譲渡担保の法律構成についての近時の学説は、所有権的構成を取らず、担保的構成を取るのが主流であろう。判例も、担保的構成に近づいてきていると思われる。
担保的構成においては、譲渡担保権者が有する権利は、完全な所有権ではないといわれる。要は、譲渡担保権設定者には設定者留保権という物権的権利が残っており、譲渡担保権者が有する権利は、所有権から設定者留保権を差し引いた権利だと考える。
なので、虚偽表示を主張する学者は、不動産の譲渡担保設定によって、譲渡担保権者は完全な所有者になるわけではないのに完全な所有権者であることを示す所有権移転登記がなされることから、この登記は内容虚偽の登記だといいたいのであろう。
しかし、そもそも、所有権移転登記以外に、担保権たる譲渡担保権を適切に表現する登記方法など存在しないはずである。それなのに、所有権移転登記を虚偽表示と考えて、94条2項の適用があり得るとするのは、譲渡担保設定者にとって、あまりにも酷である。
担保的構成においては、譲渡担保権者が有する権利は、完全な所有権ではないといわれる。要は、譲渡担保権設定者には設定者留保権という物権的権利が残っており、譲渡担保権者が有する権利は、所有権から設定者留保権を差し引いた権利だと考える。
なので、虚偽表示を主張する学者は、不動産の譲渡担保設定によって、譲渡担保権者は完全な所有者になるわけではないのに完全な所有権者であることを示す所有権移転登記がなされることから、この登記は内容虚偽の登記だといいたいのであろう。
しかし、そもそも、所有権移転登記以外に、担保権たる譲渡担保権を適切に表現する登記方法など存在しないはずである。それなのに、所有権移転登記を虚偽表示と考えて、94条2項の適用があり得るとするのは、譲渡担保設定者にとって、あまりにも酷である。