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韜晦小僧のブログ 無線報国

真空管式ラジオ、軍用無線機やアマチュア無線機の修復の記録
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オークションウォッチ 日立製作所の戦時無線機について

2021年03月16日 13時58分36秒 | 10オークションウォッチ

オークションウォッチ 日立製作所の戦時無線機について

断捨離中につき入札ご法度の身でありますので、入札に参戦せず下記Yahooオークションの推移を見守り、記録するだけとしました。
日立製作所製の戦時無線機は敗戦末期からの少量生産だったために残存数も少なく今では大変貴重な無線機といえます。
しかも、奇跡的なことなのですが、同時期に別々の出展者から日立製作所製の戦時無線機が出品されました。

大阪府のcar_choice526さんから「日立製作所 NO.210 送受信機 一式空三號隊内無線電話機改 昭和19年製 ジャンク」開始日時:2021.03.11(木)11:59 終了日時:2021.03.14(日)22:57


埼玉県 東松山市のusednet_corporationさんから「日立 ム 23 送信機◇ジャンク品」開始日時:2021.03.09(火)16:33 終了日時:2021.03.15(月)22:21

 

以下に日立製作所史2(昭和35年12月発行)から関連項目を抜粋します。
3 無線機
昭和14年、戸塚工場に無線機工場を完成し、本格的に無線機の生産を開始した。
翌15年、海軍艦政本部からの無線通信機の需要増加に伴い、これに必要な“R装置”の製作を開始したが、本機は製品の本質上、配電盤工場の作業に適するものであったため、しばらくして多賀工場に移管された。
戸塚工場ではその後、海軍技術研究所の指導により真空管試験機・対地高度計などの研究に従事した。
17年末から18年にかけては、小形艦船用短波移動用無線機(ES-1)を完成、月450台程度の生産を続けたが、この無線機は19年まで当社で独占的に製作し、戸塚工場の無線関係主要製品となった。
また18年に“萩-1金物”と称する機上送受信機を海軍航空本部から受注、20年には軍需省から陸軍関係の最前線用小形「地4号無線機」(椎-20金物)の製作命令を受けた。
本機は飛行機で前線に輸送しパラシュートにより投下供給されるものであった。
18年ごろから前線基地および艦船などの対空対潜機器の必要性が増し、電波探知機・音波探知機の多量の要求があった。
電波探知機については日立・多賀・戸塚の3工場が協力して総合研究を開始、発振部門を多賀工場、架台および指向アンテナを日立工場(後に高萩工場)、総合調整を戸塚工場が担当し、数種類を製作した。

大阪府のcar_choice526さんから「日立製作所 NO.210 送受信機 一式空三號隊内無線電話機改 昭和19年製 ジャンク」
航空機用超短波無線機(U-3改、萩-1号金物)海軍の制式呼称は、一式空三號隊内無線電話機改二である。
試作製作会社は日本無線株式会社であるが、生産拡大のため多くは松下電器無線製作所で生産されたが、その他メーカーとして日立製作所も生産を請け負ったもののようである。
1式空3号隊内無線電話機改は、共に使用真空管の統一を計ったもので、真空管の種類を少なくし、互換性を持ちせるようにするため、送信菅としては、原振・増幅用ともFZ-064A、受信管としてFM-2A05Aを使用するものである。
1式空3号隊内無線電話機改2
本機の重要諸元は次の通りである。
通信距離 5浬
周波数  30乃至50Mc
送信機  入力10W
          OSC   PA
     真空管 FZ-064A-FZ-064A
                       MOD FZ-064A(受信機AFと兼用)
     電源  回転式直流変圧器(入力12V)
受信機  方式 スーパー RF1 RF2 AF2
         RF         Conv       IF      Det      AF  
     真空管 FM2A05A-FM2A05A-FM2A05A-FM2A05A-FZ-064A
     電源  回転式直流変圧器(入力12V)
空中線  固定L型空中線

 


