メイおばさんの料理帖

「メイおばさんの宝箱」からはみ出してしまった料理や食べ物や食文化のお話を世界のいろいろな場所から楽しくお届けします。

巴里の空の下 オムレツのにおいは流れる

2017-11-16 23:31:46 | フランス

本棚の隅っこにあったこの小さな本と

なぜか目があってしまって

つい引っ張り出してしまい

つい大きなオムレツを作ってしまうことになりました。

 

1922年に東京で生まれ

この年代の女性にしてはずいぶん画期的なことだと思うのですが

アメリカ留学の後に、今度はフランスに渡り

なんとパリでシャンソン歌手としてデビューしてしまった方

 

2010年にお亡くなりになってしまった素敵な女性

石井好子さんのエッセイ「巴里の空の下 オムレツのにおいは流れる」

の最初に出てくるのがオムレツの作り方なのです。

 

「『今夜はオムレツよ』

 私は調理台の横におあずけをさせられた犬のように座った。台所は一坪もあったかしら。せまくて、細長くて、中庭に向った窓があいて、流しや食器棚や、ガスこんろのおいてある細長いテーブルがある。私たちはいつも、この細長いテーブルの片隅で、食事をするのだった。」

 

こんな書き出しの後に、オムレツについてのページが続きます。

 

「オムレツはうちで出来たてをたべるべきだ。」

「オムレツはコツさえ覚えれば決してむつかしいものではないと私はおもう。」

 

そしておいしくできるオムレツの5つのコツを教えてくれます。

 

1.卵をよくかきまぜること、しかし泡がたつほどかきまぜすぎないこと。

2.バタまたは油が熱したところに卵を入れること。

3.火かげんは強めにする。

4.卵を流しこんだら、そのままほっておかず、かきまぜること。

5.焼ききたてを食べさせること。

 

メイおばさん、ついつい読み始めてしまったら

すっかり石井さんの世界にはまってしまって

どうしてもオムレツを作りたくなりました。

 

幸い卵ぐらいはいつだってありますし

バター(石井さんはバタと書いていますが)だってあります。

 

途中で友から電話がかかってきて

「ごめん、今オムレツ作ってるのよ。」

と言ったって電話を切る理由にもならず

ちょっと焦がしてしまったりしながら

それでもふっくらシンプルなオムレツができました。

 

卵4つというのはかなりのボリュームです。

それでも「ケチャップもソースもおしょう油もつけないほうが、おいしい筈である。」

という石井好子さんのお言葉に従って

一生懸命いただきました(笑)。

 

こんなCDでBGMを流しながらの

おひとり様オムレツでしたけれど

心はすっかり巴里の空の下。

気づけばお腹はかなりいっぱい。

そりゃそうですよね、なにしろ卵4個ですから(笑)。

 

石井好子さんのこのエッセイ集

今から50年以上も前に「暮しの手帖社」から発行されたものですが

あの時代の古き良きヨーロッパの雰囲気、食文化

ついでにレシピまでも教えてもらえる

素敵なご本です。

 

著者の石井好子さんは2010年に88歳でお亡くなりになりました。

世界で活躍する女性の先駆けでいらっしゃった

と言っても決して過言ではないでしょう。

お会いしたい方でした。

 

このご本、次の11の章からできています。

 

巴里の空の下オムレツのにおいは流れる

また来てまた見てまた食べました

よく食べよく歌え

外は木枯 内はフウフウ

西部劇とショパンと豆と

紅茶のみのみお菓子をたべて

作る阿呆に食べる阿呆

とまとはむぽてと

フランスの料理学校

わが家族の食い気についての一考察

私のゆくところに料理がある

 

素敵なエッセイ集であり

エレガントな料理本です。

 

読んでくださってありがとうございました。

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パリのディズニーランドで何食べる?

