メイおばさんの料理帖

「メイおばさんの宝箱」からはみ出してしまった料理や食べ物や食文化のお話を世界のいろいろな場所から楽しくお届けします。

オメガウゼリ~Ωで人生の集大成

2016-07-28 08:57:27 | シアトルレストラン
昨日お話ししたギリシャレストラン「Omega Ouzeri」について少しだけ。


実はこのレストラン、由緒ある古い歴史などまるでなく
開店したのは昨年の夏でした。

それなのにいきなり
6月5日付けの「The Seattle Times」で
こんなに大きく紹介されちゃったのです。

どうして行かずにおられましょう。

歩いたって行ける距離ですし
しかも新聞にはこんな面白い裏話が書かれていたりもしたのです。
ちょっと長くなりますが、こんな人生もあるもんだと
読んでみてくださいな。

「ギリシャ生まれのトマス・スカコスのキャリアの始まりは17歳、ギリシャのピレウス港を出るクルーズ船だった。船を下り、しばらくロサンゼルスに滞在した後に、友達のいるシアトルを訪れた。そこで妻となる女性と出会い、最初のレストランを開くことになる。1994年のことだ。それからさらに14年後に開いた『Vios Café』が大人気となり、第二店舗、第三店舗を開店することになった。

スカコスの道はそこでは終わらない。その先に続いていたのが、開放的な二階建てレストラン『Omega Ouzeri』だった。『Ouzeri』(ギリシャの酒ウーゾを飲ませる場所)という名の通り、ウーゾやワインの品揃えは豊富だ。オリーブオイルはもちろんギリシャのコロネイキ種のエキストラバージンだ。

『もちろん全ての食材が良い物でなくてはならないけれど、とりわけオリーブオイルと蜂蜜には気を使うよ。なぜなら私自身がそれらをこよなく愛しているからね。』

と、スカコスは言う。

『オリーブオイル、蜂蜜、レモン、ガーリック、オレガノ、ミント、シナモン、ディル、、、これらはこのレストランのメニューの柱だ。』

とも語る。

『Omega Ouzeri』という名は、ギリシャのアルファベットの最後のΩ(オメガ)から来ている。これまでのスカコスの経験の集大成だという意気込みがあるからだ。

青と白に彩られた清潔で爽やかな店のデザインは、スカコスが今なお毎年帰るという故郷ギリシャのデザイナーによる現代風なものだ。開け放たれた窓のすぐ向こうを通行人が通り、初夏の風が店内に吹き渡る。


壁には、ギリシャの生んだ偉大な詩人カヴァフィスの詩『Ithaka』が刻まれている。『人生の旅で大事なのは目的地ではなくその途中で得られる経験だ。』という詩である。」


この詩は偶然にも
メイおばさんが大好きなものでした。
今でもある部分は暗唱できます。

ブズーキが奏でるギリシャ音楽が流れているわけでもありませんし
ギリシャ語が聞こえてくるわけでもありませんが
時折りふと行きたくなる場所です。


Omega Ouzeri
1529 14th Ave. ,Seattle
       
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