埼玉県 東松山市のusednet_corporationさんから「日立 ム 23 送信機◇ジャンク品」
地4号無線機
本機は、空輸挺身隊(落下傘部隊)用として地3号無線機の出力を増大(A1 50w、A2A3 10w)し、又送受信の周波数を4~20Mcに変更して所要の通信距離(150Km)に対応せしめたものであり、機材の構成その他は地3号の改良型である。
受信機は保守性(補給を含め)を最優先したのか、真空管はすべてUZ-6D6で構成されている。
ム23はその後継機種であるが、本来の用途である空輸挺身隊から敗戦末期では本土決戦用の最前線部隊用小形無線機としての使用が企画されたものと思われる。
なお、日立では(未確認だが軍需会社指定された軍需工場)社史のとおり「20年には軍需省から陸軍関係の最前線用小形「地4号無線機」(椎-20金物)の製作命令を受けた。」とあることから敗戦末期での製造のようである。
敗戦末期の資源枯渇の中の生産であるため、銘板等のプレートは従来はアルミ製であったものが、もはや紙片製のものに代替されているのを見ると大変痛ましい思いで一杯である。
また、敗戦末期では銘板の表記方法はム-XXの受信機、送信機の表記に加え、会社の商標、及び機器の仕様書番号のみと大変シンプルとなり、敵方に鹵獲されても製品情報を秘匿されるもものとなっている。
ム-23の商標は日立のマークであり、ム-63の商標はプロペラロゴマークであることから東芝、ム-62のひし形マークは住友電気(日本電気)であるが、当時の日本人なら容易に推測できるロゴマークが採用されている。
ここで重要なことは、銘板の情報が集まることにより、最下部の仕様書番号と思われるところの記載要綱は、左側番号が機器の大分類番号、右側番号が仕様詳細番号と推測できる。
例えば、「0502」は対空無線機、「0503」が機上無線機であり、今回のム-23は「0507」であることから空輸挺身隊用と定義される。
右側番号については、事例から4xxxxであるから製造番号ではなく、仕様書番号と考えるのが妥当だろう。
また、製造年月日は表記せず、生産情報の秘匿を図ったものと思われるが、ほぼ昭和20年以降に生産されたものである。
なお、海軍では銘板の表記方法は敗戦まで変更されることはなかった。
本機の重要諸元は次の通りである。
用途   空輸挺身隊(落下傘部隊)用
通信距離 対飛行機及び地上150Km
周波数  送信 4~20Mc
     受信 4~20Mc)
送信機  出力   A1 50w A2、A3 10w
          OSC  PA
     真空管 6D6-807
             6D6↑(グリッド変調)
           Mod
     電源  0.6HP単気筒2サイクルガソリンエンジン 
         600V 0.22A1、18V4A発電機又は交流100/200V
         直流側同規格の整流機
受信機  方式 スーパー RF1 IF1 AF1
         RF  Conv IF  Det  AF 
     真空管 6D6-6D6-6D6-6D6-6D6 
            6D6↑
            Osc
        電源  送信機電源から供給又は6V蓄電池及び200Vコンバーター又は整流機
空中線  逆L型 H=6m L=20m


参考文献
YahooオークションID q434795140、l659511042
日立製作所史2(昭和35年12月発行)
日本無線史





オークションウォッチ 96式空2号無線電信機受信用「振動直流変圧器」

2020年12月22日 05時03分50秒 | 10オークションウォッチ

オークションウォッチ 96式空2号無線電信機受信用「振動直流変圧器」

断捨離中につき入札ご法度の身でありますので、入札に参戦できず下記Yahooオークションの推移を見守り、記録するだけとしました。
たまたま、同時期に別々の出展者から96式空2号無線電信機関連の機材の接続ケーブルも出品されました。
tkdkm15764さんから海軍航空技術廠 昭和17年製造 無線機用振動直流変圧器?・・・・96式空2号無線電信機受信用「振動直流変圧器」
vettel_ferrariさんから旧日本軍 海軍航空 無線器 接続線・・・・・残念ながら96式空2号無線電信機のものとは確認できませんでした。

