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日本の領土

2006-08-26 17:58:04 | ノンジャンル
 市民意見広告運動という団体が出した小冊子「武力で平和は創れない~改憲必要論についての私たちの見解」を読みました。この団体には以前、憲法9条を守ろう、という全面広告を憲法記念日に全国紙に出す運動を行っていた際、募金をして以来のつきあいです。
 この小冊子では憲法9条を変えようとする人たちの理由を一つ一つ潰す形が取られていて、具体的には、「非武装で侵略されたらどうするか?」「北朝鮮のテポドンや中国の軍拡に備えるのは当然ではないのか?」「戦後日本の平和は九条ではなく、安保体制のおかげではないのか?」「テロが頻発しているのだからテロ対策はひつようではないのか?」「押しつけられた憲法を変えるのはあたりまえではないのか?」「家庭同様、国歌も戸締まりが必要ではないのか?」「非武装を言うなら、自衛隊をどうするか?」「米軍再編は沖縄の負担を軽減するのではないか?」「憲法第九六条(改正手続き)に基づいて衆議院に提出された国民投票法案になぜ反対するのか?」「専守防衛を堅持するために海外派兵しないことを憲法に明記すべきではないのか?」という問いに対して反論がされています。
 私が驚いたのは、特別寄稿で日本の領土問題に触れている文章で、北方領土のクナシリ・エトロフ、尖閣諸島、竹島に関して、日本の領土であると主張する国際法上の根拠がない、ということです。クナシリ・エトロフはサンフランシスコ講和条約を締結する際、吉田首相は「樺太、千島、台湾などの領域に対してすべての権利、権原、請求権を放棄した」と強調し、外務省の西村熊雄条約局長は「条約にある千島列島の範囲については、北千島と南千島の両者を含む」としており、クナシリ・エトロフに関しては領有権がない、とはっきり言っているそうです。(ちなみに国後・択捉をカタカナで書いたのは、もともとここがアイヌの土地だったことを尊重してのことです。)
 興味のある方は、info@ikenkoukoku.jp までお問い合わせください。冊子は送料含めて560円です。

山田詠美『嵐ケ熱血ポンちゃん!』

2006-08-25 17:59:13 | ノンジャンル
 今日の山田詠美作品は「嵐ケ熱血ポンちゃん!」です。おなじみ熱血ポンちゃんシリーズの一冊で、著者の私生活が楽しく語られます。
 今回の特徴は旅先での話が多いこと。個性あふれる友人連中と巻き起こす数々の出来事にあっけにとられること請け合いです。
 また、章と章の間に「ポン」もしくは、「AMY」の名前の様々な広告のパロディが掲載されているのも、ご愛嬌でしょう。
 ちょっと面白かったのは、ファンレターを送ってくる人のタイプ別ランキングで、デビュー直後は1、文学好きおじいちゃん 2、刑務所で服役している人 3、ゲイピープル 4、フェミニストの男性 5、山田詠美嫌い だったのが、最近は、1、山田詠美おたく 2、黒人になりたい少年、及び、クラブキッズ 3、ゲイピープル 4、普通の人 5、山田詠美に対して、セクシュアルな幻想を抱いている人 なのだそうです。それぞれの人たちについて、著者のコメントがつけられているのですが、ちなみに私が入るであろう「普通の人」について、彼女は理解不能とのことでした。
 私の好きな姪のかなちゃん(6歳)も最後の章で活躍してくれますし、このシリーズではおなじみの詠美さんの友人に大きな転機がめぐってきます。熱血ポンちゃんシリーズファンには必読の書です。

