”ばっきん”のブログ

日常生活中心のブログです。
平成28年9月から妻と息子、母の4人で暮らしています。

30年間,新幹線函館延伸後のビジョンを何も持ってこなかった

2010年06月04日 08時11分54秒 | 主張
JR並行在来線の経営分離反対に執心の函館市。
鳩山由紀夫の退陣で,札幌延伸はさらに困難な状況になったことだけは間違いない。
そういった意味では,思い通りになる可能性は高くなったばかりか,予定通りの(仮称)新函館開業も危ういのではないかと思う。
ところで,今の函館衰退は最近に始まった訳ではない。
函館は,「港」の街であったが,北洋漁業基地としての意義を失い,
青函海峡トンネルの完成とともに,シンボルであった青函連絡船を失い,特に現函館駅前が機能を有しなくなるのを予見できたにもかかわらず,悪あがきのような無駄な投資を続けてきたからだ。
連絡船時代の前と後では駅の性格は全く変わったといってよい。
それまでは,終着駅であり,始発駅であったのだが,形はいびつであれ通過駅としての位置づけになったからだ。
しかし,函館市民は,もともと通過駅という概念を知らなかったが故に,将来の街作りを誤ったとしかいいようがない。
さらに国鉄からJRへの民営化に際しても,鈍感でであった。
現函館駅と(仮称)新函館間は,並行在来線ではないと主張する輩が多いが,札幌へのアクセスが現状直接つながっている事実からも始発駅信仰は捨てるべきだ。
JR側に立ってみれば,新幹線開業までの仏の慈悲で,大いなる迂回線を維持しただけに過ぎない。
私も函館に帰ってきてから30年が経つが,(仮称)新函館中心を見据えた先見的な考えを中心に据えれば,例えば五稜郭駅までの市営路面電車の廃止もすることはなかったろうし,かつ新函館へのアクセスも一部解決できたかもしれない。
中心街とは言っても,空き地だらけ,空き店舗だらけの現状を見るにつけ,現市役所庁舎でさえ,現地に建て替えた時点から間違いが始まったとみるのは厳しすぎるだろうか。
人から見聞きした話だが,JRでは,職員採用を新函館の開業を見据えて,養成期間を考慮し行っているとのこと。
一方函館市では,採用を押さえ,人員を削減するだけの行財政改革しかできていない。
衰退には,やはりそれなりの理由があるのだ。