海軍航空技術廠 昭和17年製造 無線機用振動直流変圧器?
商品情報
個数:1
開始日時:2020.12.14(月)21:39
終了日時:2020.12.21(月)22:26
自動延長:あり
早期終了:あり
返品:返品不可
入札者評価制限:あり
入札者認証制限:あり
落札者:0*V*j*** / 評価 16
開始価格:10,000 円
オークションID:w441307282
入札件数6入札履歴
残り時間終了 詳細 
現在価格16,000円(税 0 円) 
出品者情報出品マスター tkdkm15764さん フォロー 
総合評価: 4007 
良い評価 99.9% 
出品地域:東京都
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出品者へ質問 
商品説明
カテゴリ ホビー、カルチャーミリタリーその他
状態 傷や汚れあり 
経緯、機能などは一切不明です。
入札前の現品確認もOKですので落札後はノークレーム厳守でお願いします。
入札者の順位   すべての入札履歴
1ページ中 1ページ目を表示 (入札合計:2件)
入札者 / 評価   入札額 個数 最後に手動入札した時間
 0*V*j*** / 評価:16 最高額入札者  16,000 円 1 12月 21日 22時 18分
 1*8*T*** / 評価:308   15,500 円 1 12月 21日 22時 15分
1ページ中 1ページ目を表示 (入札合計:2件)

まず本品ですが、96式空2号無線電信機受信用「振動直流変圧器」なるものは本邦初公開のもののようです。
確かに、ラジオライフ1984年9月号に掲載された魅惑の軍用無線機⑫96式空2号無線機の諸元及びブロックダイヤグラムの中に下記の記載があります。
電源 
1000V 180mA(空2型発電動機による)
250V 60mA(振動直流変圧器受信用・・・バイブレーターによる)

96式空2号無線電信機

ここで、バイブレーターの本体の写真が掲載されており、振動子空11型 NO.1802昭和15年12月光精機製作所株式会社とあります。
バイブレーターといえば、東京都小岩の「ばざーら」からか、オークションで購入したか忘却しましたが1台所有していることを思いだし家中捜索して発見しました。
確認すると同型の未使用のバイブレーターであることが判りました。
手持ちの未使用品のバイブレーター(参考品)

いまさらバイブレーターの機能を云々する必要もありませんが、昭和28年2月 日立評論 第35巻第2号に機能概要がわかりやす説明されていましたので添付しておきます。
また、バイブレーターについては、開放駆動同期型と短絡駆動非同期型の動作方式がありますが、96式空2号無線電信機受信用「振動直流変圧器」は開放駆動同期型のようです。
昭和28年2月 日立評論 第35巻第2号

旧軍の陸海軍の無線機の電源供給は発電動機(通称ダイナモ)が一般的に採用されており、バイブレーター方式を採用したのは96式空2号無線電信機のみかもしれません。
ここでも、陸軍航空機は蓄電池が24V、海軍機が12Vと全く異なった仕様を採用しており、メーカーから見ると全く馬鹿げた事柄としか言いようがない。
銘板から、昭和17年3月 海軍航空技術廠とありますが、製造自体は中の部品類から東芝製と類推できます。
バイブレーターについては、光精機製作所株式会社とありますがネット検索しましたが、同名会社はありましたが存続会社ではありませんでした。

vettel_ferrariさんから旧日本軍 海軍航空 無線器 接続線(参考品)

陸軍戦闘機用「ム4型」無線機と発電動機 (参考品)

 

参考文献
昭和28年2月 日立評論 第35巻第2号   http://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1953/02/1953_02_06.pdf
ラジオライフ1984年9月号
YahooオークションID w441307282、v767675057


   

 


 


オークションウォッチ 簡易ロラン装置 RECEIVER INDICATOR R-65/APN-9 (令和2年11月13日)

2020年11月13日 07時47分55秒 | 10オークションウォッチ

オークションウォッチ 簡易ロラン装置 RECEIVER INDICATOR R-65/APN-9 (令和2年11月13日)

11月にたてつづけに2件の簡易ロラン装置が出品されました。
残念ながら保存状態は悪そうなのですが、本機は第二次大戦末期の太平洋戦線の米軍の大型航空機に搭載された貴重品の簡易ロラン装置です。
今回は、本機「簡易ロラン装置 RECEIVER INDICATOR R-65/APN-9」に関して手持ち資料とネットの力で整理してみました。
以下、オークション情報です。 
★井2398 米軍 米陸軍 無線機 SIGNAL CORPS U.S.ARMY 軍用無線機 アメリカ陸軍通信部隊 受信機 航空機? ラジオ アメリカ 軍隊 名機?
商品情報
個数:1
開始日時:2020.11.05(木)11:45
終了日時:2020.11.08(日)22:39
自動延長:あり
早期終了:あり
返品:返品不可
入札者評価制限:あり
入札者認証制限:なし
落札者:1*8*T*** / 評価 300
開始価格:1,111 円
オークションID:r447027153
入札件数1入札履歴
残り時間終了 詳細 
現在価格 1,111円(税 0 円)

