”ばっきん”のブログ

日常生活中心のブログです。
平成28年9月から妻と息子、母の4人で暮らしています。

心身の健康には適度な「束縛」が効く・・・自由が生み出す現代のストレス

2010年07月21日 22時29分54秒 | ライフスタイル
心理カウンセラーの下園壮太さんは,著書「しばられてみる生き方」の中で
過度の自由が人生を不安にすると指摘している。
月刊誌「第三文明」5月号の対談で下園さんは次のように述べている。
「人間にとってストレスとは
「不快感情の苦」・・・いやだ,苦しい,痛い,うるさいなどの危機意識からのものと
「エネルギー苦」・・・飢え,渇き,疲労,睡眠不足などのものからなるという。
文明が発達した現代では,餓死するという危険は少なくなり,人間はエネルギー不足という苦しみからは解放されたように見えるが,一方ではエネルギーが無駄に使用されていると感じた時の苦しみもあるという。現代人はまさにこのエネルギーの無駄遣いによる苦しみを多く感じているのではないかとのこと。
現代社会には膨大な情報があるが,情報を集め,分析し,選択するという精神的負担に加え,正解が解らない「不安」というものも大きくエネルギーを消費させるという。以前であれば,知らなくてもよかった情報まで入ってくるため,そのたびに不安や恐怖,怒りや悲しみといった感情が喚起されるという。よって,自由がストレスを生み,その結果,心の病を抱えるリスクも高まってくるというのだ。」

確かに,現代における心の病の増大は,自由すぎる日本社会に起因することがずいぶんあると思う。

「自由と快楽だけを求める生き方は心の健康によくなく,地味で苦しい鍛錬を避ける傾向が顕著」なのだ。

「そうした意味から,その人にとって意味があると感じられることで,具体的であり,かつ達成可能な目標を立てて鍛錬すればストレス対策の面からも効果がある」という。

「一般の社会人は,体力づくりではなく,休まないこと,時間を守ること,あいさつをすることなど,生活習慣のルールを実践することからスタートすべきだ。」とも主張していた。

人間は自由と快楽を求める一方で,人生の中で何かを成し遂げたいという気持ちも持っている。そうした意味で少し制限があり,少し不自由な「プチ束縛」状態がストレスは少ないとのこと。

人間にとってやはり「鍛錬」という束縛は必要なものであり,目標のない人生には苦痛が伴うということ。逆に,組織にあってもある程度の統制が必要不可欠なのだと感じた次第。

「退屈」こそ,ストレスの原因であることを深く理解したい今日この頃である。