2016-10-21 05:58:45 | フランス

月曜日の朝10時14分にロンドンの「St Pancras」駅を発車した

ユーロスター9074便は

途中ドーバー海峡の海中トンネルを時速130キロで通り抜けて

約3時間後には終点のパリに到着しました。

 

パリと言ったって、そんじょそこらのパリではなくて(笑)

駅名は「Disneyland Paris」なんです。

つまり、この駅、降りたところがディズニーランド。

 

ロンドンから運んだスーツケースは

黙っていても宿泊するホテルの部屋に運び入れておいてくれますから

降り立った客はそのまま身軽にディズニーランド時間を始められるのです。

 

メイおばさん、本音を言えば「ディズニーランド大好き!」とは

言い難いのですが、やっぱりほら、長い人生、生きていれば

いろいろとしがらみもありまして(笑)

3日間もの間たっぷりと「ディズニーランド」で過ごさねばならなくなったのです。

 

ようやっと3日目を終えて

昨日、水曜日の「ディズニーランド」駅18時2分発のユーロスターで

ロンドンにすんなりスマートに帰るはずが、、、、

 

不審な乗客がいたとかでユーロスターが出るのが1時間遅れ

着いた先のロンドン駅ではイミグレーションでやたらと調べられ

 

おまけに

パリとロンドンの間では1時間の時差があるもんですから

くたくたに疲れてほとんど真夜中に帰り着きましたよ(涙)。

 

指折り数えてみれば

 

水曜日の昼食、夕食

木曜日の朝食、昼食、夕食

金曜日の朝食、昼食、夕食

 

と、8回も「貴重な食体験」ができたはずでしたが、、、、、

しかも、それを意気揚々とご報告するはずだったのですが、、、、、

 

8回とも外れました。

 

とにかく値段ばかりが信じられない「ディズニープライス」

お味の方は、「冗談でしょ?」といたくなるぐらいの「ディズニーテイスト」(笑)。

写真を撮る気も萎えました。

小さなペットボトルの水が3.95ユーロ(約450円)ですし

空腹に耐えかねて買ってしまった丸太のようなフィッシュバーガーは9ユーロ(1023円)

 

ミッキーやらミニーやらがテーブルの間をまわってくれる

キャラクターブレックファーストは38ユーロ(4300円)

これが夕食になれば130ユーロ(1万5千円)です!!

 

それでも頬っぺたが落ちるほど美味しいのならまだいいとして

決して、決してそうではないのです。

 

まあ、ディズニーランドそのものが虚構の世界ですから

物の値段も虚構なのかもしれませんけれど(笑)

それにしたって「ホスピタリティー」なんて言葉はどこへやら。

 

ここはヨーロッパにあるたったひとつの「ディズニーランド」です。

周りから聞こえてくるのは

フランス語だけではなく、英語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ギリシャ語、、、、、、、、

 

ヨーロッパのあちこちから「ひと時の夢」を求めて集まってくる人たちのために、ヨーロッパそれぞれの国のこれぞ!という食べ物を

誰でも気楽に楽しめるお値段で提供する「「European Hospitality」

あるいは「European Gastronomy」があったっていいと思うのですけれど、、、、、、、、

 

それがまた「ヨーロッパのディズニーランド」の魅力になると思うのですが、、、、、、

 

などとブツブツつぶやく本日のメイおばさんでございます。


満月のタルティフレッテ

2016-08-19 08:02:20 | フランス
昨夜は素晴らしい満月でした。
もっとも満月はいつだって素晴らしいのですけれど
それでもいつもお天気に恵まれるとは限りません。
雨が降ることもあれば、霧にかすむこともあります。

同じ月なのになぜか大きく見えることもあったりするのは
見る側の心が映るからでしょうか。

そんな昨夜の満月の食卓は
別にお月見弁当でも、月見蕎麦でもなく
まったくお月様とは関係のないこの料理「TARTIFLETTE」(タルティフレッテ)。
古くから伝わるフランスのオーブン料理です。

