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アレックス・カミレーリ監督『ルッツ 海に生きる』

2022-09-28 00:26:57 | 日記
 アレックス・カミレーリ監督・脚本・編集の2021年作品『ルッツ 海に生きる』を「あつぎのえいがかんkiki」で観ました。
 パンフレットの「Story」に加筆修正させていただくと(ネタバレ注意!)、
「地中海の島国マルタ。
 26歳のジェスマークは、曾祖父の代から受け継いできた木製の漁船ルッツを使って、湾の中で漁師をしているが、なかなか釣果に恵まれない。そしてある日、ルッツの船底に水漏れを見つける。水漏れを直してやると言う仲間の漁師たち。
 そんな時に生まれて間もない息子の発達不良がわかり、治療費や高級なミルクのために、ますますお金がかかることとなる。動揺して裕福な実家を頼ろうとする妻デニスに対し、ジェスマークは妻のブルジョワを誇る実家を嫌い、夫婦二人で何とか解決しようとする。
 そしてジェスマークが選んだ道は、仲間を裏切って、密漁に手を貸すことだった。密漁で大金を手にしたジェスマークは、密猟者の命じるままに、仲間の漁船の網を次々と切っていく。
 そんな折り、仲間がルッツの修理を終え、聖水によって祝福されたルッツは、海に出るが、魚は思うように捕れない。
 そして次に現れたのはEUの役人で、今の職業をやめれば、4000ユーロをやると言い出す。「今の状態の舟を売りに出したってその1割にもならない」という役人。
 そしてジェスマークは悩んだ結果、EUの役人の言うことを受け入れ、ルッツを役人に受け渡し、4000ユーロを手にすることに。
 ジェスマークはその大金を使って密漁用の冷凍庫付きの車を買い、本格的に密漁に手を出すこととなる。そして我が息子の洗礼式の日、妻のブルジョワの前に立ち、彼は嫌々ながらも笑顔を作るのだった。

 音が印象的な映画で、EUに引き渡したルッツが、主人公の背後で「メリメリ」という凄い音で壊されていくシーンは今でも鮮明に覚えています。映画の始まりから会話が始まるまでは、ずっと音と映像だけで主人公の動きが描かれ、まれに見る傑作でした!