本日はロバート・キャパの51回忌です。改めてご冥福をお祈り申し上げます。
さて、フリッツ・ラング監督。共同原案・製作の'43年作品『死刑執行人もまた死す』をWOWOWシネマで再見しました。
“ヒトラーの大虐殺に屈しないチェコの人々は、自由を求めて地下組織を結成。ナチスの侵略から祖国を守ると固く誓った。ラインハルト・ハイドリッヒ副総督は、ヒトラーの名のもとに恐怖政治を行ない、『死刑執行人』と呼ばれた。彼はプラハ城に総督府を置き、チェコ人を殺害する指示を出した”の字幕。工場におけるサボタージュに対し、見せしめの処刑をもっと増やすべきだと語る副総裁でしたが、工場の視察に向かう途中で銃弾を浴びます。マーシャ(アンナ・リー)は八百屋で買い物をしている時、ハイドリッヒを狙った犯人の男に会いますが、追ってきたゲシュタポたちに、男が逃げたのと逆の方向を指差します。それを陰で見ていた犯人の男。男は群衆に紛れ、映画館に入ると、「ハイドリッヒが撃たれた」との囁きが映画館の客の間に広がり、やがて拍手が起こります。ナチスの腕章をした男は「すぐ上映を中止しろ。誰が拍手を始めた? 全員の身分証を確認する」と言いますが、皆に殴り倒されます。男は“貸し室あり”の札のある家を訪れますが、外出禁止令が出た中なので入れてもらえません。帰宅したマーシャが「私、犯人を見た」と父のノボトニー教授(ウォルター・ブレナン)に言うと、父は「お前は何も見てない。婚約者のヤンにも言うな」と言います。
男がレストランにいるとゲシュタポがやって来て「通達。店や施設は即刻営業停止。門限は7時。破る者は射殺」と言います。客の1人は「犯人はもう国境を越えてるだろう」と言いますが、別の客は「電車が動いてないし、国境は封鎖されてる」と言います。
マーシャ宅を訪れたヤンは「今回の暗殺がさらなる流血を呼ぶ」と言い、マーシャは「大学では120人の生徒が命を捧げた。世界中に愛国心を伝えるために」と答えます。ヤンが帰り、入れ違えに花を持った犯人の男が入って来ます。「行く場所がなくて」と男。マーシャが男を部屋に入れると、すぐ母に見つかり、男は「バニャックです。建築家をしています。演奏会でお嬢さんと知り合いました」と嘘を言います。疑う父は辞去しようとする男に「もう7時を過ぎてる」と言い、母も夕食に誘います。
夕食。父は「ハイドリッヒの暗殺は当然」と言い、マーシャも「犯人が逃げられてよかった」と言います。マーシャの弟のベーダがケガをし、止血し包帯を巻く男。ラジオからは「暗殺者を匿ったら、本人と家族を処刑する」という声が聞こえてきます。
警部は、地下活動の情報を流しているビール業者のチャカ(ジーン・ロックハート)と話をしています。最新の人質名簿を見て「聖職者を攻めるのは最も効果的だ。説教に重みがある」と警部が言うと、チャカは「子供向けの詩を書いているネクバールがいい。チェコをドイツ化するには子供から」と答えます。
犯人の男は揺り椅子で眠っていましたが、時計の音で起きます。教会の鐘の音でいつも目覚めるので、と男は言います。ノボトニー教授は「私の書斎のソファで寝なさい」と言い、マーシャは「父は共和国の創始者の1人なのです」と言います。
八百屋の老女はマーシャを知らないかとゲシュタポに尋問を受けています。名前も家も知らないと嘘を言う老女。ラジオ「ハイドリヒ副総督の脊髄から銃弾3発が摘出された」。新聞「数名逮捕。暗殺への手がかり」。ラジオ「非協力的な市民は即逮捕」。ノボトニー教授は「単なる脅しだ。何もつかんでない証拠」と言いますが、そこへゲシュタポが来て「非協力的なチェコ人として、教授を逮捕する」と言うのでした‥‥。
ゆっくりしたフェイドアウトの後の素早いフェイドインが、息せき切った感じを与え、またゲシュタポの仕草の異常さも非常によく演じられていて、戦時中に作られたとは思えないリアルさを感じました。蓮實重彦先生が“傑作”として挙げている映画の1つです。なお、上記以降のあらすじは、私のサイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)の「Favorite Movies」の「フリッツ・ラング」の場所にアップしておきましたので、興味のある方は是非ご覧ください。
→「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