なんて知った顔をして言っても
メイおばさんにとっても初体験。

春のボルドーで買ってきたこの料理本の中から選んでみました。


だって前の日の残りの茹でじゃがいもを使ってしまいたかったし
けっこう簡単にできそうだし
おいしそうだし、、、、、


1. 塩を一振りした水に皮を剥いたジャガイモを入れて沸騰したら約20分(と言ったってジャガイモの大きさによって違いますよねえ。ようするに串が通るぐらいになるまで)茹でて水気を切り、冷めてから厚切りにしておきます。

2. ベーコンを刻んでフライパンでよく炒めます。
炒めたベーコンはキッチンタオルに移してぎゅっと抑えて油を切っておきます。

3. 同じフライパンに油(メイおばさんはいつでもオリーブオイル)を引いて玉ねぎを炒めます。

4. Reblochonチーズを角切りにします。このソフトタイプのウォッシュチーズ、そうそうは見つかりませんから

メイおばさんはたまたま冷蔵庫にあったチェダーチーズで代用しました。その結果かなり色づいちゃいましたけれど(笑)。

5. 耐熱皿の底にまずはガーリックをすりつけて香りをつけます。その上にジャガイモ、玉ねぎ、ベーコンの順に重ねていって、また余ったジャガイモをのせた上から胡椒をふった生クリームをまわしかけ、最後にチーズをのせて、白ワインをジャブっとかけて、440度F(220~230度C)で20分から25分焼けばできあがり!!!


8時半開始の夕食が進むのと共に、お月様が上がって行きます。


黄色いのはトウモロコシです(笑)。
お月様のかけらではありません。


地球が回り、月が動き、時が流れ
テーブルの向こうの風景が変わって行きます。


私たちはいつどこにいようと、たとえレストランでも
向かい合ってすわらずに、隣り合ってすわります。
お互いの顔を見るよりは
一緒に同じ物を見ていたいからです。

分量の目安を書いておきますね。

ジャガイモ 800グラム
スモークベーコン 200グラム
玉ねぎ 2個
油 大匙1杯
チーズ 上を覆うぐらい (正式にはReblochonチーズを1個)
ニンニク 1片
生クリーム 大匙2杯
白ワイン 150cc
塩、胡椒

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いつもありがとうございます!
どうぞ良い一日を!
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買う男子 祈る男子@ボルドー

2016-05-21 23:12:42 | フランス
たとえ旅の空の下であっても市場に行くのが大好きです。

「ああ、あの海老買いたい!」
「あ、あのお野菜も!」

なんて思っても、買うことはできませんが(笑)。

食材、料理、売り方、買い方、暮らし方
市場を歩けばいろいろなことがわかります。

フランス南西部
ワインでその名を知られるボルドーにも大きな市場がありました。

うろうろぐるぐる歩き回って
買い物袋に押し込むのは、女ばかりではありません。
男の人たちもたくさんいます。

しかも買い出しに来たついでに軽く一杯楽しんじゃうところなんて
さすがボルドーです!!


飲んでしゃべって笑った後は
みんな袋をさげ、バッグを引きずり
家路をたどります。


その後ろ姿のなんと可愛らしいこと(笑)!
今夜はコレとアレで○○を作ろう!
なんて考えちゃっているのかしら。


市場の喧騒を抜けた教会では
誰もいない聖堂の中で
ひとり祈り続ける青年がおりました。


買い物男子の後ろ姿も素敵ですが
祈り男子の後ろ姿も素敵です。

買って、作って、食べて、祈って
ああ、みんなこうやって生きているんだなあ、、、と
ちょっと哲学的になってしまったメイおばさんでしたよ(笑)。

読んでくださってありがとうございました。
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いいですねえ、市場文化@ボルドー

2016-04-02 00:21:46 | フランス
13時間遅れて、こちらも3月から4月に変わりました。
日本のように、入学やら入社やら進級やらの特別な月でもありませんから
メイおばさんの気持ちも今ひとつシャキッとしませんが(笑)。