出品者情報出品マスターwinwin_eさん フォロー 
総合評価: 14603 
良い評価 99.9% 
出品者のその他のオークションを見る 
出品地域:富山県

商品説明 SIGNAL CORPS U.S. ARMY RECEIBER INDICATOR R-65/APN-9 RADIO CORPORATION OF AMERICA
<サイズ> 約22.5×56×30.5㎝
詳細わかりません
完全ジャンク品です
現状でのお引き渡しとなりますのであらかじめご了承ください
写真のものがすべてとなります
その他 店舗概要
買取専門リサイクルショップ  バイキング富山本店
会社名:株式会社バイキング
〒939-8261
富山県富山市萩原385-2
管理責任者 西嶋 昭弘
TEL 076-494-1380 FAX 076-494-1382
配送センター営業時間 10時~16時 定休日 土日・祝祭日
古物商許可証 [富山県 公安委員会/第 501150000316 号]

配送方法と送料
送料負担:落札者
発送元:富山県
海外発送:対応しません
発送までの日数:支払い手続きから3~7日で発送
送料:落札者負担
配送方法の詳細

入札者の順位   すべての入札履歴
1ページ中 1ページ目を表示 (入札合計:1件)
入札者 / 評価   入札額 個数 最後に手動入札した時間
 1*8*T*** / 評価:300 最高額入札者  1,111 円 1 11月 8日 22時 39分
1ページ中 1ページ目を表示 (入札合計:1件)

双曲線航法について
ロランA方式については、機能詳細は省略しますが参考資料を以下に添付します。
※ロランチャートに記載されている数値の単位はμsecのようです。
1600というと1μsec(1Mhz)が波長としては約300mですから、480kmとなります。これをマイル換算するため1.6で割ると約300マイルとなります。
参考資料の第2図は、3000μsecの遅延したパルスを送信することで双曲線を非対称性化する目的のようです。

AN/APN-4の資料のほうがロランの取扱方法がよくわかるので先に添付します。

次に、この後継機であるR-65/AN/APN-9です。


なお、日本では大戦末期の陸軍でも双曲線航法装置が開発されていました。
双曲線航法装置 タチ39とタキ39
昭和19年(1944年)半ば頃英軍の欧州方面、米軍の太平洋方面に於ける双曲線航法装置に関する技術情報を入手し、これに刺激せられ我方としては「サイパン」攻撃等の場合を考慮し急速に白浜-箱根-御前崎を基線とする施設を設けることとなり、それら地点に1Kw送信機を設置し、これを逓信省式超短波軽多重通信機を以て連結し、完全なる同期送信を行う如く計画を進めた。
そして第四航空技術研究所の援助及び海軍側の協力の許に試作即戦力化を期して完成に努めたのであるが、竣功を見るに至らずしてしまった。
地上部 タチ39
周波数1.5-1.75Mc、尖頭出力150Kw、航法可能距離昼間900Km、夜間3000Km、重量600Kg、試作会社住友通信、概成、一部建設中のところ被爆焼損。
機上部 タキ39
周波数1.5Mc、測距離精度正負1%、重量50Kg、試作会社日本無線、研究済、とりあえず教育用仮作機により教育実施中。

続日本無線史<第一部> 昭和47年2月発行からの抜粋
日本電気株式会社(住友通信工業株式会社)の項のなかに下記の記述があります。
タチ39号装置 中波双曲線航法装置、地上設備 1式

日本無線社史 55年の歩み(昭和46年6月発行)からの抜粋
電波高度計とロラン受信機
前者に対しては、高高度用を研究し、純国産技術により完成し、生産を行った。
更に、終戦に近く、ロラン受信機の研究に着手したが、これは試作機の完成をみるに留まった。

