ハワード・ホークス監督『脱出』

　ハワード・ホークス監督の'44年作品『脱出』をWOWOWで再見しました。
　カリブ海の地図に「フランス降伏直後の1940年夏マルティニク島」の字幕。地図にズームアップすると「フォール・ド・フランス」の字幕。ヴィシー政府が反対派の摘発を続ける中、釣り人用の船の船長ハリー（ハンフリー・ボガート）は、酔っ払いの相棒エディ（ウォルター・ブレナン）とともに、ジョンソンを客として16日間乗せます。ホテルに帰ったハリーに友人のフレンチーが一晩船を貸してくれと言いますが、政治問題に関心のないハリーは断ります。翌日に銀行が開いてから料金を払うというジョンソンの財布をすったマリー（ローレン・バコール）を捕まえたハリーは、その財布に明日の早朝出発の飛行機の切符が入っているのを見つけ、ジョンソンが料金を踏み倒すつもりだったことを知り、彼に財布を返してその場で小切手を書かせようとしますが、ハリーから船を借りようとしていた自由フランスの一団に警察が発砲して銃撃戦となり、ジョンソンは流れ弾を浴びて死にます。秘密警察の男に尋問されて持ち物全てを奪われたハリーとマリーでしたが、マリーはすぐにヴィシー政府の兵士の財布をすって、それで酒を買い、ハリーの部屋に届けます。尋問の時に殴られても顔色を変えなかったマリーに、殴られ慣れていると言って彼女の怒りを一旦は買ったハリーでしたが、彼女がアメリカに帰国したがっているのを聞いて金を作ろうと言うハリーにマリーは思いを寄せてキスし、用事があったら口笛を吹いて呼んでくれと言います。ハリーはマリーのために金を作ろうと、フレンチーの依頼を受けることにし、マリーに夕方に発つ飛行機の切符を渡した後、フレンチーの仲間のバルザックを運ぶことになりますが、現場を巡視艇に見つかって銃撃戦となり、バルザックは胸を撃たれます。ホテルに帰るとマリーは留まることにしたと言い、ホテルの歌手の仕事を得たことをハリーに告げます。ハリーは滞納していたホテル代の代わりにバルザックの弾を摘出してやり、バルザックの命を助けます。翌朝、秘密警察はエディに酒を飲ませて昨晩のことを聞き出そうとしますが失敗し、ハリーに尾行の男を付けます。バルザックは悪魔島に捕えられているリーダーを救い出すために来たことをハリーに告げ、ハリーは彼らに巻き込まれることを怖れて、マリーとエディを連れて島を脱出しようとしますが、そこへ秘密警察が現れ、エディを人質にしているので、バルザックの居所を告げろと言ってきます。ハリーは拳銃で秘密警察に対して逆襲し、警察に電話をかけさせてエディを解放させ、彼らの渡航許可証にもサインさせます。そしてハリーはフレンチーにバルザックらも連れて悪魔島へ自由フランスのリーダーを救いに行くことにしたと告げ、マリーとエディを連れて旅立つのでした。
　「ザ・ルック」ことローレン・バコールの記念すべきデビュー作であり、またホテル付きのピアニスト役で「スターダスト」の作曲者として知られるホーギー・カーマイケルも出演している映画でした。ローレン・バコールの魅力を堪能するには最適の映画だと思います。

　→Nature Life（http://www.ceres.dti.ne.jp/^m-goto）