minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

芳雄さんの愛した村へ・・・

2014年10月24日 | 映画、本、芝居関係
原田芳雄さんの最後の作品となった映画、「大鹿村騒動記」。芳雄さんが、この村の「大鹿歌舞伎」に出会ったことで、惚れ込み、この村で何か映画を作れないか、と阪本順治監督に相談した。

おそらく、もうご自分が長くないことも覚悟の上だったと思う。NHKのお正月ドラマで吉田茂役で出演していた中で、大腸がんが見つかり、そのまま延期となり大手術。みごとに回復し、「原田芳雄復活ライブ」を目黒のブルースアレイで行った。ちょうどその1ヶ月前くらいに忌野キヨシローさんの訃報。このライブで芳雄さんは急遽「スローバラード」を熱唱したのだった。私たちが芳雄さんと演奏したライブも、これで最後となってしまった・・・。

未だに芳雄さんへの思いが強く、立ち直れていない友人たちを何人も知っている。私も其の中の一人だけれど、酷い人になると、芳雄さんの映像を観るのもつらい、と言い、未だに「大鹿村騒動記」を観れていない芳雄ファンも多くいるようだ。

私もつらさをこらえて、やはり映画館に一人で観に行った。大きめのハンカチを持って。

しかし、終ったあとに残ったものは、芳雄さんの笑顔。素晴らしい、本当に素晴らしい映画だった。最後までこんなに笑わせてくれるなんて、なんて素晴らしい役者なんだろう。この映画の脚本から監督を務めた阪本監督にも脱帽です。今回、大鹿村とのご縁ができ、行く事になって、改めて映画を見直してみたが、やはり、この映画は何度観ても素晴らしい。

さらに、メイキングがついていて、これがまた楽しいのだ。芳雄さんがどれだけ大鹿村を愛したか。大鹿村の人達との交流や、役者さん同士(本当に仲の良い友人たちだが)の交流、すべてがそのまま映し出されている。

「人間臭さが大鹿歌舞伎にはある。そのありのままが俺たちにも表現できればいいんだけれど。大鹿歌舞伎は役者の原点なんだよね。」

十分に伝わってきますよ、芳雄さん。最後にこんな素敵な映画を残して下さって本当にありがとうございます。

明日は、この「日本一美しい村」大鹿村で芳雄さんを愛してやまない同志たちが集って「原田芳雄プロジェクト2014」というイベントをやります。

芳雄さんのライブ(秘蔵)もちょっとだけ公開いたします。無料コンサートですので、どうぞお近くの方はお気軽に遊びにいらしてください。

演奏は 10月25日(土)大鹿村交流センター大ホール  17:00 ~ 18:00 / 18:30 ~ 19:10

芳雄さんにまつわるお話などもさせていただきます。