戦史叢書 陸軍航空兵器の開発・生産・補給からの抜粋
双曲線航法装置
米軍の太平洋装置に刺激されて、サイパン島攻撃機および航法援助のため、20年2月多摩研は双曲線方向装置の研究に着手し、関東及び九州地方に各1組の設置を開始した。
戦災により工事は進まず、終戦直前に関東地方だけは建設にの大部を終了した。
主局を箱根鞍掛峠、従局を白浜(千葉県)及び御前崎に置き、この間の連絡は逓信省の超短波軽多重電話を使用するこことし、海軍及び第四航空技術研究所の協力を受けて完成に努めた。
20年7月ごろ、キ-74で、これを使用する訓練を行った。

キ-74
本機は20年5月末までに第8号機まで完成したが、発動機に油漏れが多く、かつ排気管から煙を噴く傾向があって審査が遅延し、そのうえ試作生産工場が被爆したため、第10号機以降はハ-104ルに変更して試作を促進することになり、その初号機を6月上旬完成させる予定であった。
装備としては試製遠距離無線機(ム5)、方向探知機、電波妨害機を搭載すること、食糧は1週間分を積載することなどが決定された。


広島戦時通信技術資料館及は下記のアドレスです。http://minouta17.web.fc2.com/


参考文献
HANDBOOK OF OPERATING INSTRUCTIONS RADAR SET for AN/APN-9 
LORAN CHART 双曲線航法の現状と将来 沓内、坂戸、中条
Yahooオークション情報 オークションID:r447027153
日本無線史第九巻
続日本無線史<第一部> 昭和47年2月
戦史叢書 陸軍航空兵器の開発・生産・補給 防衛庁防衛研修所 戦史室著
日本無線社史 55年の歩み(昭和46年6月発行)

 

 

 


オークションウォッチ 松下無線RM-40L型中長波電信電話受信機 昭和19年8月製

2020年04月27日 14時37分32秒 | 10オークションウォッチ

オークションウォッチ 松下無線RM-40L型中長波電信電話受信機 昭和19年8月製
断捨離中につき入札ご法度の身でありますので、入札に参戦できず下記Yahooオークションの推移を見守り、記録するだけとしました。
松下無線株式会社 RM-40L型 中長波電信電話受信機 昭和19年8月製
商品情報
個数:1
開始日時:2020.04.10(金)16:22
終了日時:2020.04.16(木)20:11
自動延長:あり
早期終了:あり
返品:返品不可
入札者評価制限:あり
入札者認証制限:あり
落札者:I*n*q*** / 評価 293
開始価格:2,000 円
オークションID:b448111327
入札件数21入札履歴
残り時間終了 
詳細 
現在価格 x1,700円(税 0 円) 
出品者情報
出品マスターzakkaya_2010さん フォロー 
総合評価: 2358 
良い評価 100% 
出品地域:岡山県
配送商品説明
カテゴリホビー、カルチャーアマチュア無線受信機
状態
全体的に状態が悪い 
ヤフオクシステム変更の為、「受け取り連絡」しない方、遅い方の入札は固くお断りします。
※受け取り連絡しない場合は「どちらでもない」評価とさせていただきます。
1ページ中 1ページ目を表示 (入札合計:7件)
入札者 / 評価   入札額 個数 最後に手動入札した時間
 I*n*q*** / 評価:293 最高額入札者  x1,700 円 1 4月 16日 18時 03分
 Q*v*X*** / 評価:282   11,200 円 1 4月 16日 18時 51分
 5*H*7*** / 評価:294   4,500 円 1 4月 16日 12時 11分
 o*n*E*** / 評価:1197   3,600 円 1 4月 16日 12時 00分
 a*4*7*** / 評価:140   2,400 円 1 4月 15日 23時 07分
 Z*q*x*** / 評価:358   2,200 円 1 4月 11日 22時 25分
 g*q*T*** / 評価:1156   2,100 円 1 4月 11日 21時 16分
1ページ中 1ページ目を表示 (入札合計:7件)
入札者の順位   すべての入札履歴

 

