”ばっきん”のブログ

日常生活中心のブログです。
平成28年9月から妻と息子、母の4人で暮らしています。

公立高等学校無償化は悪い政策ではないが、、、

2009年09月29日 21時50分15秒 | 政治
 川端達夫文部科学相は9月25日の閣議後会見で、来年度から実施予定の公立高校実質無償化について「現金が直接本人に渡る方法ではなく、間接ということになると思う」として世帯への直接給付ではなく、学校への支給による間接給付方式とする意向を示した。
 このこと自体は決して悪いことではないと思っている。実際、親の手に渡ると結局他の消費に回してしまい、授業料等の滞納をまねく恐れがあるからだ。
 しかし、高校に通う子供を持つ家庭にとって、本当につらいのは、学業に使う経費ではなく、子供自体が消費する経費だ。もちろん、この中には通学費用も含まれるが、食費、遊興費も結局この年代では多額になる点が問題であると思っている。
 生活保護との関係では、保護費としてこの分を支給しなくてもよくなるため、母子加算復活と含めると結果は同じになるのかもしれない。
 ただ、公立高校に通う生徒をもつ家庭すべてが経済的に困窮しているわけではないのでこの点はどうなのかという議論もあるだろうし、私学助成の行方も気になる。とりようによっては、民業圧迫という声も上がってくるかもしれない。(郵政民営化の見直しと同じだ)
 私が、少し気にしているのは、第1に無償化により「教育機会の恩恵感の希薄化が起こらないか」という点だ。人は不思議なもので、お金をかけたから頑張る、もったいないという気持ちが働くが、どうせただなんだからという気持ちが強くなると向上心すら失いかねないということだ。つまり、学力の低下が懸念されるという点である。第2に、学力の平準化により、思想操作しやすい人間を作るという目的が達成されかねないということ。日教組に都合のいい人間を造るという懸念だ。
 これは、民主党が期待しているわけでもないだろうが、最終的には国家社会主義への礎となりかねない危惧である。
 第3に高校世代の価値観の培養がどうあるべきなのかという視点が欠けている点である。自立した生活の原点を作らんとする勤労意欲の培養や社会的責任の強化、道徳観の醸成も一体となって考えなければ、将来、多数の生活保護受給者を産むといった危惧もある。
 いろいろ問題はあるが、私なら親や子供の遊興費として消費を煽ろうとする「子ども手当」よりも優先すべき政策だとは思っている。
 悲観的な見方をすると、「格差是正」に名をかりた私学排除、価値観の統制化であり、国民総堕落の一歩となるかもしれない。
 無償化は基本的に賛成だが、いずれにしても「学校への支給による間接給付方式」でなければならない点は必ず守ってほしい。