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古今亭志ん朝『志ん朝の落語(1)男と女』

2009-01-01 14:51:03 | ノンジャンル
 新しい年となりました。今年も読んでいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

 さて、高野秀行さんが旅先で読むといい本として勧めている「志ん朝の落語(1)男と女」を読んでみました。
 冒頭に古今亭志ん朝さんの写真の後に、彼が残したノート全14册とその中身の写真が載せられていて、細かい字でびっしりと書かれたそのノートと、赤い字で書き加えられた文を見て、その研究熱心な様子にまず驚きます。その後に「編者のマクラ 1」と題して、志ん朝さんの落語を聞き書きしてこの本を作った京須偕充さんの前書きがあり、いよいよ本題の落語へ。では、一編目の「明烏(あけがらす)」の冒頭の部分を引用してみます。
 「えェ、男の道楽ってえますと、『飲む・打つ・買う』ということンなってますが、ま、この三つはたいがい好きなんですがね‥‥。中には、『おれァどうも博打ァいけねえや』とかね、『どうもあたくしはお酒はいただけません』なんてえ方がいますが、男と生まれた以上、ご婦人の嫌いな方というのはまずいないですな。‥‥やっぱりこの、(強く)女というものぐらい、いいものはないと‥‥‥‥あたくしなんぞも、つくづく思っておりますが‥‥。
 まあその‥‥これは人によっていろいろと‥‥好きさ加減が違ってくるんで‥‥ね。えェ、まァ、うんと好きだと言う人もいれば、まあまあ普通だねとか、なかにァ『おれ嫌いじゃねェけどな、酒があればそれですむよ』なんてえ人もいるんですな。そうかと思うともう、女がいなきゃアどうにもしょうがないなんてえ人もいる。好きで好きでたまんないなんてえのがね‥‥。」
 すごいですよね。この再現の仕方。「ねえ」と「ねェ」、「‥‥」と「‥‥‥‥」を区別して書くなどして、読んでるだけで落語の声が甦ってくるようです。
 ということで確かに再現性はすごいのですが、ただ、2ページも読んだところで私はギブアップしてしまいました。というのも、読むのにすごい体力がいるし、話の内容が今一つ面白くないからです。どちらか一つなら我慢して読み進めたと思うのですが、これが両方揃うと、もうダメです。あっさりと読むのを諦めてしまいました。
 ということで、落語好き、特に古典落語好きの方にはうってつけの本です。そういう方にはオススメです。