本機、戦時標準型商船用「松下無線RM-40L型中長波電信電話受信機」の概要は以下のとおりです。
用途   中長波受信機
周波数  20Kc~3,000Kcの5バンド切換 20Kc~60Kc、60Kc~170Kc、150Kc~500Kc、400Kc~1,000Kc、1,000Kc~3,500Kc 
受信方式 オートダイン式
真空管  4球のもの
電源部  船内電源使用
戦時において民間船舶用無線機は、民需といえども海軍の管理のもと、戦時規格として大枠の技術仕様をもとに、各社が独自に設計、製造しています。
このため、コイルパック構造と同調バリコン及び真空管4球(1V2のストレート受信機)などの大枠は各社すべて足並みをそろえています。
あえて特徴を指摘すると、通常受信用同調ダイヤルは、通常バーニアダイヤルが採用され同調周波数は目盛較正表から周波数を読み取ることが必要となりますが、さすが松下さんだけのことはあり、周波数直読のダイヤルを使用しています。
また、受話器は普通2個(本人と上司等)用意するのが標準ですが、本機は受話器と高声器(スピーカーのこと)が用意されており、船中でも放送局をみんなで楽しんだのかもしれません。
松下電器は民需用のラジオ生産が主力でありますから、軍用機器メーカーのような無粋な設計はされていません。
なお、シャーシ上部の写真では真空管が本来はST管を使用しているのが普通なのですが、驚いたことに当時としては最新型の「ソラ」が採用されているように見えます。
銘板には海軍の錨のマークがありますが、これは昭和16年(1941)に船舶関係事務が海軍に移管されたための関係で、本機は海軍の軍用受信機ではありません。
小型の戦時標準型商船に搭載された無線装置の一部と思われますが、こんな貧弱な無線装置で大海にて軍事物資の輸送業務に従事されたことを忘れてはいけません。

本機については、以下に記載する戦時標準型商船用無線装置の戦時標準型無線機電信機の規格に類似しています。
長波受信機
30~2,000KHz オートダイン式4球のもの
無線電信機用電源規格
上記の無線電信機に使用する蓄電池、電動交流発電機および充放盤の規格は第2章4.3.4による。


参考受信機事例

日本船舶海洋工学会関西支部の造船資料保存委員会作成のデジタル造船資料館の「日本の商船の電気技術史について」から以下戦時標準型無線機電信機の概要については、情報の正確性を期すため、参考文献をそのまま抜粋引用します。
商船無線の臨戦態勢への転移の背景
太平洋戦争中の商船対策
昭和16年(1941)12月に太平洋戦争が始まったので、従来は、商船は逓信省、軍艦は海軍省と二元管理であったものを、全て海軍に一任し一元管理とし、商船、軍艦の建造を行うことになった。

戦時標準船
戦時標準船としは10種類が制定された。貨物船としは、A,B,C,D,E,Fの6種類、鉱石運搬船はK型、油槽船はTL,TM,TSの3種(L:Large,M:Middle,S:Small)であった。
従来型の貨物船や客船の建造は中止された。
電気艤装品についても大量・迅速なる建造を実現すべく、無線電信機、電動機、発電機および同機械、電灯、電具、電線、蓄電池などの規格制定が行われた。
この規格が制定されるまでには、造船統制会、海軍電気工業会の後援の下に、海軍、船主、造船所、機器製作所の関係者により数10回にわたり検討、審議が行われた。
これに並行した、試験検査規則、商船電気艤装心得、資材需給手続、資材産出基準表などが作成された。

戦時標準型商船用無線装置
戦時標準型商船の無線装置は船舶安全法(昭和4年(1929))によらなければならないが、海軍から助成金を受けている船(特に優秀船)は主装置として1KW以上の送信機を装備しなければならなかった。
以上の規則に基づき船舶用無線通信機の改善が、昭和13年(1938)ころから逓信省、日本無線電信電話標準化委員会を主体に進められた。無線機器メーカとしては、東芝、安立電気、日本無線、東洋通信機の4社が協力した。
昭和15年(1940)ころから、周波数の偏差の限度が規定されたので、無線送信機は自励式から逐次主発振式(水晶式)に換装された。
昭和16年(1941)に船舶関係事務が海軍に移管されると、海軍の作戦条件を加味して、周波数3波増加と短波長波同時通信可能なるよう改善された。

