メイおばさんの料理帖

「メイおばさんの宝箱」からはみ出してしまった料理や食べ物や食文化のお話を世界のいろいろな場所から楽しくお届けします。

77枚の葡萄の葉

2016-07-31 09:52:10 | ギリシャ
これ、いったい何だと思います?


ちょっと接近してみますね。


そう、葉っぱです。
虫食い穴ひとつあるわけでもなく
美しい、青々とした摘みたての葉っぱです。

こちら側から撮るとちょっと色がくすんで見えますが

惚れ惚れするぐらいに美しい葉っぱです。

この葉っぱ、大きさ別にざくっと分けたものを
大きなジップロックに入れて
わが友が持ってきてくれました。


大きな葉はメイおばさんの手のひらよりもずっと大きく


小さな葉はこんなに可愛らしくて


でもこれ、全部「葡萄の葉」です!


海を眺める友の家の大きな庭の一角にある葡萄の木。
この季節、すでに小さな実をつけ始めた葡萄の木。


先日一緒に庭を歩いていた時に
メイおばさんたらつい呟いてしまったらしいのです(笑)。

「いいなあ、葡萄の木、いいなあ、葡萄の葉!」

友が不思議そうに言いました。

「葡萄の葉っぱなんてどうしていいの?」

そこでメイおばさん、葡萄の葉の名誉のために凛として言いました。

「あのね、この葉っぱを使ってとても美味しいものができるの。
 今度作って持ってきてあげるね。」

もちろんその時、メイおばさんの頭の中にあったのは
まさか生の葡萄の葉っぱではなくて
こんな瓶詰の葉っぱでしたけれど、、、、、


私のぶっとんだ美しい友ときたら
翌日、こんな写真を「LINE」で送ってきたのです。


まるで葡萄の木の下にたたずむギリシャ神話の女神です(笑)。

さて大小取り交ぜて届いた葉っぱを数えてみたら
なんとラッキーダブルセブンの77枚!

メイおばさん、友のために、お客のために
夫のために、自分のために
これからどんどんこの葉っぱを使って
こんな料理を作ります。


ギリシャ料理のドルマデスです。
日本でもちょっとした輸入品のスーパーで
グルグル巻かれた瓶詰の葉が買えます。

レシピは次回にご紹介しますね。

それにしても、生の葉っぱから作るのは初体験のメイおばさんです。
まずは茹でるところから始めなければ、、、、、
ちょっとドキドキ。

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IT時代のパクチーサラダ

2016-07-30 11:40:45 | レシピ
「どうにも時間のない時や
どうにもやる気のない時は
時々これに逃げ込みます。」

ここまでの3行、実は昨日と全く同じ出だしです。
なぜって、もうひとつの逃げ込み方があるんですもの(笑)。
なにかと言えば、、、、、

今や、家族や友人たちがどこにいても
LINEでリアルタイムに会話ができるようになりました。
テレビ電話(古い言い方!!)だって無料です。

折も折、ちょうど「やる気のない時」に
こんなLINEが娘から入りました。

娘には内緒で映像付きで公開します。


iPad miniの画面をカメラで撮るという時代遅れの方法ですから
だいぶ粗い写真ですが(笑)。

*ママ、最近よく作るパクチーのサラダがとても簡単で美味しいの
 そちらでもできるから作ってみて

 
 パクチー
 アボカド
 湯むきトマト
 ライム
 オリーブオイル
 岩塩

 この前はササミも入れた
 ●●が何回もおかわりしてた

*下はササミもトマトも入ってないバージョン
 ごま油と醤油で
 やはりエスニックにライムが入った方が美味しい


これを受けてメイおばさん
そうだ「これにしよう!ちょうどパクチーたくさんあるし」

と、いきなり料理モードに切り替わったのです。
そして「進行中の忠実な母」と題して
まさしく進行中の写真を送りました。


すると届いたのがこれ(笑)。


調子に乗った母はできあがった作品の写真を送りました。


でも明らかに娘のものとはちょっと違います。
なんだかやけに水っぽい(涙)。

でもたしかに、とてもおいしかったのです。
たっぷりのパクチーとアボカドとトマトとライムなんて
思いもつかない組み合わせでした。

もちろんすぐにメッセージを送りました。

「このサラダ美味しい!」

そしてシアトルの夕飯のテーブルの写真を
16時間も先に進んでいる日本に届けました。


気付けば
こんなことが普通にできる時代になりました。
どこにいても繋がっていられるなんてすごいこと。
写真付きでメニューのやり取りができるなんてねえ。

もしパクチーがお嫌いでなければ
ぜひ一度お試しください!

