'13年に刊行された、文藝別冊・KAWADE夢ムック『総特集 向田邦子 脚本家と作家の間で』を読みました。その中で、生前の向田さんが、山田太一さんと同じく、日常を描くことの大切さを説いてらっしゃって、やはり山田さんと同じく、物語のあらすじを前もって構成しておくようなプロットは作らないとおっしゃっていました。
また先日WOWOWライブで『洋楽主義 ビリー・ジョエル』を見て、ビリーが私のちょうど10歳年上の1949年生まれであり、ビリーのアルバム『52nd Street』が世界で最初にCD化されたアルバムであり、アメリカのロック・アーティストとして最初のソ連公演をしたことを初めて知りました。
さて、また昨日の続きです。
岩吉を誘いこんだ御舟屋は、自分の正体を明かし、金を出すように岩吉に迫りますが、岩吉は御舟屋の手首をねじり、襲いかかる御舟屋の一味を次々と倒します。そこへ警官隊がやって来て、御舟屋の一味は逃げ出します。
小雪の許に戻った岩吉は、北海道に発つと言いますが、小雪は嫌がります。「あの人が‥‥」と言う小雪は父の顔をはたき、岩吉は小雪を殴ってしまいます。岩吉の手の巨大な影。倒れた小雪は「お母さーん」と叫びます。自分の手を見つめる岩吉。「私が悪うございました。お父様。いつまでもご一緒します」と小雪は言います。礼を言った岩吉は外出します。
一方、安藤らは近衛兵も立つとして、山之内に自由民権軍の蜂起に参加するように言いますが、山之内は暴力は暴力しか産まないと言って蜂起に反対します。山之内と踊ったことを回想する小雪。そこへ山之内が別れを告げにやって来ます。天井から吊るされた無数の折鶴。2人を見守る岩吉。教会の鐘の音。岩吉は、司教の言葉を思い出します。泣き伏す小雪に、山之内は手紙を置いて去ります。「お父さんが悪かった。お前の望みを全て聞いてやる。北海道にも行かなくていい」と岩吉が言うと、小雪は岩吉に抱きつきます。山之内が置いていった手紙には、自由民権者たちが蜂起する旨が書いてありました。大砲と銃を撃ち合う政府軍と自由民権軍。逃げ行く人々を尻目に前線へ歩を進める岩吉。倒れていた家屋の下敷きになっていた熊谷を、岩吉は助けます。山之内は仲間が止めるのを振りきり、一人で突撃していきます。小雪が待っていると言って、山之内を追う岩吉。傷ついた山之内を背負って自陣に戻ろうとした岩吉は、政府軍の突撃隊から身を隠します。逃げ出す自由民権軍。政府軍に囲まれた岩吉は、橋から水路に飛び降りて逃げます。燃える街。死屍累々の街路。道端に横たわり、馬車を呼ぶ岩吉でしたが、その馬車は熊谷のものでした。「岩吉じゃないか。今度こそ逃がさんぞ」と言う熊谷。岩吉は「最後の願いだ。この書生さんを娘のところへ」と言い、馬車に乗せてもらいます。岩吉の邸宅の前に着き、「私はここで待っているからな」と言う熊谷。岩吉は山之内を抱いて邸内に入っていきます。娘の待つベッドに山之内を横たえる岩吉。女中のお咲(東山千栄子)に医者を呼びに行くように言った岩吉は、自分の財産を書いた手帳をお咲に渡し、小雪に山之内を託して、外に出ると、熊谷の姿はなく、熊谷が呼んだ医者が乗った馬車がやって来ます。法律の絶対を疑うと語る熊谷の独白。岩吉は「もうこの世に用はない。小雪さえ幸せになってくれれば」と言い、お咲が「こんな大雪の中、重篤なお体で」と止めたにもかかわらず、小雪と山之内の結婚式を見に行きます。杖をつき、教会の外に出てきた2人を見る岩吉。ぼたん雪が降る中、「小雪ー、小雪ー。さようなら、さようなら‥‥」と言って、岩吉は倒れ、息絶えます。やがて倒れた岩吉の体に重なるように十字架の影が差し、映画は終わります。
岩吉が山之内を背負って逃げる場面など、冗長に感じられるところもありましたが、伊藤監督もマキノ監督も無声映画からキャリアを積んできただけあって、力強い画面にあふれていて、見ごたえがありました。2時間11分に及ぶ大作です。