戦時標準型無線機電信機の規格
500W長短波送信機
長波および短波各1台からなり、周波数は従来のものに130,454,5,520,16,560KHzを追加。
250w長短波送信機
長波および短波各1台からなり、周波数の増加は500w機に同じ。
150w中短波送信機
1台にて中波および短波発信可能。
周波数は,375,410,425,454,500,5,520,6,210,8,280,11,040,12,420,16,560KHzとする。
50W長中波送信機
本記は補助送信機として装備する。周波数は375,410,425,454,500KHzとする。
無線方位測定機(方向探知機)
周波数範囲300~2,000KHz
短波受信機
2,000~21,000KHzのスーパヘテロダイン式8球のものと、オートダイン式4球のものの2種あり。
500W送信機と組合せる場合には前者を用い、それ以外の送信機と組合せる場合は後者を使用した。
長波受信機
30~2,000KHz オートダイン式4球のもの
無線電信機用電源規格
上記の無線電信機に使用する蓄電池、電動交流発電機および充放盤の規格は第2章4.3.4による。

戦時標準型船無線装置装備標準
1号型無線電信機
TL,TM,A,B,K型船に装備するもので、500W送信機、無線方位測定機、長短波受信機各1台を組み合わせもの。
2号型無線電信機
C.D型船に装備するもので、250W波送信機(長短波)、補助送信機、無線方位測定機、長短波受信機各1台を組み合わせもの。
3号型無線電信機
TS,E,F型船に装備するもので、250W中短波波送信機、中短波受信機各1台を組み合わせもの。
4号型無線電信機
改E型船に装備するもので、50W補助送信機、長短波受信機各1台を組み合わせもの。


参考文献
日本船舶海洋工学会関西支部の造船資料保存委員会作成
デジタル造船資料館
日本の商船の電気技術史について

松下電器 太平洋戦争と軍需生産
https://minouta17.hatenablog.com/entry/2020/01/09/163944

 


旧海軍電波探信儀の指示器もどきの残骸品の調査について

2020年03月05日 13時15分12秒 | 10オークションウォッチ
旧海軍電波探信儀の指示器もどきの残骸品の調査について
Yahooオークションに下記【貴重・レア・当時物】 旧日本軍 日本海軍 航空無線機 ジャンクの出品がありました。
本来なら断捨離の身分なので入札はご法度ですが、残骸にしても旧海軍の電探指示器のようなので、急に欲しくなってしまい、無理やり落札するこことなりました。
【貴重・レア・当時物】 旧日本軍 日本海軍 航空無線機 ジャンク 
 商品の情報 
現在価格  :  17,166円(税0円)
残り時間 :  終了 (詳細な残り時間)
入札件数 :  12 (入札履歴)
詳細情報
個数  :  1
開始時の価格 :  1,000 円
落札者 :  mxxxx7xx / 評価:225 (評価の詳細)
開始日時 :  2020年2月 23日(日) 20時 47分
終了日時 :  2020年3月 1日(日) 22時 47分
入札者評価制限:  総合評価での制限 あり (評価の合計がマイナスの方は入札できません)
早期終了 :  あり
自動延長 :  あり
オークションID :  b449327062
商品の状態 :  全体的に状態が悪い
返品の可否 :  返品不可
出品者の情報
出品者 : vettel_ferrari 
評価 : 2117 ( 2117 -  0)
商品発送元地域 : 神奈川県
商品説明
【貴重・レア・当時物】 旧日本軍 日本海軍 航空無線機 ジャンク
※※ ヤフオクのシステムが変更となり、商品受け取り報告が必須となりました! ※※
ご覧頂きありがとうございます!
【貴重・レア・当時物】 旧日本軍 日本海軍 航空無線機 ジャンク大変古いお品となります。
正面部分には両面テープが多数付着しております。
部品の脱落も見受けられるため、ジャンク品として出品となります。
完品をお求めになられる方は、ご入札をお控え下さいませ。
商品は現状渡しとなり、お写真の物が全てとなります。
お写真をよくご確認のうえ、ご入札下さいませ。
気になる点は入札前にご質問するようお願い致します。
ご落札後のご質問には一切お答え致しかねますので、ご了承下さいませ。
※ 実際の商品とは色目が異なる事がございます。
※画像を良くご覧になった上で、入札してください。
入札者の順位   すべての入札履歴
1ページ中 1ページ目を表示 (入札合計:4件)
入札者 / 評価 
入札額 個数 最後に手動入札した時間
 mxxxxx7xx / 評価:225 (評価の詳細) 最高額入札者 
17,166 円 1 3月 1日 22時 40分
 0*F*i*** / 評価:152 
16,666 円 1 2月 26日 23時 23分
 o*n*E*** / 評価:1189 
2,600 円 1 3月 1日 22時 31分
 k*w*X*** / 評価:3 
2,000 円 1 3月 1日 19時 18分
1ページ中 1ページ目を表示 (入札合計:4件)
入札者の順位   すべての入札履歴
 商品画像
小さな画像をクリックすると、下に拡大表示されます。
 