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時間がない時のお助けメニュー~ズッキーニのピザ

2016-07-29 05:19:35 | レシピ
どうにも時間のない時や
どうにもやる気のない時は
時々これに逃げ込みます。


逃げ込みメニューの割にはなかなかきれいでしょう?
ズッキーニとフェタチーズのピザです。

といっても今回はあまりに急いでいて
冷凍のピザクラストを見つける時間もなくて
手軽に買えるトルティーヤです。

けれどもやっぱり薄すぎて、、、、
やっぱりトルティーヤ独特の香りが邪魔をして、、、、

でも仕方ありません。
いつもはしっかり厚いピザクラストの上に載せて
オーブンで軽く焦げ目がつくぐらいに焼きますが


今回はフライパンに並べて蓋をして
弱火で焼いちゃいました。
どこまでも「お急ぎバージョン手抜き編」です(笑)。

ひっくり返すわけにもいきませんから
焦げ色もつきません。

二人で6つ。
でもよく見てくださいな。
左側奥の二列はちょっと様子が違うでしょう?


こちらがベーシック。

焼き上がりはこんな風。


生地にオリーブオイルをぬって
ニンニクのみじん切りをパラパラと置いたうえに
砕いたフェタチーズをたっぷり敷いて
薄切りのズッキーニで覆います。

そしてこちらが変化球。

ズッキーニを置いた上からパルメジャーノを散らしました。

焼き上がりは左を見てくださいね。


きちんとピザクラストを使う場合の目安は
230度のオーブンで20分です。

なにしろ時間がなかったもので
相棒も胡瓜と紫キャベツを切って
寿司酢とオリーブオイルで和えて茹で卵を散らしただけのサラダと


夫が買ってきたチーズと
揚げるだけの冷凍フライドオニオン。

奥の方の右側だって超手抜き。

グリーンアスパラを薄切り牛肉で巻いて
ころころフライパンで焼きました。

左側にちょこっと顔を見せているのは
実はなかなか手がかかったフランスの田舎のスープ
前日の残りの「ピストゥースープ」です。

こちらもまたあらためてご紹介いたします。
いっけん野菜にゅう麺のようなスープですが
実は実は、、、、、
なんのなんの、、、、

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オメガウゼリ~Ωで人生の集大成

2016-07-28 08:57:27 | シアトルレストラン
昨日お話ししたギリシャレストラン「Omega Ouzeri」について少しだけ。


実はこのレストラン、由緒ある古い歴史などまるでなく
開店したのは昨年の夏でした。

それなのにいきなり
6月5日付けの「The Seattle Times」で
こんなに大きく紹介されちゃったのです。

どうして行かずにおられましょう。

歩いたって行ける距離ですし
しかも新聞にはこんな面白い裏話が書かれていたりもしたのです。
ちょっと長くなりますが、こんな人生もあるもんだと
読んでみてくださいな。

「ギリシャ生まれのトマス・スカコスのキャリアの始まりは17歳、ギリシャのピレウス港を出るクルーズ船だった。船を下り、しばらくロサンゼルスに滞在した後に、友達のいるシアトルを訪れた。そこで妻となる女性と出会い、最初のレストランを開くことになる。1994年のことだ。それからさらに14年後に開いた『Vios Café』が大人気となり、第二店舗、第三店舗を開店することになった。

スカコスの道はそこでは終わらない。その先に続いていたのが、開放的な二階建てレストラン『Omega Ouzeri』だった。『Ouzeri』(ギリシャの酒ウーゾを飲ませる場所)という名の通り、ウーゾやワインの品揃えは豊富だ。オリーブオイルはもちろんギリシャのコロネイキ種のエキストラバージンだ。

『もちろん全ての食材が良い物でなくてはならないけれど、とりわけオリーブオイルと蜂蜜には気を使うよ。なぜなら私自身がそれらをこよなく愛しているからね。』

と、スカコスは言う。

『オリーブオイル、蜂蜜、レモン、ガーリック、オレガノ、ミント、シナモン、ディル、、、これらはこのレストランのメニューの柱だ。』

とも語る。

『Omega Ouzeri』という名は、ギリシャのアルファベットの最後のΩ(オメガ)から来ている。これまでのスカコスの経験の集大成だという意気込みがあるからだ。

青と白に彩られた清潔で爽やかな店のデザインは、スカコスが今なお毎年帰るという故郷ギリシャのデザイナーによる現代風なものだ。開け放たれた窓のすぐ向こうを通行人が通り、初夏の風が店内に吹き渡る。


