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ルドルフ・タシュナー『数の魔力 数秘術から量子論まで』

2011-05-02 02:21:00 | ノンジャンル
 朝日新聞で紹介されていた、ルドルフ・タシュナーの'05年作品『数の魔力 数秘術から量子論まで』を読みました。
 「ピタゴラス 数と象徴」では、数象徴学、三角数、四角数、素数、魔法陣、聖書における数秘術について語られ、「バッハ 数と音楽」では、バッハがルター訳聖書に現れる数を譜面に織り込んだこと、シのフラット〔b〕-ラ〔a〕-ド〔c〕-シ〔h〕という配列は十字架(そしてもちろんバッハBachの名前)を表現していたこと、倍音、ピタゴラス派の五度音律による音程、ソのシャープとラのフラットの差であるピタゴラスコンマ、同音に対する差異であるシントニックコンマ、小ディエシス、大ディエシス、平均律について語られ、「ホーフマンスタール 数と時間」では、太陽の一日の動きと、月の満ち欠け、一年の季節の移り変わりの三つが我々の時間感覚を決定していること、時計による時間の決定について語られ、「デカルト 数と空間」では、三辺が整数の直角三角形、測量方法、地図法、鏡映について、「ライプニッツ 数と論理」では、二進法、アスキーコード、0と1による思考の形式論理学には「無限ループ発見プログラム」など存在しえないという「チューリングの停止性問題の決定不可能性」、微分法について、「ラプラス 数と政治」では、全宇宙を構成する粒子の位置と速度が分かれば、未来の全宇宙の状態を予言できるという「ラプラスの悪魔」という考え方、その破綻、確率、統計の罠について、「ボーア 数と物質」では、量子論、光量子、スペクトル線、バルマーの公式について、「パスカル 数と精神」では、思考と知覚、π、無限少数について語られます。
 面白いと思ったのは、「悪い」偶数、「良い」奇数という考え方があったこと、アウグストゥスが自らの名にちなんで命名された八月がカエサルにちなんで名付けられた七月と同等の31日まであるべきだと考えたので、7、8月が31日になったこと、36人のうちに少なくとも一組は同じ誕生日をもつ人がいる確率は83.22%にも及ぶこと、そして音階に関する全般的な説明でした。数というものについて、人類がどのように対して来たのかを網羅的に、しかも割に分かりやすく読むことができる本です。そうしたことに興味のある方にはオススメです。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/^m-goto)