さて、ボルドーの市場ツアーの最終篇は
まあ、何と名づけたらいいでしょうか。
百聞は一見にしかず、まずはご覧くださいな。

場内の至る所でなんだか楽しそうな人たちが、、、、


もしかしてここスペインですか?
もしかしてここタパスバーですか?
いいんですか、朝っぱらから(笑)。


もしかして左の白衣のおじさんはお医者様?
のわけないですよね、お肉屋さんのおじさんですけれど
いいんですか、お仕事ほったらかしておしゃべりに出てきちゃったりして(笑)。


とにかく女性陣も男性陣もミックス陣も楽しそうで
  
いいですよねえ、こうした市場文化って。
メイおばさんの経験では
これ、南へ下るほどもっと花盛りになるような。

たとえば南イタリアとか
たとえばギリシャとか

実はちょっと、ほんのちょっとだけ似たようなものが
毎週水曜日の夕方、ここワシントンでもありますが。
これについて、そしてメイおばさんの大失敗については
また明日にでも。

昨日のお客様ギリシャ料理。
珍しく長方形のスパナコピタ(ほうれん草とフェタチーズのパイ)を焼きました。

これ、まず失敗することのない美味しい一品です。
丸くても正方形でも長方形でも(笑)。


読んでくださってありがとうございました。
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ボルドーの市場2はお魚篇

2016-04-01 05:54:29 | フランス
ボルドーの市場ツアーに戻りましょうね。
「ハーブ篇」に続く第二弾は「お魚篇」です。


なにせ
お魚にも、お魚料理にもほとんど出会わなかった内陸の「Sarlat」(サルラ)から
出てきたばかりのお上りさんですから、もう驚くことばかり。

百聞は一見にしかずと言いますから
フォトツアーでまいりましょうかねえ。
なんて言って、実はお魚の名前がよくわからない(笑)。

いきなり王様、いえ女王様のご登場!


次に控えまするは王子様。


なんとこの牡蠣、20キロで4ユーロですって。


20キロが牡蠣何個分に当たるのかはわかりませんが
4ユーロといえば今日のレートで約500円。
もしかしたらかなりお安いのではない?

ちなみにここワシントンDCのWhole Foodsスーパーでは
砕いた氷の上にのせられた牡蠣が
1個1ドル(110円ぐらい)で売られています。

さて先に行きましょう。

ムール貝やら蛸やら海老やら。


加えて言えば、アメリカの魚売り場で蛸はあまり見たことがありません。
地中海料理のレストラン以外では、蛸を使った料理もありません。

そしてそして、、、、、

これ、メイおじさんの大好物で
メイおばさんがアメリカに飛ぶ時には
いつもスーツケースの中に入れてくるもの。
時には成田空港で買い込みます。


って言ったって、まさかこのお姿ではなくて
真空パックのかば焼きですけれどね(笑)。

日本の物で何が食べたい?と聞くと
「UNAGI」と答えるメイおじさんですが
さすがにこの姿をひとたび見てしまったら
もう金輪際、「UNAGI」とは言わなくなると思いますが(笑)。

これもまた地中海の国々では時々見られる魚です。
ギリシャの日本人友が、市場で鰻を買っては
自分でさばいて白焼きにして
冷凍庫に入れていたことなども思い出しながら
市場ツアーお魚篇をお開きに致します。

次の最終回はいったい何篇?
どうぞお楽しみに(笑)。

さあ、今日はお客様ディナー。
目下またしてもキッチンにPCを持ち込み中。
あと2時間でおいでになります。
今日のメニューはご要望にこたえてギリシャ料理です。
そろそろスパナコピタ(ほうれん草とフェタチーズのパイ)でも焼こうかしら。
まだ早すぎるかなあ、、、、、

読んでくださってありがとうございました。
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ハーブの山を前に@ボルドーの市場その1

