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斎藤美奈子さんのコラム・その45&前川喜平さんのコラム・その7

2019-11-09 06:38:00 | ノンジャンル
 恒例となった、東京新聞の水曜日に掲載されている斎藤美奈子さんのコラムと、同じく日曜日に掲載されている前川喜平さんのコラム。

 まず10月30日に掲載された「被災と暴言」と題された斎藤さんのコラム。その全文を転載させていただくと、
「「私はよく地元で雨男といわれました。私が防衛大臣になってからすでに台風が三つ」と述べた河野太郎防衛相が謝罪に追い込まれた。その後大臣は「そのたびに災害派遣、自衛隊の隊員が出てくれております」とも述べたそうだが、それも失礼な話。自衛隊員はべつに雨男のために働いたわけではないだろう。
 災害に関連した失言や暴言は発言者の想像力を如実に反映する。東日本大震災に関して「東北でよかった」と述べた今村雅弘元復興相(2017年)。岩手県の台風被害の視察時に長靴を持参せず、職員に背負われて水たまりを渡った末に「長靴業界はだいぶもうかったんじゃないか」と述べた務台俊介元内閣府政務官(同)。自民党衆院議員のパーティーで「復興以上に大事なのが〇〇議員だ」と述べた桜田義孝元五輪相(19年)。彼らはいずれも辞任に追い込まれたが、暴言は今も止まらない。
 台風19号被害について自民党の二階俊博幹事長は「まずまずに収まった」と発言し、安倍晋三首相は台風被害よりラグビーだとばかり「夢のような1カ月間でした」とツイートした。学習能力がないんだろうか。というより彼らの視界には半径10メートルくらいまでしか入ってないのよね。だから受けたいという願望が優先する。苦い体験が足りてないのかも。認識が甘いよ。雨男じゃなく飴(あめ)男だよ。」

また11月6日に「ワークウーマン」と題された斎藤さんのコラム。
「「日経トレンディ」が選んだ今年のヒット商品第一位はワークマンだったが、思想界のヒットを選ぶなら、間違いなく上位に入るのはフェミニズムだろう。その証拠に今週は、すっごい雑誌が二冊も発売される。
 まず『シモーヌ』創刊号(現代書館)。特集はずばり「シモーヌ・ド・ボーヴォワール」だ。今年は『第二の性』が発行されて七十年。「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」というあまりにも有名な言葉を、ジェンダーという概念さえなかった時代に放ったボーヴォワールをいまどう読むか。刺激的な論考が並んでいる。
 もう一冊は五月に創刊された『エトセトラ』の第二号(エトセトラブックス)。作家の山内マリコ氏と柚木麻子が責任編集を務めるこの号の特集は「We LOVE 田嶋陽子!」。テレビ番組で孤軍奮闘する姿を覚えている人も多いだろう。今年七十八歳になるフェミニストは、ポジティブな受け止め方をほとんどされてこなかった。だが彼女がどれほど先駆的な存在だったか、これを読めば一発で理解できる。
 折しも現在、東京では七十年代のウーマンリブを牽引(けんいん)した田中美津を追ったドキュメンタリー映画『この星は、私の星じゃない』も公開中だ。彼女たちがいなければ私たちはいなかった。そう思わせる先達たちの仕事と人生。トレンドでしょう今年の。」

 さらに11月3日に掲載された「萩生田氏と英語民間試験」と題された、前川さんのコラム。
「一日に萩生田文科大臣は、大学入試共通テストへの英語民間試験の導入延期を発表した。「就任以来高校生のことを一番に思いながら慎重に検討を行ってきた」「自信を持って受験生にお薦めできるシステムにはなっていない」「官邸に報告はしたが、最終的な決定は私がした」
 これらの説明は、それまでの萩生田氏の姿勢とは明らかに矛盾する。「当初のスケジュールどおり実施することを前提に全力で取り組む」。大臣就任以来一貫してそう繰り返していたからだ。
 十月二十四日にはテレビ番組で経済格差や地域格差について聞かれ「自分の身の丈に合わせて頑張って」と、明らかに教育の機会均等の理念に反する発言をした。謝罪と発言の撤回はしたが、英語民間試験については「ぜひ予定どおり実施したい」と強調した。
 延期発表二日前の十月三十日、首相官邸に近い読売新聞が「英語民間試験が政府内で浮上」と報道。衆院文科委で真偽を問われた萩生田氏は「承知していない」としつつ「円滑な実施に向けて全力で取り組みたい」と改めて決意表明していた。三十一日の一日のうちに百八十度方針が変わった。支持率低下を恐れた首相官邸の指示によることは疑いない。
 抗議行動を続けた高校生諸君、これは君たちの権利である。」

 読んでいて勇気づけられる文章ばかりでした。

 →サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto