身体を作るどんな細胞にでも変化できる
幹細胞というものがあります。
この細胞で
傷んでしまった身体の組織や器官を再生することができるし
若返ることも可能になったりします。
以前はそれを作るために、受精卵を利用するので、
結局命を一つ削らなければならなかったのですが、(ES細胞)
この前、ノーベル賞を取った山中教授は
受精卵を利用しないで、身体の組織を使って
細胞を作ることに成功したという点で素晴らしかったのです(iPS細胞)
で、今回騒がれているのはSTAP細胞というもので
ある一定時間、弱酸性の溶液に浸してから
細胞を培養していくと、幹細胞ができるという
今までで一番簡単で手間なく安価で出来るかもしれないということで
革命的な発見だとされています
で、その中心となっていたのが
30歳の若手研究者。
そりゃすごい話だなと。
僕も大学院で5年ほど研究に与らせていただき、
研究者っぽいことをしていたのですが
研究というのは
先人の歩いてきた道をなぞるのではなく、
その道を尊重しながら、たたいて壊していく作業だったりします。
または、
自分の着想が正しいということを証明するために
誰も歩いていない、道なき道を何の頼りもなく
己だけの確信だけで突き進むことです。
僕もちょこちょこやっていたのですが
いやー大変ですよ(笑)
だって
取り掛かっている問題には、答えがないんだもん。
答えは自分が作るのです。
で、その答えも確実なものではないし、
大概の場合、間違っていることのほうが多いし、
どうにか出せた結論でも
世に出る前に、お偉い方々の前での査問があり
そこでバッサリいかれたら
また、1に戻ります。
研究者というのは
その何度も心折れて、打ちひしがれていく作業を繰り返し
なにくそと思いながら、
自分の立てた仮説を立証することに
人生の多くを費やしていきます。
その繰り返しの中で
見つけた宝物みたいなものが
業績と呼ばれるものです。
若くして
一生食っていけるような業績を見つけるというのは
才能ももちろんあるかもしれませんが
努力に裏打ちされた運というのも多大にあると思います。
努力して、準備をしまくって
己のぶれない意思を持ち続けたものにしか
幸運はやってきません。
そんなことを研究を通じて
課題を実証する方法論を組み立てるということよりも
学んだような気がします。
で、だ。
今、受験に当たっている人々がたくさんおられますが
こんな生活をしていた僕からすると
答えのある問題を解いて、一喜一憂しているぐらいでは
まだまだ甘いのだよ
答えのある問題を解いて、何が楽しい、そして何が辛いのだと
捜せば、答えが出る問題で心を乱されるなと
そんな問題で一喜一憂して
自分はどうしようもないやつなんだ とか
自分は全知全能なんだ とかいって
心と向き合う問題をやっているわけでもない
単純に試験なんだと
その先にある自分の未来や希望を見据えるための試験に過ぎないんだと
その試験の結果がどうあれ
お前の価値はソコで決定されるわけではないのだよ
と
思い切り上から目線でドヤ顔で言いたい
ま、僕も研究からはフェードアウトしていった身なので
なんともいわれませんが。
と、まぁ
このニュースを聞いてそう思ったのです
頑張りましょう、受験。