2016-03-29 21:40:05 | フランス
市場好きのメイおばさん
なぜに好きかと問われれば
色にあふれ、活気にあふれ、ワンダー(ときめき)にあふれ
まるでそこで暮らしているような
あるいは、そこで暮らしたくなるような
よそ者用の「観光」のためではない
地元の人たちの「生活」を感じるからかなあ。

そして
大きくても小さくても、それぞれの市場によって
売られているものが違う面白さかなあ。

行く先々でタイミングさえあえば必ず市場を歩きます。
「タイミングさえあえば」というのは
全部の市場が常設市場ではないからです。

南仏で滞在していた「Surlat」(スルラ)は土曜日だけでしたし
その南の小さな城塞都市「Domme」(ドーム)は火曜日だけでした。

そうした中でも「Bourdeux」(ボルドー)の大きな常設市場は
とりわけ色彩と活気と変化に溢れていました。
たぶん一日いたって楽しめるぐらい(笑)。

こういう時には本当に
「ああ、一人旅だったら自由気ままに時間を使えるのに」
と思いますけれど

メイおじさんは、メイおばさんのようには市場に興味がありませんから
いつも時間を気にしてせっかちに動き回らねばなりません。

ボルドーの市場の驚きとワンダー(ときめき)については
とても一度で全部をお伝えすることは無理ですから
何回かにわけておしゃべりさせてくださいね。

まず第一回目のワンダーはこれ。
緑の山です。
この緑、全部摘みたてのハーブです。


ミント


セルフィーユ


ディル


ローズマリーには花まで咲いていて


オリーブの葉もありました。


このほかにもタイムもセージもマジョラムも、、、

日本でハーブを使う時には
ほんの少々がプラスチックのケースに入ったものを
けっこうなお値段を払って買いますし

ここアメリカでも同じように
だいたいはプラスチックケース入りです。

大量に使う物でもありませんから
それだって残してしまうぐらいなのに。

今うちの冷蔵庫にだって
トマトスープを作るのにほんの少々使ったタイムの残りが
ほうらこんなふうに。


ボルドーの市場で山盛りのハーブを前にして
メイおばさん、ひたすら考えましたよ。

「みんなどうやって使うのかしら。」

そして思いましたよ。

「透明人間になってついて行きたいなあ」と(笑)。 

読んでくださってありがとうございました。
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お洒落で簡単フランス料理「ネギのビネグレット」

2016-03-27 21:32:33 | フランス
昨日お話しした牛肉の赤ワイン煮込みの「ビーフブルギニョン」ですが
美味しく仕上げるコツのひとつはやはりいいワインを使うことなんですって。

メイおばさん、時としてワインを料理に使う時には
どうせ火を通すのだからと「料理用ワイン」だとか
驚くほど安いワインを使ったりもしていましたが
ボルドーのレストランのマダムに言われましたよ。

「いいワインを使って長時間優しく煮込むんです。」

はい、肝に銘じます(笑)。

さて、この料理に何を付け合せようかと思案の結果
どうせならフランスの料理をもうひとつと
同じ料理本「HOW TO COOK FRENCH CUISINE」から
こちらにしてみましたら


「ビーフブルギニョン」の向こう側に見える菜の花畑のような一品になりました。


リークという日本ではまだあまり馴染みのない太いネギを使います。
馴染みがないと言っても、店によっては置いているはずですから
レシピ通りにリークで作ってもよし
あるいは太目のネギで作ってもいいかと思うのです。
たとえばすき焼きに使う「下仁田ねぎ」でもいいかもしれません。

どのくらい太いかと言えばこのくらい。

リーク3本と分葱を並べてみれば


時間もかからず簡単で
しかも「えっ、ねぎをこうして食べるわけ?」的に意表をついていて
お肉の煮込み料理の付け合せにはとてもよかったと思います。
題名は「LEEKS WITH VINAIGRETTE」(リークビネグレット)です。