壁には、ギリシャの生んだ偉大な詩人カヴァフィスの詩『Ithaka』が刻まれている。『人生の旅で大事なのは目的地ではなくその途中で得られる経験だ。』という詩である。」


この詩は偶然にも
メイおばさんが大好きなものでした。
今でもある部分は暗唱できます。

ブズーキが奏でるギリシャ音楽が流れているわけでもありませんし
ギリシャ語が聞こえてくるわけでもありませんが
時折りふと行きたくなる場所です。


Omega Ouzeri
1529 14th Ave. ,Seattle
       
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シアトルの洗練されすぎたギリシャレストラン@オメガウゼリ

2016-07-27 08:22:49 | レストラン
昨日のギリシャ料理「スパナコピタ」(ほうれん草のパイ)に続いて
今日もまたギリシャ料理について
ちょっとだけおしゃべりさせてくださいな。

今住んでいるシアトルの家から歩いて行ける所に
とんでもないギリシャ料理の店があります。


どうとんでもないかと言えば
いちおうオーナーはギリシャ人なのですが
ウェイターもウェイトレスも一見ギリシャ人に見えても
ギリシャ語を話せません。

そしてとにかく洗練されすぎているのです。
ワインリストにはギリシャ各地の名ワインがずらりと並んでいます。
そのお値段たるや、、、、(涙)

迷ったあげくに70ドルのサントリニの白を頼めば
こんな風に冷やした器ごと運ばれて

きちんとホストテイスティングから始まりますし。

お料理と来たらもうただただ驚くばかり。
元々のギリシャ料理の原型を見事に飛び越えてしまった
お洒落すぎるプレゼンです。

ちょ、ちょっと待って、これ本当に「メリツァノサラタ」(茄子のサラダ)?


これ本当に「フタポーディ」(蛸)で


これ本当に「シカ」(いちじく)で


まさか、これってあの「コロキダキアティガニテス」(ズッキーニのフライ)?


そのほかだってこんな風。


そんな驚きの連続です。

一言で言って洗練されすぎていて
良くも悪くもギリシャ料理のヌーボーです。

それがシアトルっ子たちに受けたのか
お店はいつもいっぱいで、予約をしないとなかなか席がありません。
お値段だってけっこう強気なんですが、、、、

1年前に開店して以来
今や大繁盛のこのギリシャレストラン。
その開店に至るまでのストーリーもまた面白くて。

お店の名前は「OMEGA OUZERI」。
そんな名前の由来も含めて
ぜひまた明日語らせてくださいな。

読んでくださってありがとうございました。
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所変わればスパナコピタも

2016-07-26 07:07:08 | ギリシャ料理
これはワシントンDCの食卓です。
長方形のスパナコピタがのっています。


こちらは東京の食卓です。
こんな台で焼き上げた

まあるいスパナコピタがのっています。


そしてこれがつい一昨日、土曜日のシアトルの食卓です。
なんだかいつもとはだいぶ雰囲気のちがうスパナコピタがのっています(笑)。


これには深~いわけがあります。

説明(言い訳)その1は
弟子入りした可愛らしい助手にまかせてみました。
メイおばさんは口をはさむだけにして。

説明(言い訳)その2は
なぜかQFCという近所のスーパーにいつもの薄い冷凍パイ生地がありませんでした。
仕方なく買ってきたのは、いくら伸ばしてもやたら分厚いパイ生地です。

説明(言い訳)その3は
唯一の丸いパイ皿がキーライムパイが入ったままお蔵入り、いえ冷凍庫入りしていましたものですから
仕方なく正方形の耐熱容器を使いました。

そんな難問を前に
彼女(名前を仮にワッシーとしましょうか)がせっせと働きます。

ワッシーはギリシャ料理を作ってみたいという博士課程の大学院生です。
アメリカにわたって10年、ネイティブ並みの英語を話しますが
祖国は中国です。

パイシートを麺棒で延ばし
1枚下に敷いてフィリングを入れたら


もう一枚でカバーをします。


丁寧にふちを折り込むところも
余ったパイシートで桜の花を作って飾ってしまうところも
たいしたものです。


いつもに比べたらだいぶ分厚い仕上がりになりましたけれど
これはワッシーの技量外ですからね(笑)。


ところで先ほどから再三出てくる「スパナコピタ」とは
「Spinach Pie」(ほうれん草のパイ)のギリシャ名です。
フェタと呼ばれる真っ白い山羊のチーズと小口ネギ
そしてたっぷりのほうれん草で作ります。



簡単で美味しくて、家族も大好きなものですから
メイおばさん、どこにいようがせっせと作っています。
丸くなったり四角くなったりはしますけれど(笑)。

ギリシャでは「フィロ」と呼ばれる薄い薄いパイシートを
何枚も重ねて作ります。

アメリカでもスーパーによっては冷凍食品コーナーに「フィロ」を置いている所もあるのですが

あまりに薄すぎて(フィロとはそういものなんですが)
解凍する時にパリパリと崩れ、何度も痛い目にあったものですから
メイおばさん、パイシートを買ってなるべく薄く延ばして使います。

日本ではこんな輸入物のフェタチーズを買います。
けっこうなお値段ですが仕方ありません。


アメリカでは、フェタはスーパーの棚に透明のプラスチックケースに入って売られています。
クランブル(砕いた)タイプのものと、四角くお豆腐のようなタイプがあります。
どちらも目方によって値札がつけられています。
いずれにしても日本よりはずっとお安くて助かります。

ちなみに
クランブルタイプはフェタのように熱を加えるお料理に使うには便利です。
四角いタイプはこんなギリシャ風サラダに最適です。


「スパナコピタ」(フェタとほうれん草のパイ)の作り方を書いておきますね。
材料
*冷凍パイシート 2枚
*ほうれん草 1束
*フェタチーズ これ全部、あるいは200グラムぐらい
*小口ネギ 5~6本
*卵 3個
*パセリ 半房
*オリーブオイル 1カップ
*ディル、胡椒 適宜

1. ほうれん草を洗って細かく切り、大匙1杯の塩をふりかけて手で揉んで1時間ほどおきます。

2. ほうれん草の水気をよく絞り、オリーブオイル1カップ、砕いたフェタチーズ、小口ネギの輪切り、溶き卵、パセリのみじん切り、ディル少々、胡椒を加えます。

3. 耐熱皿にうすく油を塗って、延ばした冷凍のパイシートを底から側面へと敷き詰めます。

4. 敷いたシートにフォークで何か所か穴を空けておきます。

5. 2を流し込みます。

6. もう一枚のパイシートを延ばして蓋をします。卵黄をぬるときれいに仕上がります。

7. 十時に切り込みを入れ、170度のオーブンで45分焼きます。

こんな風にできればサイコーです!


冷えた白ワインと一緒に真夏の午後にいかがでしょう。

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食べ物で遊んではいけません?~サラダあれこれ

2016-07-24 07:11:45 | 食材
最近、サラダで遊んでいます。

シンプルなレタスサラダにトマトをドレッシングにしてみたり


紫キャベツとリンゴを組み合わせてみたり


その翌日には残った紫キャベツとリンゴのサラダに
大根の薄切りを合わせてまわりをレタスで囲んでみたりして

ドレッシングは味噌ベース。

こちらはパスタではありませんよ、サラダです。


大根とラディッシュと卵焼きを細切りにしました。
大根なんかただの細切りではなくて、「長~い細切り」(笑)。
そして細切りにできない枝豆を加えました。


そしてこちらがつい昨日の夕食です。
これがまあ、単なる思い付きでやってみただけなのですが
売れ行き上々の大当たり(笑)。


コーンを茹でて、ピーラーで粒を板状に削いでみました。


ほら、こんな風になりました。

これをサニーレタスの上に置いて



ドレッシングは二種類です。
左はオリーブオイルベースの何となくイタリアン。
右は味噌ベース何となくジャパニーズ。

コーンの甘さがとてもいい具合になじんでくれるのです。

手前にどっしりと存在感を発揮しているのは
初挑戦してみたフランス南西部の田舎料理
夫の大好物「カスレ」です。

カスレとは何種類かのお肉と白いんげん豆の煮込み料理。
この、けっこう面倒くさいカスレをできるだけ簡単に作ってみました。
これについてもぜひまた書かせてくださいね。

こんな風に遊んでいたら
子どもの頃の食卓のように
亡くなった母が出てきてまた怒られそう。

「メイ、食べ物で遊んではいけません!!」

いえいえ、お母さん
これは実は遊びではなくて
研究あるいは実験なのですよ(笑)。

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不思議なものです、人生って@Cheesecake Factory

2016-07-23 09:02:29 | レストラン
パイクプレースマーケットに買い物に行って
前を通っても一人で入るのは気後れして
いつも素通りをしてきたのに
先日、なぜかドアを押してしまった目貫通りの大きなレストラン。


高い天井の店内にはバーカウンターまであります。


そして今や50種類以上のチーズケーキとデザートのほかにも
200もの食事メニューを展開しています。

つまり
決して女子やお子様向けとは限らずに
「大人」だって十分に居心地のよい場所、よいメニュー。

その名は「Cheesecake Factory」(チーズケーキファクトリー)。
今では全米に185店もあるという大企業!

ちょっとその歴史をたどってみれば
発端は1940年代、イブリンという一人の主婦が
デトロイトで作り始めたチーズケーキでした。

二人の子供たちを育てながらの母親は
お店を持つ夢はあきらめて
自宅のキッチンで作ったチーズケーキを
町のレストランにせっせと届けました。


それから月日が流れて
子どもたちも巣立った1972年のこと
ロサンゼルスに引っ越しをしたイブリン夫妻は
もう一度、夢を実現させるために働き始めます。

そして「The Cheesecake Factory Bakery」という小さな店を
開くことになりました。

イブリンの作るチーズケーキはいつしか20種類を超えて
評判は評判を呼んで
1978年には息子のデビッドがレストランを開いて
母のチーズケーキをショーケースに置くようになりました。

それが「The Cheesecake Factory」の記念すべき第一号店。
場所はカリフォルニアのビバリーヒルズです。

今では全米185店舗を含む200店もが世界にあり
数々の賞を受賞するまでになりました。

昨年だけでも
「Fortune “100 Best Companies To Work」など3つを受賞しています。

まずはチーズケーキの写真をご覧になります?

オリジナルチーズケーキ


フレッシュストロベリーチーズケーキ


チョコレートヘーゼルナッツチーズケーキ


ソルテッドクリームチーズケーキ


ずしりと大きいケーキです。
メイおばさんはどう頑張ったって一人では食べきれません。
加えて年々、甘いものが苦手になってきましたから
お一人様ランチはチーズケーキなしの
こんなプレートランチです。


ところがこれが侮るなかれ!

フレッシュターキーサラダサンドイッチ
または、チキンアーモンドサラダサンドイッチのどちらかを選びます。
これにスープとサラダが添えられてきます。


メイおばさん、チキンの方を選んで
静かに大人の雰囲気の中で本を読みながら
白ワインと共に待っている間に
すっかり大人の気分になりました(笑)。


「あれ、ここってどこだったっけ。
 えっ、うそ~っ、チーズケーキのお店?」的に(笑)。

高得点のランチプレートでした。
スープもサンドイッチもきちんと作られています。

とてもおいしく、幸せにいただきました。

サンドイッチプレートのほかにも
ピザもステーキもシーフードもあります。

実はこの「Cheesecake Factory」は
メイおばさんの思い出の店です。

昔々その昔
カナダの高校に留学をすることになった10代半ばの娘と一緒に
シアトルのことなど何一つ知らないというのに
カナダ側からフェリーに乗って
この町まで寮生活に必要な品々の買い出しに来ました。

その時に二人で「Cheesecake Factory」で
大きなチーズケーキを半分ずつ食べました。
そして不安でいっぱいの未来に一生懸命希望を持とうとしました。

宿泊していたホテルは「Crown Plaza」
なんとこの家からもすぐのところです。

人生なんてわからないものです。
あの頃は、まさか将来の自分がこの町に住んで
「Crown Plaza」の前を通って「Cheesecake Factory」に行き
ひとりランチをするなんて

いったいどうして想像できたでしょうか。

不思議なものです、人生って。
おもしろいものです、人生って。

ちなみにこのサンドイッチプレートはタックス込みで13ドル10セントです。

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GALAディナーの舞台裏

2016-07-21 07:40:02 | パーティー
オークションに出された初めての「GALAディナー」については
これでとりあえずお開きにすることにして、、、、

今日は、苦労した「先付け」と
ここシアトルでも買えるお寿司と天ぷらのネタのことを少しだけ。

いちおう恰好をつけなければ、とメイおばさん
日本食の本を片手に「先付け」なるものについて悶々と考えました。

イメージとしては
日本から運んできた丸い朱色の漆器のお皿に
優雅に三品ぐらいを載せたかったのですけれど。

そして、考えられるものをこんな風にリストにしたのですけれど

迷ったり欲が出たりで

「え~い、一品増やしちゃえ~!」

ということで

*のし鶏
*きゅうりとワカメの三倍酢(ついでに枝豆も加えてシラスをトッピングしてしまいましたけれど)
*豆腐の味噌田楽(なんとなく串を使ってみたかったんです。)
*ひじきの白和え

の4品に決めました。

けれども後になって気づいたら、これってたぶんルール違反。
和のお皿や椀のセットが
洋式の6組と違って5組であるように
日本は奇数の文化です。

3種類で止めておくか
もうひと頑張りして5種類にしなければいけなかったんですよね。

今さら言っても遅いのですが
料理本をひっくり返してみたら
たしかにこんな説明がありました。

「先付けとは初めに出る酒の肴。季節感、色彩、器にも気を配り、見て楽しい盛り付けで目を引き付けます。また、一口大の料理を三種あるいは五種盛り付けることもあり、『先八寸』とも呼ばれます。」

済んだことは仕方がないとして、、、、、
失敗は次への教訓にすることとして、、、、、

まあ、それでもお出ししてよかったと思います。
みなさん、小さなオードブルを喜んでくださいましたし
まあまあ、それなりに日本的でしたし(I hope!)。

(かなりボケボケ。ごめんなさい。)

続いて「こんな食材ならシアトルのUWAJIMAYAスーパーで手に入ります。」情報にまいります。
ワシントンDCでは絶対に無理ですが。

今回お寿司用に用意したのは

まぐろ、サーモン、鯛、イカ、エビ、いくら、たらこ、蟹
柴漬け、梅干しペースト、わさび、ヤマゴボウ、かんぴょう、お揚げ
きゅうり、大葉、貝割れ、長芋、すし米、すし酢、手巻きのり

天婦羅用に用意したのは

人参、玉ねぎ、ごぼう、ズッキーニ、絹さや、サツマイモ、蓮根、茄子、コーン、海老

「手巻きずし」も「天婦羅」も
前もって煮たり焼いたりができませんから
その分、覚悟を決めればある意味楽ちん。

お客様が来る直前に手巻き寿司の材料をお皿にきれいに並べて
天婦羅の材料をきざんだり切ったりし、水につけたりして
スタンバイさせておくだけでいいのですから。


最近ではこの

「は~い、自分で好きなものを巻いてMy Sushiを作ってくださいね~。
 どんな組み合わせもありですよ~。
 今からみなさんはアーティスト。」

的な手巻き寿司は
我が家のゲストディナーでも定番の人気アイテムとなりました。

天婦羅はもうとうの昔から、まず皆さま大喜びなさいます。
メイおばさん、これまで世界のいくつのキッチンでひたすら揚げてきたことか、、、、、

時には

「天婦羅は揚げたてを召し上がっていただきたいので、ちょっと中座します。」

と席を立ったメイおばさんの後をお客様がゾロゾロとついてきて
周りをとりかこんで「オー!」とか「ワオー!」とか言いながら
観劇しながら感激してくれたり(笑)。

こんな簡単なもの、とは思うものの
やっぱりこれもまた箸文化だからこそできることなのでしょうかねえ。


とにかく大役が無事に済み


反動で翌日からはフランス料理(もどき)やら
イタリア料理(もどき)やらばかりを作っているメイおばさんです(笑)。

そうそうメインテーブルに移る前のソファーコーナーでは
定番の生野菜のスティック、味噌ディップ添えにしましたよ。


西京味噌が手に入らなければ、味噌に味醂を加えて火の上で練ります。
メイおばさんは、火を止めたあとにオリーブオイルを少々加えています。


今回は桜の木で作ったこんな箱型の器に入れてみました。
一言で言えば、馬子にも衣装!!(笑)


読んでくださってありがとうございました。
ランキングの方もどうぞよろしくお願いいたします。
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初めてのGALAディナー@シアトル

