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雑誌『エトセトラ vo.2 Fall / Winter 2019 特集 We ❤ 田嶋陽子!』その2

2019-11-28 06:27:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。

 今度は田嶋陽子さん自身の文章。
「抑圧されていると、自分が腹の底でなにを感じているのかわからなくなってしまいます。自分の気持ちがつかめません。自分というものが大きな濡れ毛布で包まれてしまったみたいで、外界が感じられなくなります。自分自身の感性でほんとうになにかを感じてしまったら、その人は行動せざるをえなくなります。行動したら、これまでの枠をはみでることになるかもしれません。「感じる」って、そういうことなんですね。だからこそ、おおかたの人たちは、もう感じることを放棄しているのです。なぜなら、この大きな社会が決めたところからはずれることは、やっぱりすごく恐ろしいことだからです。こうして、ほんとうに感じることを抑圧していく。それでも、みんななにか自分の胸のなかでうざうざしているものがあるはずです。それをすくいだして、自分に正直に生きてみたらいい。まわりが味方してくれなくても自分を味方につけたらいい。まわりに、自分に、負けないでほしい。
 ドレイ船の船底から一歩、踏みだして、甲板の上にのぼってみることは、とても勇気と決断力のいることです。経験がないですから、とても大変です。一人では大変だから、みんなで手をつなごうと言ってみても、手をつないだ人みんながおなじ「女らしく」生かされた人だと、どこにも行きつかない。ドレイ状況に置かれているというのは、とても恐ろしいことです。とても生きにくい。そういう生き方を、文化は暗黙のうちに女に強制してきたということです。いま、悩んでいて決断力がなかったとしても、自分のことをイヤな女だと思っていたとしても、それがわかったら、いまあなたが悩んでいるのはあなただけの責任ではない。そう思えたら、もう少し気がラクになる。気がラクになったところで、こんどは、そんな文化に負けてはいられません。二つに引き裂かれている自分をひとつにしたら、力が出ます。失われたエネルギーを取りもどしてほしい。
 いま、悩んでいる人、引き裂かれて苦しんでいる人は、自分だけがだめだと思わずに、力強くそういう状況を生きぬいてほしいのです。くれぐれも、「私に能力がないんだ、私の性質が悪いんだ」などと思わないで下さい。まず引き裂かれている自分に気づくこと、なんとか自分らしく生きるためにどうしたらいいか考えはじめること、それが新たなる出発じゃないでしょうか。
 人は、他人のために闘うほうが闘いやすいのです。でも、自分のために闘いだしたとき、人はやっとひとりの人間になれるのです。」

 斎藤さんの文章からは「なるほど」と思い、田嶋さんの文章は「女らしさ」を求める制度としての文化が、これ以外にも様々な抑圧を生んでいるという事実にもあてはまると思いました。
 雑誌『エトセトラ』はVOL.1が「特集:コンビニからエロ本がなくなる日」、次号予告が「特集:私の、私による、私のための身体」というもので、自らを「フェミマガジン」と自称している雑誌です。マッチョな世界観が戦争を生み、平和な世界の実現を妨害している現実を考えると、こうした雑誌の誕生は歓迎されるべきでしょう。今後、『エトセトラ』が大きな成功を収めるのを望んでやみません。

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