材料
*卵 2個
*リーク 8本
*マスタード 小匙1杯
*レモンの絞り汁 大匙3杯
*オリーブオイル 大匙6杯
*パセリ
*塩、胡椒

1. 卵を固ゆでにして、黄身と白身を別々に分けて、白身を細かく刻んでおきます。
2. リーク(ねぎ)を10~15分、十分に柔らかくなるまで蒸します。
3. マスタード、レモン、塩&胡椒少々、オイルをよく混ぜ合わせてビネグレットを作ります。
4. パセリ少々の葉っぱの部分をみじん切りにします。
5. お皿にリーク(ねぎ)を並べ、3のビネグレットをまわしかけた上から細かく切った白身をふりかけます。
6. 最後に茶こしでこしながら黄身をふりかけ、パセリのみじん切りを散らします。

これだけですが、ちょっと嬉しい一品になりました。
残ったら冷蔵庫に入れておけば冷たいままでも
翌日またおいしく食べられます。

メイ家は3本しか使いませんでしたが
たっぷりとビネグレットに浸したくて
他の材料は8本と同じにしました。


これ、メイ家の定番になりそう、、、、、
簡単だし、きれいだし、おいしいし、お洒落だし。
どうぞ皆様も適当に調節して作ってみてくださいね。


ところでこちらアメリカの首都、ワシントンDCでは目下、桜が満開です。
町の真ん中にある「Tidal Basin」という池のまわりを
華やかにピンクが染めました。


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時には背筋を伸ばして@ボルドーのグランドホテル

2016-03-22 21:06:46 | フランス
皆様、春の連休をいかがお過ごしになりましたか?
メイおばさんは昨日早朝に乗るはずだったパリ→ワシントンのユナイテッド航空が
なんと突然欠航になって、、、、、

大慌てでなんとかルフトハンザのフランクフルト行きに乗り込んで
一か八かで運に賭けて、いえ神頼みで
ぎりぎりの所でフランクフルト→ワシントンの便の空席を見つけ
昨夜無事帰宅することができました。

かなりへとへとなのに時差のせい、年のせい(笑)で
今朝は4時頃には目が覚めてしまい寝ぼけ+時差ぼけの頭で
これを書き始めています。

まだまだ書き残したことがたくさんあります。
加えて、新しい日々が書きたいことをますます増やしていきます。
しばらくはヨーロッパとアメリカを
行きつ戻りつしながらおしゃべりさせてくださいね。

フランスのボルドーの町の真ん中のお洒落な広場は
いつも人でいっぱいです。

大劇場の階段に腰かけてマックの袋を持ちながら
いつまでもおしゃべりを続ける若者たち。

ぐるりと並んだ外テーブルはまだ身をすくめる日はあるものの
いつだって賑わいを見せています。


この広場に面して
「クラシックとモダンが融合した優雅な空間が広がるボルドー随一のデラックスホテル」
と呼ばれる格式あるホテルがあります。


それが「Grand Hotel de Bordeaux」(ボルドーグランドホテル)です。


いえいえ、私どもが滞在していたのは
そんな格式あるホテルではありませんが(笑)
優雅なロビーを歩くのも
その先の高い天井の美しいレストランで
お食事をするのも、お茶を飲むのも自由です。


だからと言って並はずれてお高いわけでもありません。
その雰囲気と、その接客マナーと、その味と盛り付けのセンスまで
学べるのですから、逆にお安いぐらいです。

ランチには遅く、ディナーには早すぎる時間に
私たちがいただいたのは、チーズの盛り合わせと
それぞれ違う銘柄のビールです。


たったそれだけの注文に
洗練された物腰のウェイターとウェイトレスの方々が
運んできてくださったのはこんなもの!
うっかり間違えて注文しちゃったのかと思いましたよ(笑)。

