ところで、債権法が改正されて、改めて現行法と改正法を見比べているうちに、この問題の解決に役立ちそうな現行法のある条文の存在に気づいた。それが民法166条2項や168条2項である。
166条は、その1項で消滅時効の起算点を定め、権利を行使することができる時から進行するとする。もっとも、2項本文で、1項の規定は、始期付き権利又は停止条件付き権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げないと規定し、但し書きで、「ただし、権利者は、その時効を中断するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。」と規定している。
168条2項も趣旨は似ており、1項では定期金債権の時効期間を定め、2項で、「定期金の債権者は、時効の中断の証拠を得るため、いつでも、その債務者に対して承認書の交付を求めることができる。」と規定している。
平成24年判例が、取得時効に負けてしまう権利に関する場面だとすると、取得時効との関係を規律する166条2項但し書きが類推できるのではないかという気がしたのである。つまり、占有者に抵当権の存在の「承認」を求めればよいということである。
166条は、その1項で消滅時効の起算点を定め、権利を行使することができる時から進行するとする。もっとも、2項本文で、1項の規定は、始期付き権利又は停止条件付き権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げないと規定し、但し書きで、「ただし、権利者は、その時効を中断するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。」と規定している。
168条2項も趣旨は似ており、1項では定期金債権の時効期間を定め、2項で、「定期金の債権者は、時効の中断の証拠を得るため、いつでも、その債務者に対して承認書の交付を求めることができる。」と規定している。
平成24年判例が、取得時効に負けてしまう権利に関する場面だとすると、取得時効との関係を規律する166条2項但し書きが類推できるのではないかという気がしたのである。つまり、占有者に抵当権の存在の「承認」を求めればよいということである。