minga日記

minga、東京ミュージックシーンで活動する女サックス吹きの日記

ダウンシフターズのすすめ

2012年08月07日 | 映画、本、芝居関係
「たまにはtsukiでも眺めましょ」という近所のお店に満月の夜に出かけた。

ここのマスター高坂勝氏は若いのに自給自足を目指し、減速する人生を推奨する面白い人物。友人に連れて行かれるまで、こんなに近所にこんな素敵なお店があったなんて全く気がつかなかったのだけど(苦笑)。

お酒が飲めないので最近はぺーぱーむーんにもあまり行けない私だが、ここに行くと美味しくて素朴な料理が楽しめ(すべてが無添加だったり、味噌、米も手作り)、さらに私が好きそうな音楽をかけてくれたりするので行く度に長居をしてしまう不思議な店なのだ。

原田芳雄さんの大ファンでもあり、私の演奏も●十年前に横浜のエアジンに聴きに行った、というくらい音楽が大好きな彼といつも盛り上がる。

さらに驚いた事には、「みどりの党という団体を立ち上がって、そこの代表になってしまいました~!」反原発問題やら社会制度の事やら、自分たちの生き方をもっと楽しく生きるために使おうよ、という彼の精神はずっと変わらない。

「減速して生きる~ダウンシフターズ」(高坂勝著)

を読ませていただいたが、本当に納得のいくことばかり。千葉の農家が使っていなかった田んぼを譲り受けて、自然農法(ほとんど手間をかけずに育てる)で大豆とお米を作って、週に3回(土、日、月)は休日にして家族や自分の楽しみの時間に使う。やりたくない事はやらなくてよい。

スーパーでなるべく安いものを買ったり、あれもこれも・・・という物欲の世界に住む自分がとっても恥ずかしくなるくらい素敵な減速生活。近所のお店で高くても良いものを買うほうが結局は経済的で世の中のお金の自然の流れがわかるんだな、って事もこの本で学んだ事。

会社を辞めて自分のやりたかった事を始めたいんだけど・・・そんな人たちがいつもこのお店にやってくる。遠方からも。「辞めてみれば?」と背中を押してもらうために。幸い彼の周りで辞めて不幸になっている人たちは一人もいないそうだ。みんなが前より活き活きとしている。お給料は減っても。

もともとミュージシャンってダウンシフターズなのだ。世の中の働き過ぎの人たちへの大切なメッセージだと思うので、よかったらぜひご一読をお薦めします。