北野武監督『TAKESHIS'』

2006-08-24 17:26:17 | ノンジャンル
 先日WOWOWで放送された北野武監督'05年作品「TAKESHIS'」を見ました。
 兵隊が全滅した廃虚。アメリカ兵たちが警戒しながら、中に入ってきます。死んだマネをした北野武が薄目を開けると、米兵と目が会います。
 すると、一転して舞台は現代。北野武が二役を演じ、片方は売れっ子の映画監督(髪は黒)、片方は大部屋の役者でコンビニの店員のバイトをしている冴えない男(髪は金髪)です。映画監督の取り巻きには、大杉蓮演じるマネージャー(しかし時々タクシーの運転手に変身する)、京野ことみ演じる愛人(これも時々寺島進演じるヤクザな役者の女になる)らがいて、行く先々で岸本加世子演じる彼に以前に金を貢いでいた元愛人や、正体不明のやくざの一団、十代の少女の追っかけに出会い、その度に拳銃をヤクザの一団に打ちまくり全滅させます。一方、冴えない役者の北野武はピエロの扮装をしたり、オークションを落ちまくったりしてるところで、寺島進に連れられて、映画監督の北野武のところへ行き、顔が似てるということでサインをもらいます。「北野くんへ」と書いて下さいという役者に「俺と名前、同じなんだなあ」といいながら、「ピエロ君へ」とサインする映画監督。
 そのうち物語りは渾沌としてきて、役者の北野武のバイト先のコンビニへ血まみれの白いスーツを来た男が現れ、トイレに閉じこもったり、様子を身に来た北野を射殺したり、監督の北野が演出する美輪明宏の舞台にその血まみれの男が現れ、ダンスを踊ったり、いつの間にか二人の北野が入れ代わっていたり、サインを見て改めて殺意を覚えた役者の北野が映画監督の北野を包丁で刺したり、そうした間に何回も多くの男を相手に両手に構えた拳銃を打ちまくる北野のシーンが挿入されます。
 映画のスタイルとしては、ハチャメチャなコメディだった「みんな~やってるか!」に似ていて、ストーリーは重視せず、イメージの面白さを追求した映画かな、と思いました。北野作品の拳銃乱射シーンが好きな人は楽しめると思います。

山田詠美『120%COOOL』

2006-08-23 16:47:32 | ノンジャンル
 今日の山田詠美作品は「120%COOOL」です。
 内容は、「唇からの蝶(Butterfly Was Born)」、「彼女の等式(Her Equality)」、「待ち伏せ(Waiting On The Corner)」、「ガリレオの餌(Galileo's Bait)」、「NEWSPAPER」、「雨の化石(Fossil Of Raindrops)」、「DIET COKE」、「120%COOOL」の9編の短編とご本人によるあとがき、それに大沢在昌氏の解説です。
 第一話の「唇から蝶」というのは、唇が生きた青虫の女が出てくるシュールな短編で、そんな話ばかりなのかなあ、と思ってると、残りは割に普通の短編でした。短編の題名から分かるように、結構楽しく、また気楽に読めるものばかりなので、暇つぶしには便利な本です。(詠美さん、すみません。まだ読んでいない方、読んで損はしないと思います。)
 (ちなみに山田詠美さんの本を読みたいと思ったら、ヤフーオークションでの購買をオススメします。今まで出版された詠美さんの本はほとんどが出品されており、また値段も格安で手に入ります。出品の多さに比べて、入札が少ないので、詠美ファンは喜んでいいのやら悲しんでいいのやら‥‥。とりあえず、気になる本があったら、ヤフーオークションを覗いて見てください。)

山田詠美『快楽の動詞』

2006-08-22 17:11:15 | ノンジャンル
 今日の山田詠美作品は「快楽の動詞」です。これは小説仕立てであったり、評論仕立てだったり、章によって異なりますが、特定の言葉あるいは言葉の使い方についての本です。
 第一章「快楽の動詞」は、セックスの最中の女性が言う「いく」「死ぬ」という言葉についての話、第二章「否定形の肯定」は、性行為における女性の「いや」という言葉についての話、第三章「駄洒落の功罪」は、駄洒落を言う人間を殺してまわる女性についての話、第四章「逆説がお好み」は、知的な男性が好きという女性が作家に狙いを絞り、本を読みはじめるが、その結果、「逆説」という言葉から作家の女性の好みが始まると思うと言う話、第五章「文体同窓会」は、文字どおり様々な文体が集まり語り合う話、第六章「口の増減」は、文通の相手の募集で手紙を送ってきた自意識過剰の男「ふえず口」と、それに付き合う「へらず口」の文通についての話、第七章「ベッドの創作」は、性行為をポルノ小説風に書く時と、純文学風に書く時とどのような差が出るか、という話、第八章「不治の快楽」は、文学界に提案された快楽禁止令についての対談を読んで、今後を心配するイクイクとヌクヌクという文学に住む生物(?)たちの話。
 私が特に面白かったのは、第七章の「ベッドの創作」で、ポルノ小説風の方は「いやっ」とか「止めて」とか、描写が即物的なのに対し、純文学風の方はまさに山田詠美さんの小説風なのが笑えました。実際、山田詠美の小説を読んで勃起したことはありませんでしたが、この章のポルノ小説風の文章には勃起してしまいました。山田詠美さんの小説は官能小説などと言われますが、今まで読んでて勃起したことがないことに初めて気付いた次第です。
 言葉にこだわって、それだけで一冊の本にしてしまうのは、珍しいことなんじゃないでしょうか?まだ読んでない方にはオススメです。