換機能を最後に追加しました。
試験方法と環境

IFTの調整

各バンドのトラッキング調整

IFT T-48の帯域切換機能の追加

 


広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。
http://minouta17.web.fc2.com/