■The Guys And Dolls / By Request■
グループ名、ジャケット・デザイン、そして人物の服装。 どこを取っても全くイケてないアルバムをご紹介します。 この The Guys And Dolls が1970年代初頭に自主レーベルから発表した全曲カバーのアルバム「By Request」です。
この The Guys And Dolls というのは、1955年 に「野郎どもと女たち」という映画があったそうですが、その映画と同じタイトルです。 映画を観たことが無いので今日紹介しているグループに影響があるかどうか判断できません。
まず語るべきは、このジャケット。 なんでこんなスタイルで砲台の周りで撮影する必然性があったのでしょうか? きっと、祝砲か何かを撃つ砲台だとは思いますが、センスの無さにはあきれてしまいます。 Larsen 姉妹もあんまり美人でもないし。
さて、そんなアルバムに恐々針を落としてみると、これが意外とソフトロックな仕上がりとなっており、100 円くらいで売ってしまうにはもったいないものなのです。
「I Feel A Song Comin’ On Medley」は、1曲目にしてアルバム最大の聴きどころ。 軽快なシンバルのイントロからまるで Roger Nichols でも始まるかのような錯覚に陥ります。 この曲は、ともに有名な曲「Sound Of Music」と「Sing」との3曲のメドレーなのですが、そのつなぎのセンスや男女が入れ替わるコーラスの微妙なさじ加減など、かなりの傑作です。 この曲はソフトロックファンにも十分に評価されるでしょう。 「Happy」は男性ボーカルのバラード、「Tie A Yellow Ribbon ‘Round The Old Oak Tree」は、「幸せの黄色いリボン」ですが、これは「Happy」とは違う男性のリードボーカルです。 名曲「Killing Me Softly With His Song」は、リズムのアレンジがちょっと Fifth Dimension 風な感じでアップテンポな仕上がりになっています。
B面に移ると、10曲もの曲をつなげたメドレー「Old Fashioned Medley」で始まります。 このメドレーを締めくくるのが、 Three Dog Night のヒットで有名なPaul Williams 作曲の「Just An Old Fashioned Love Song」です。 続く、「Boogie Woogie Bugle Boy Of Company ‘B’」は、ジャス風のアレンジがまさに Manhattan Transfer のよう。 ゴスペルタッチの「Delta Dawn」、Billy Prestonの1972年のNo.1ヒットソング「Will It Go ‘Round In Circles?」でアルバムは締めくくられます。
アルバム全体では、男性がリードを取る曲が4曲あるのですが、すべて別人に聴こえます。 ということは、Guys 4人の全員が機会均等にボーカルをとったのでしょう。 いっぽう Larsen 姉妹のほうは、ソロも悪くないのですが、A-1や、B-2のようなアレンジのなかに良さが出てくるタイプのように感じます。
さきほど、The Guys And Dolls で検索してみたところ、日本の Amazon でも「The Singles」と題されたベスト CD が検索されてきました。 そこには、男女2名ずつの4 人のジャケット写真が写っています。 おそらく1970年の中盤から後半にかけての頃のようなのですが、この4 人は今日ご紹介している The Guys And Dolls と同じグループなのでしょうか? それは何とも言えません。 同じだと思える理由は、6 人組から男2 人が脱退して4 人組になったということ普通にありえること。 また、「The Singles」には、24 曲のうち、「Killing Me Softly With His Song」が収録されていること、などです。
しかし、その一方で違うグループなのではないかと思える理由もあります。 それは、「The Singles」のほうはグループ名が Guys ‘n Dolls となっていることと、4人の顔がちょっと似ていないように感じることなどです。 できれば、違うグループであって欲しいと思うのですが、それは僕の希望的観測なのでしょうか?
そんな謎めいた The Guys And Dolls。 レコードには制作年度も書かれていませんが、収録曲から推測するに、1972 年から1973 年くらいに制作されたものだと思います。 このダサい感じが何とも言えない愛着を抱かせてくれて、手放せないですね。 名門ワーナーブラザーズのお膝元、カリフォルニアのバーバンクから届けられたアルバムとはとても思えません。
■The Guys And Dolls / By Request■
Side-1
I Feel A Song Comin’ On Medley
Happy
Tie A Yellow Ribbon ‘Round The Old Oak Tree
Solamente Una Vez
Killing Me Softly With His Song
Side-2
Old Fashioned Medley
Boogie Woogie Bugle Boy Of Company ‘B’
Behind Closed Doors
Delta Dawn
Seasons In The Sun
Will It Go ‘Round In Circles?