2016-07-19 22:42:18 | パーティー

昨日の続きを少しばかりお話しさせてくださいね。
心がほっこり暖かくなることなんですもの。

今思えば、始まりは今年の2月初め
シリン&ヌア夫妻をディナーにお招きした時でした。

アメリカで暮らしてもう幾星霜のお二人は
国際機関で仕事をしていたインド人のカップルです。
そしてこのシアトルの町ではちょっとした顔役です(笑)。

もうとうに70代後半だと思われるのに
教育機関や医療機関や政府関係の理事やらアドバイザーなどをしながら
あちこちを飛び回っては世のため、人のために尽くしています。
そして

「メイ、私、来週は入院して手術やってるから、連絡とれなくても心配しないでよ。」 

などとケロッとおっしゃいます。

元々は私たちのワシントンDCの親友夫妻の友人でした。
気付いてみたら、すっかり彼らのバイタリティーに魅了されていました。

そんなお二人をディナーにお招きして
楽しい時間を過ごした後に、シリンがこんなことを言いました。

「あなたたち、今晩と全く同じディナーをやってもらえないかしら?」

一瞬なんのことだかわからずにポカンとしている我々に、シリンが説明します。

「今日は素晴らしい時間だった。
 料理は本当に美味しかったし、この家のこの眺めはめったにあるものじゃないし、
 あなた方との話は楽しかった。とにかく私たち大満足なの。」

ここまで聞いたってまだ意味がわかりません。

「これと同じものをね、チャリティーオークションに出してもらいたいの。」

ここまで来てようやく、おぼろげながらシリンの言うことがわかってきました。
彼らはシアトルにある大きな医療機関の理事をやっているのです。
そしてそこでは年に一度、5月に「GALA」をやって
寄付金を集めるそうなのです。

「GALA」(ガラ)と聞けばすぐに思うのは
コンサートやバレーなどのガラ(特別公演)のことですけれど
本来は「特別な催し」「社交界のお祭」などを意味するフランス語。

シアトルで行われているこのガラは
誰かが寄付したものに対してオークションが行われ
最高値を出した誰かがその権利を手にするというもの。

寄付は形のあるものとは限りません。
たとえば名の知れたシンガーが、誰かの家で出前コンサートをやってくれるとか
島にある誰かの別荘を1週間勝手に使わせてくれるとか、、、、、

そんな形のないものに興味ある人たちが値をつけて
期間内に最高値をつけた人にその権利がわたるのです。
もちろん彼らが買った金額はそのまま社会への寄付となります。
つまり二つの寄付から成り立つシステムです。

なんとシリン夫妻は
我が家での日本ディナーを寄付させてしまいました。

けれども、それはそのまま
彼らがどんなに我が家でのディナーを楽しんでくれたかの裏返し。
なんて嬉しいことでしょう。

とはいえ日本料理なんて、メイおばさんは自信がありません。
とまどっているとシリンが言いました。

「素晴らしいシェフが作る日本料理ならこの町にだって
レストランがいくらでもあるでしょ?
そうじゃないの、今日あなたが作ってくれたような
プロでも何でもないふつうの人が、ふつうに作る家庭料理がいいの。」

そこまで言われたらメイおばさんもメイおじさんも
どうしてNOが言えましょう。
しかもそれが少しでも社会の役に立つならば。

それが今年の「GALA」のこんな案内になりました。

「Authentic Japanese Multi-Course Dinner
 For Four with Friends of Evergreen Health」

気恥ずかしいので和訳は避けますが
結論から言えば
東から西までを羨望する丘の上の30階の我が家で
召しあがっていただく日本食のコースディナーがオークションに出されたのです。

その仕組みと価格についてはまた明日に譲りますけれど
さりげなくこうしたチャリティー、こうした寄付の形があるなんて
さすがに寄付文化のシアトルです。

さてさて、とまどうメイおばさん
「このままでいいのよ。」とシリンに言われたって
「ありの~ままで~」と歌うわけにもいきません(笑)。

ここに至るまでの3か月、一生懸命考えましたよ。
テーブルのこと、器のこと、料理のこと、BGMのことまで、、、、、

そして結局、最初のシリンの言葉を胸に刻んで
背伸びをしないことにしました。

「あなたたち、今晩と全く同じディナーをやってもらえないかしら?」

実は、背伸びをして初めてトライしたものもあるんですが(笑)。
たとえば「Appetizer」(先付け)のあたり。
それについてもまたご報告しますね。


ところでこれが
オークションで最高値を出したご夫妻がお持ちになった「証明書」です。


皆さまがよく笑い、よくしゃべり、よく食べては
楽しんでくださった嬉しい夜でした。