”ばっきん”のブログ

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平成28年9月から妻と息子、母の4人で暮らしています。

助産施設は函館市だけのものではない。市議会の質問に異議あり。

2010年06月17日 21時33分20秒 | 政治
西尾現市長の仇敵・福島議員(民主・市民ネット)がまたもやかみついた。
ひとつは,競輪事業部の機器導入問題,そしてもうひとつが中央病院の助産施設をやめさせ,風俗営業が可能になるようにせよという要求である。

現在函館市本町にある中央病院は,助産施設の指定を受けている。
このことが,風俗営業をする経営者たちと市の間で問題になっている。
助産制度と助産施設について考察してみたい。

○助産施設の目的は
保健上必要があるにもかかわらず、経済的理由により入院助産を受けることが困難な妊産婦を入所させて、助産を行うもの。
○対象となる世帯は
・生活保護を受給している世帯
・当該年度分の市町村民税が非課税の世帯など

函館市における問題を整理すると用途地域が近隣商業地域であっても商業地域であっても助産施設は保護対象施設であり,風適法により風俗営業許可を受けられない場所となっている。
したがって,風俗営業至上主義に立脚すると,問題の解決には,助産施設を中央病院が指定を返上するしかない。(北海道警察が例外規定を採用しない限り)

しかしながら,函館市としては,市立函館病院の産科閉鎖により助産施設をお願いしている立場から返上してくださいとは言えない状況にある。

こうなれば,風俗店営業者たちが中央病院に,助産施設を返上してくれと交渉するしかない。

ただし,助産施設の指定は2006年3月・・・この時点では風適法についての問題は関係者には認識されていなかった。
近隣商業地域から商業地域への変更要望は2007年4月・・・この時点で始めて「助産施設」が問題となったわけだ。

助産施設における助産制度の利用者のほとんどが生活保護受給者である。
この少子高齢化時代にあって安心して子どもを産めるのは唯一生活保護世帯だけである。
函館市は,受給世帯中,母子世帯の占める率が全国と比しても多いという特色もある。
なぜ,母子世帯なのに子どもが増えるのかという疑問を持たれる方もいるかもしれない。
しかし,生活保護法上では,妊娠を禁じているわけでもなく,セックスを禁じているわけでもない。

したがって,助産施設を排除しようとする動きそのものは,結果的には生活保護受給者の基本的人権を著しく踏みにじるものといえよう。

議会の質問で,福島議員はわずかな数しか利用されていないと数字を披露したが,それは函館市が実施責任を負う助産だけの数字。
北斗市や七飯町などの近隣自治体の分をいれるともっと多くの利用がされている実態を捉えさせようとしていない発言だ。
すべての自治体で助産施設を設置できているわけではないことをもっと注視すべきだ。
中核市ならなおさらその責任がある。そもそもこの問題が起ったのは井上市長時代からだ。

風俗営業を優遇するのが福祉都市としてどうなのか。
ましてや周産期医療で先進の技術をもつ中央病院を助産施設から外し,他の病院にお願いするというのはいかがなものか。