懐かしい昭和の情景を追って

過去に撮影したネガをフィルムスキャナーで電子化しています。蒸気機関車、古い町並み、茅葺民家を投稿します。

欅のある風景

2021年02月09日 | 日記
欅のある風景は関東の風景と思う。

我々の住む岡山から東北へ向かう、車窓を見ても静岡までは欅をみることは無い。
神奈川に入ると公園や農家屋敷で欅を見かける。
多いのは埼玉北部や栃木県であろうか。公園などには必ず植えてある。
白河を越えて東北に入ると屋敷林も杉に変る。
仙台の郊外の農家の屋敷林(いぐね)は混在林である。欅に特化はしていない。
雑木に針葉樹、柿、栗など様々。

40年前に何度か栃木県芳賀町へ行った。農家に何回か泊めてもらった。
敷地広いが民家を欅が囲っていた。大木になる欅は敷地も300坪か500坪は必要である。                                                                                                                                       
200年は経つ巨木であった。材木屋が何百万で売ってくれと来るそうだ。
金持ちのステータスに欅御殿と言われる民家がある。檜御殿と言われる民家もあるが欅が木材を集めにくい。江戸時代、檜は幕府が庶民の民家に使うのが禁じられていた。欅と共に檜も民家も庶民の憧れであった。檜は植林もしているし国産材も今は安い。

欅は木目も美しく建築材以外にもお盆や座卓.箪笥、太鼓に使われた。
先日のポツンと一軒屋は太鼓の稽古場だった。
外国産の木で作った大太鼓は300万円と言っていた。
これを国産の欅の胴抜きなら3000万円はするそうだ。

岡山の公園や神社はで欅は馴染みがなかった。岡山にも500メートルの山には自生していた。北海道以外、全国にあるそうだ。
枝が箒のように広がるので欅盆栽では箒作りといわれている。何本も寄せ植えにしたものは雑木林を想像させる。

欅は堅く重い、強度も檜の倍ある。
重いし堅く加工しにくさもあった。大工泣かせでもあった。法隆寺をはじめ多くの寺院は檜が使われた。
檜と欅の強度劣化のスピードの違いがある。
檜は建てられて250年後がピーク。劣化がゆっくり。
欅は新材では檜の倍あるが250年で檜と同じ500年で建物が倒壊する強度になる。

欅の寿命は500年 檜は1500年以上生きる。
宮大工の西岡氏が言った。木は生きた時代だけ材木でも生きる。