All Selections Arranged by The Guys And Dolls
Valerie Larsen : Leader , Guitar , Vocalist
Rhonda Larsen : Soprano Vocalist
John Stanewich : Tenor Vocalist
Mike Wilson : Keyboards , Trumpet , Vocals
Tony Esperance : Bass , Piano , Organ , Trombone , Vocals
Mike Younce : Drums , Vocals
Produced by Donnie Brooks , Tom Oliver
Engineered by Tom Oliver
Recorded at A.D. Recorders , Burbank , California
Special Thanks to
Henry Sanchez : Lead Guitar
Al Macias : Tenor Saxophone
Danny Guerrero : Piano
Bob Senescue : Trumpet
GD Records GDLP-1001
グループ名、ジャケット・デザイン、そして人物の服装。 どこを取っても全くイケてないアルバムをご紹介します。 この The Guys And Dolls が1970年代初頭に自主レーベルから発表した全曲カバーのアルバム「By Request」です。
この The Guys And Dolls というのは、1955年 に「野郎どもと女たち」という映画があったそうですが、その映画と同じタイトルです。 映画を観たことが無いので今日紹介しているグループに影響があるかどうか判断できません。
まず語るべきは、このジャケット。 なんでこんなスタイルで砲台の周りで撮影する必然性があったのでしょうか? きっと、祝砲か何かを撃つ砲台だとは思いますが、センスの無さにはあきれてしまいます。 Larsen 姉妹もあんまり美人でもないし。
さて、そんなアルバムに恐々針を落としてみると、これが意外とソフトロックな仕上がりとなっており、100 円くらいで売ってしまうにはもったいないものなのです。
「I Feel A Song Comin’ On Medley」は、1曲目にしてアルバム最大の聴きどころ。 軽快なシンバルのイントロからまるで Roger Nichols でも始まるかのような錯覚に陥ります。 この曲は、ともに有名な曲「Sound Of Music」と「Sing」との3曲のメドレーなのですが、そのつなぎのセンスや男女が入れ替わるコーラスの微妙なさじ加減など、かなりの傑作です。 この曲はソフトロックファンにも十分に評価されるでしょう。 「Happy」は男性ボーカルのバラード、「Tie A Yellow Ribbon ‘Round The Old Oak Tree」は、「幸せの黄色いリボン」ですが、これは「Happy」とは違う男性のリードボーカルです。 名曲「Killing Me Softly With His Song」は、リズムのアレンジがちょっと Fifth Dimension 風な感じでアップテンポな仕上がりになっています。
B面に移ると、10曲もの曲をつなげたメドレー「Old Fashioned Medley」で始まります。 このメドレーを締めくくるのが、 Three Dog Night のヒットで有名なPaul Williams 作曲の「Just An Old Fashioned Love Song」です。 続く、「Boogie Woogie Bugle Boy Of Company ‘B’」は、ジャス風のアレンジがまさに Manhattan Transfer のよう。 ゴスペルタッチの「Delta Dawn」、Billy Prestonの1972年のNo.1ヒットソング「Will It Go ‘Round In Circles?」でアルバムは締めくくられます。
アルバム全体では、男性がリードを取る曲が4曲あるのですが、すべて別人に聴こえます。 ということは、Guys 4人の全員が機会均等にボーカルをとったのでしょう。 いっぽう Larsen 姉妹のほうは、ソロも悪くないのですが、A-1や、B-2のようなアレンジのなかに良さが出てくるタイプのように感じます。
さきほど、The Guys And Dolls で検索してみたところ、日本の Amazon でも「The Singles」と題されたベスト CD が検索されてきました。 そこには、男女2名ずつの4 人のジャケット写真が写っています。 おそらく1970年の中盤から後半にかけての頃のようなのですが、この4 人は今日ご紹介している The Guys And Dolls と同じグループなのでしょうか? それは何とも言えません。 同じだと思える理由は、6 人組から男2 人が脱退して4 人組になったということ普通にありえること。 また、「The Singles」には、24 曲のうち、「Killing Me Softly With His Song」が収録されていること、などです。
しかし、その一方で違うグループなのではないかと思える理由もあります。 それは、「The Singles」のほうはグループ名が Guys ‘n Dolls となっていることと、4人の顔がちょっと似ていないように感じることなどです。 できれば、違うグループであって欲しいと思うのですが、それは僕の希望的観測なのでしょうか?
そんな謎めいた The Guys And Dolls。 レコードには制作年度も書かれていませんが、収録曲から推測するに、1972 年から1973 年くらいに制作されたものだと思います。 このダサい感じが何とも言えない愛着を抱かせてくれて、手放せないですね。 名門ワーナーブラザーズのお膝元、カリフォルニアのバーバンクから届けられたアルバムとはとても思えません。
■The Guys And Dolls / By Request■
Side-1
I Feel A Song Comin’ On Medley
Happy
Tie A Yellow Ribbon ‘Round The Old Oak Tree
Solamente Una Vez
Killing Me Softly With His Song
Side-2
Old Fashioned Medley
Boogie Woogie Bugle Boy Of Company ‘B’
Behind Closed Doors
Delta Dawn
Seasons In The Sun
Will It Go ‘Round In Circles?
All Selections Arranged by The Guys And Dolls
Valerie Larsen : Leader , Guitar , Vocalist
Rhonda Larsen : Soprano Vocalist
John Stanewich : Tenor Vocalist
Mike Wilson : Keyboards , Trumpet , Vocals
Tony Esperance : Bass , Piano , Organ , Trombone , Vocals
Mike Younce : Drums , Vocals
Produced by Donnie Brooks , Tom Oliver
Engineered by Tom Oliver
Recorded at A.D. Recorders , Burbank , California
Special Thanks to
Henry Sanchez : Lead Guitar
Al Macias : Tenor Saxophone
Danny Guerrero : Piano
Bob Senescue : Trumpet
GD Records GDLP-1001