うっとりするような彩りのアーモンドとオリーブです。


初めはこれがチーズかと思ったぐらいのお洒落なバター。


なぜバター?と思えばたっぷりのバンが添えられて


いよいよ本命のチーズと来たら何と7種類。


嬉しいのはシャキシャキ食べるお野菜が添えられていたこと。
すでに香りの良いオリーブオイルと適度の塩でお味が調えられています。


その下に隠れていたのはクルミとドライフルーツ。

さすがにボルドーの名門と言われるホテルです。
メイおばさん、どこの国の屋台だろうが何だろうが
美味しい物は美味しいと食べる人ですが

時折、こうして背筋がピンと伸びるような場所で
背筋をピンと伸ばしながら食べる時間もいいものです。
お料理そのものだけではなく
そのプレゼンテーション、間の取り方等々
たくさんのことを学べます。

読んでくださってありがとうございました。
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甲冑の騎士が迎える路地奥のレストラン

2016-03-16 02:30:16 | フランス
メイおばさん、最初のうちは期待に燃えてワクワクしていたのが
困ったことに、だんだんと意気消沈して来ました。

このフランス南西部の小さな田舎町「サルラ」では
「○○料理」のレストランというのがまず見つかりません。

かなりブラブラしていても
あまり人も入っていないような「ベトナム料理」が1軒あっただけ。

レストランは数あれど、それらはみなこの土地の料理です。
美味しいかそうでないかの違いはあっても
ほとんど同じメニューです。

だいたいが、フォアグラや鴨やソーセージやアヒルなどを使います。
まあ、海まではかなり距離のある内陸の町ですから当たり前。
遠くから魚を運んでくるよりは、地元の肉を使う方が
ある意味正直で理にかなっていますけれど
メイおばさん、ちょっと飽きてきました。

それでも昨夜の石畳の路地奥の「Medieval」(中世)という名のレストランは
少しだけほかとメニューが違いました。
そしてその少しだけ違うメニューのものを頼みました。

もっとも前菜にはやはり「フォアグラ」が出てきましたけれど
仕方がありません、なにしろフォアグラの産地なんですから。
「仕方がない」などと言っていたら罰があたりますね(笑)。


メインは
「Cassoulet」(カスレ)と
「Coq au Vin」(コック・オー・ヴァン)です。

「カスレ」は夫の大好物。
たっぷりの白インゲン豆と肉を煮込みます。


ガチョウ、アヒル、鴨、ソーセージなどいろいろあるようですけれど
ここはアヒルの脚とソーセージでした。
フランス南西部の豆料理です。


かたやメイおばさんの「コック・オ・ヴァン」は「鶏の赤ワイン煮」。


「カスレ」に比べたらかなり普通です。
どのくらいふつうかと言えば、自分でも時折作るぐらいにふつう(笑)。

まるで小山のように盛り付けた
薄く、時には厚くスライスしたジャガイモのソテーがついてきました。


それにも増して決定的に違っていたのは鶏肉でした。
いくらワインで煮込んであると言っても
かなり「鶏肉の匂い」なのです。


子供の頃は大の苦手だった鶏肉が
いつの間にか何でもなく食べられるようになった理由が
わかったような気がしました。

日本の鶏肉もかつてはこんな「鶏肉の匂い」がしていました。
けれども今ではほとんどそんな匂いを感じなくなりました。

すっかり淡白な鶏肉に慣れたメイおばさんは
苦手時代を思い出し、ちょっとひるみましたけれど
「これこそが鶏肉」「これこそがコク」と思い直して
背筋を伸ばしてきちんといただくことにしました。
たぶん、本来の鶏肉とはこういうものだったんです。

お隣りのテーブルでは
いかにも地元の方らしい2組のご夫婦が
おしゃべりに興じ、笑い、飲み、食べているのもまたいい感じ。


この路地奥のお店
「中世」という名だけあって
こんな甲冑を身に付けた等身大の騎士の人形が出迎え
そして見送ってくれました。


読んでくださってありがとうございました。
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