”ばっきん”のブログ

日常生活中心のブログです。
平成28年9月から妻と息子、母の4人で暮らしています。

後期高齢者(長寿)医療制度で喜んでいる人は多いのに。

2009年09月22日 17時05分22秒 | 福祉政策
民主党の公約で、廃止を明言している後期高齢者医療制度はもとはといえば、高齢化社会における医療費の増大に備えるもので長きにわたって与野党で検討されてきた経緯がある。しかし、民主党は政権交代に有利とみて、あたかも小泉構造改革と期がダブったかのように喧伝してきた。このこと自体、話し合いの経過を無視した暴挙なのだが、大事なのは、真に困っている人は誰なのか?ということである。
まず、生活保護者は医療費10割が扶助されており(このこと自体問題なのだが)、医療制度には関係ない。一方被用者保険の扶養で保険料を負担しなくてもよかった人(実は被用者保険の台所事情を悪くした原因)が、新たに保険料を納めなくてはならなくなったことが、この問題をクローズアップさせた。
しかし、国民健康保険の人は、大概保険料は低く抑えられており、医療機関側の請求にも限度が設けられたため、一部負担金も安くなっているのだ。
じっさい私の母は、国保からの移行なので安くなった保険料と医療費に感謝している。つまり、比較的恵まれた被用者保険の扶養となっていた人・・・多くは民主党の支持層が不満を述べていたにすぎないのである。もちろん、医療機関も高額のレセプト請求に上限が設けられたのも、各地で医師会が自民から民主へ支持移行を決めた一因である。あたかも、高齢者医療の後退だと叫んでいるが、その実は欲張り村の村長さんが、親方日の丸の医療制度に逆行することを望んでいるにすぎないのである。そんな中でも、良心的な病院や診療所では、ジェネリック薬品の啓蒙に力を入れている。これは、後期高齢者医療制度との相乗効果が期待できる試みだ。ジェネリックについていえば、もっと普及させなければならないが、それを阻んでいるのは、やはり一部の医療機関でもある。「ジェネリックにもできますがどうしますか。金額はそんなに安くなりませんけれども」と言われれば、高い薬の方がもしかしたら効くかもしれないと錯覚するお年寄りも多いのではないか?
確かに、一部負担金は全体の3割なのでそんなに変わらないかと錯覚するのだが、保険側からは7割の金額が拠出されているのである、この額は大きい。
結局のところ、特権意識を堅持したい組織依存病と欲張り医療機関のうまい戦略にはめられたにすぎない。医療の問題は、一部のものの利益であってはならない。それなのに、膨大な経費をかけ制度を構築してきた経緯を無視した民主党の無責任さには呆れるばかりだ。なお、日本共産党も早くからこの医療制度に反対してきた。それは「勤医協」の看板を掲げる自前病院を全国各地に持つから、言わずもがなである。