→「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
また先日WOWOWライブで『洋楽主義 ビリー・ジョエル』を見て、ビリーが私のちょうど10歳年上の1949年生まれであり、ビリーのアルバム『52nd Street』が世界で最初にCD化されたアルバムであり、アメリカのロック・アーティストとして最初のソ連公演をしたことを初めて知りました。
さて、また昨日の続きです。
岩吉を誘いこんだ御舟屋は、自分の正体を明かし、金を出すように岩吉に迫りますが、岩吉は御舟屋の手首をねじり、襲いかかる御舟屋の一味を次々と倒します。そこへ警官隊がやって来て、御舟屋の一味は逃げ出します。
小雪の許に戻った岩吉は、北海道に発つと言いますが、小雪は嫌がります。「あの人が‥‥」と言う小雪は父の顔をはたき、岩吉は小雪を殴ってしまいます。岩吉の手の巨大な影。倒れた小雪は「お母さーん」と叫びます。自分の手を見つめる岩吉。「私が悪うございました。お父様。いつまでもご一緒します」と小雪は言います。礼を言った岩吉は外出します。
一方、安藤らは近衛兵も立つとして、山之内に自由民権軍の蜂起に参加するように言いますが、山之内は暴力は暴力しか産まないと言って蜂起に反対します。山之内と踊ったことを回想する小雪。そこへ山之内が別れを告げにやって来ます。天井から吊るされた無数の折鶴。2人を見守る岩吉。教会の鐘の音。岩吉は、司教の言葉を思い出します。泣き伏す小雪に、山之内は手紙を置いて去ります。「お父さんが悪かった。お前の望みを全て聞いてやる。北海道にも行かなくていい」と岩吉が言うと、小雪は岩吉に抱きつきます。山之内が置いていった手紙には、自由民権者たちが蜂起する旨が書いてありました。大砲と銃を撃ち合う政府軍と自由民権軍。逃げ行く人々を尻目に前線へ歩を進める岩吉。倒れていた家屋の下敷きになっていた熊谷を、岩吉は助けます。山之内は仲間が止めるのを振りきり、一人で突撃していきます。小雪が待っていると言って、山之内を追う岩吉。傷ついた山之内を背負って自陣に戻ろうとした岩吉は、政府軍の突撃隊から身を隠します。逃げ出す自由民権軍。政府軍に囲まれた岩吉は、橋から水路に飛び降りて逃げます。燃える街。死屍累々の街路。道端に横たわり、馬車を呼ぶ岩吉でしたが、その馬車は熊谷のものでした。「岩吉じゃないか。今度こそ逃がさんぞ」と言う熊谷。岩吉は「最後の願いだ。この書生さんを娘のところへ」と言い、馬車に乗せてもらいます。岩吉の邸宅の前に着き、「私はここで待っているからな」と言う熊谷。岩吉は山之内を抱いて邸内に入っていきます。娘の待つベッドに山之内を横たえる岩吉。女中のお咲(東山千栄子)に医者を呼びに行くように言った岩吉は、自分の財産を書いた手帳をお咲に渡し、小雪に山之内を託して、外に出ると、熊谷の姿はなく、熊谷が呼んだ医者が乗った馬車がやって来ます。法律の絶対を疑うと語る熊谷の独白。岩吉は「もうこの世に用はない。小雪さえ幸せになってくれれば」と言い、お咲が「こんな大雪の中、重篤なお体で」と止めたにもかかわらず、小雪と山之内の結婚式を見に行きます。杖をつき、教会の外に出てきた2人を見る岩吉。ぼたん雪が降る中、「小雪ー、小雪ー。さようなら、さようなら‥‥」と言って、岩吉は倒れ、息絶えます。やがて倒れた岩吉の体に重なるように十字架の影が差し、映画は終わります。
岩吉が山之内を背負って逃げる場面など、冗長に感じられるところもありましたが、伊藤監督もマキノ監督も無声映画からキャリアを積んできただけあって、力強い画面にあふれていて、見ごたえがありました。2時間11分に及ぶ大作です。
→「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)