Reflections of Tomorrow

シンガーソングライターを中心に、知られざる未CD化レコードを紹介していくページです

Frank Hurley

2007-06-10 | SSW
■Frank Hurley / Introducing Frank Hurley■

 タイトルからして、ファーストアルバムということがわかる Frank Hurley のアルバム。 1980 年にシアトルにある Piccadilly というマイナーレーベルからリリースされました。ディストリビューションは First American となっていることから、Music is Medicine に似た存在なのでしょう。
 さて、今日の主人公 Frank Hurley はシアトルを中心に活動したシンガーソングライターです。 以前、同じくシアトルを拠点とした Phyl Sheridan のソロアルバムを紹介しましたが、それよりもカントリー色が強い作品となっています。

 収録局の半数が自身の作品ですが、作詞は苦手のようでほとんどが John Grange という人物の手によるもの。 Paul Stoffel という人物が 3曲ほど曲を書いていますが、この人物も不明です。

 ピアノのサポートが心地よいワルツ「Harry & Helen」からアルバムはスタート。 ゆるいバラード「Six Candles」、「Dark River」も凡庸なカントリーと続きます。 Frank Hurley のボーカルはほんの少しハスキーさを感じるものの、強烈な個性があるわけでもないので、アルバムは淡々と進んでいきます。 ゆるい二拍子「Anderson Island」を経て、過剰にノスタルジックな「Christmas Was」で A面は終了。

 B 面に入っても傾向は変わらず、オーソドックスな「85 and Satisfied」、父親のことを歌っているせいでしんみりする「Daddys Song」、やや憂いのある「Church’s Ferry」、二拍子のミディアム「Ain’t No Use In Running」と続いていきます。 ラストの「Thank You God」は、得意のワルツで締めています。 アルバムを通して聴くと、退屈な印象は払拭できません。 早すぎたスローライフみたいなアルバムに仕上がっているために、実際の収録時間よりも、1.2 倍ほど長く聴いているかのように感じてしまいます。 この効果は意図的に出せるものではないかもしれませんが、メリハリが無いことがこの要因でしょう。 

 Frank Hurley はこの後に、もう1枚だけアルバムを発表しているようです。 そのタイトルは「I Like Honky Tonk」というもので、かなり意表を付かれた気分ですが、こちらには Larry Carlton や Jerry Scheff といった有名どころが参加しているようです。 機会があったら聴いてみようかと思いますが、それほど積極的になれないというのが正直なところです。

 

■Frank Hurley / Introducing Frank Hurley■

Side-1
Harry & Helen
Six Candles
Dark River
Anderson Island
Christmas Was

Side-2
85 and Satisfied
Daddys Song
Church’s Ferry
Ain’t No Use In Running
Thank You God

Blaine Allen : bass
Danny Breeden : drums
Dave Dixon : acoustics
Tony Welch : acoustics
Geno Keyes : piano , strings
Gene Breeden : lead
Jerry Forcier : steel . dobro
Frank Hurley : steel

Piccadilly PIC 3347