上部シャーシの写真からUZソケット(4ピン:整流菅80と思われる)、UYソケット(5ピン:サイラトロンTY-66などか)、UZソケット×3個(6ピン:UZ-6C6などの真空管で垂直、水平信号の増幅用)と想像されますが、軍用であれば、必ずソケット近辺に真空管の管名の銘板があるのですが見当たりません。
ST管のソケットですが、本当にこれがオリジナルのものか分かりません。
特に大戦末期の電波探信儀の真空管はGT管タイプのCHシリーズが多用されています。
本機の指示器は、単純なオシロスコープ機能だけの単機能のようです。
電源トランスが見られますが、軍用のトランスではなく、民生用のトランスのように見受けられます。
また、トランスの銘板の拡大写真がありますが、製造年の昭和XX年が判読できません。
装置の下部写真がないので、下部の部品配置が全く分かりません。
こんなことから、入手してから装置の中身を確認するこことしました。

思ったよりジャンク品にしては高額取引となりましたが、その価値があるのか検証に入ります。
以下、落札後の入手写真です。
 

驚いたことに、梱包した段ボール箱を持ち上げるとゴロゴロと音がします。
何か部品がころがっているようです。
開封するとケース内部から真空管がころがっていました。
電探の受信機で使用していた珍品の東芝のRC-4のようです。
まずは外形の測定から始めます。
写真では小型装置のように見えましたが、実測をすると、横幅37cm×高さ25cm×奥行32cmとかなりの大型の装置であり、航空機搭載用ではありません。
写真になかった裏面を見ると、見事に黒焦げで何らかの火災が電源トランスで生じたものと推定できます。
少し出品者の出品方法に誠意が感じられませんね。
オシロスコープ部分の高圧部のトランス、コンデンサーや抵抗器があり結線もされています。
なお、電源トランスは民生品で昭和21年の銘板であることから戦後交換されたものと思われます。
上部シャーシに真空管が1本あったので確認すると住友真空管のDC-762-A(高圧整流菅Kx-142互換)が挿入されています。
この真空管から、この装置自体は日本電気が作ったもののようですが、真空管は戦後差換えられたものかもしれません。
両側面の端子用の銘板を確認すると、左側面には空中線、線条抵抗器、地線、右側面には空中線、受信機、長陽、受空、リレーとあります。
これらの事実からの問題点について
①外被ケースと中身のシャーシの部品配置がどうも一致しなく、別々のものかもしれない。
②外被両サイドの銘板の名称が指示器の内容と一致しない。特に「長陽」の意味が分かりませんし、指示器に空中線やリレーは必要ありません。
③正面パネルの部品を示す銘板の取付け用のリベット穴が見当たらない。パネル自体がオリジナルなかの疑問がある。
④ブラウン管のシールドケースや設置金具を含めてオリジナルなのか疑問がある。
当面の結論
海軍の軍用無線機には相違ありませんが、電探の指示器とは断定できないので、長期保存措置とすることとしました。
今回の入札は完全な失敗でした。


追加情報(R03.03.01)
7~8年前のYahooオークション情報に本品が出品されていました。
上蓋の裏面には、96式空3号無線電信機送信機結線図の写真がありました。
転売時にこの結線図ははずされてものなのでしょう。
このことから、本品は、海軍の大型航空機用の無線機の筐体の残骸であることが判りました。