さて、フリッツ・ラング監督。共同原案・製作の'43年作品『死刑執行人もまた死す』をWOWOWシネマで再見しました。
“ヒトラーの大虐殺に屈しないチェコの人々は、自由を求めて地下組織を結成。ナチスの侵略から祖国を守ると固く誓った。ラインハルト・ハイドリッヒ副総督は、ヒトラーの名のもとに恐怖政治を行ない、『死刑執行人』と呼ばれた。彼はプラハ城に総督府を置き、チェコ人を殺害する指示を出した”の字幕。工場におけるサボタージュに対し、見せしめの処刑をもっと増やすべきだと語る副総裁でしたが、工場の視察に向かう途中で銃弾を浴びます。マーシャ(アンナ・リー)は八百屋で買い物をしている時、ハイドリッヒを狙った犯人の男に会いますが、追ってきたゲシュタポたちに、男が逃げたのと逆の方向を指差します。それを陰で見ていた犯人の男。男は群衆に紛れ、映画館に入ると、「ハイドリッヒが撃たれた」との囁きが映画館の客の間に広がり、やがて拍手が起こります。ナチスの腕章をした男は「すぐ上映を中止しろ。誰が拍手を始めた? 全員の身分証を確認する」と言いますが、皆に殴り倒されます。男は“貸し室あり”の札のある家を訪れますが、外出禁止令が出た中なので入れてもらえません。帰宅したマーシャが「私、犯人を見た」と父のノボトニー教授(ウォルター・ブレナン)に言うと、父は「お前は何も見てない。婚約者のヤンにも言うな」と言います。
男がレストランにいるとゲシュタポがやって来て「通達。店や施設は即刻営業停止。門限は7時。破る者は射殺」と言います。客の1人は「犯人はもう国境を越えてるだろう」と言いますが、別の客は「電車が動いてないし、国境は封鎖されてる」と言います。
マーシャ宅を訪れたヤンは「今回の暗殺がさらなる流血を呼ぶ」と言い、マーシャは「大学では120人の生徒が命を捧げた。世界中に愛国心を伝えるために」と答えます。ヤンが帰り、入れ違えに花を持った犯人の男が入って来ます。「行く場所がなくて」と男。マーシャが男を部屋に入れると、すぐ母に見つかり、男は「バニャックです。建築家をしています。演奏会でお嬢さんと知り合いました」と嘘を言います。疑う父は辞去しようとする男に「もう7時を過ぎてる」と言い、母も夕食に誘います。
夕食。父は「ハイドリッヒの暗殺は当然」と言い、マーシャも「犯人が逃げられてよかった」と言います。マーシャの弟のベーダがケガをし、止血し包帯を巻く男。ラジオからは「暗殺者を匿ったら、本人と家族を処刑する」という声が聞こえてきます。
警部は、地下活動の情報を流しているビール業者のチャカ(ジーン・ロックハート)と話をしています。最新の人質名簿を見て「聖職者を攻めるのは最も効果的だ。説教に重みがある」と警部が言うと、チャカは「子供向けの詩を書いているネクバールがいい。チェコをドイツ化するには子供から」と答えます。
犯人の男は揺り椅子で眠っていましたが、時計の音で起きます。教会の鐘の音でいつも目覚めるので、と男は言います。ノボトニー教授は「私の書斎のソファで寝なさい」と言い、マーシャは「父は共和国の創始者の1人なのです」と言います。
八百屋の老女はマーシャを知らないかとゲシュタポに尋問を受けています。名前も家も知らないと嘘を言う老女。ラジオ「ハイドリヒ副総督の脊髄から銃弾3発が摘出された」。新聞「数名逮捕。暗殺への手がかり」。ラジオ「非協力的な市民は即逮捕」。ノボトニー教授は「単なる脅しだ。何もつかんでない証拠」と言いますが、そこへゲシュタポが来て「非協力的なチェコ人として、教授を逮捕する」と言うのでした‥‥。
ゆっくりしたフェイドアウトの後の素早いフェイドインが、息せき切った感じを与え、またゲシュタポの仕草の異常さも非常によく演じられていて、戦時中に作られたとは思えないリアルさを感じました。蓮實重彦先生が“傑作”として挙げている映画の1つです。なお、上記以降のあらすじは、私のサイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)の「Favorite Movies」の「フリッツ・ラング」の場所にアップしておきましたので、興味のある方は是非ご覧ください。
→「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)