メイおばさんの料理帖

「メイおばさんの宝箱」からはみ出してしまった料理や食べ物や食文化のお話を世界のいろいろな場所から楽しくお届けします。

所変わればスパナコピタも

2016-07-26 07:07:08 | ギリシャ料理
これはワシントンDCの食卓です。
長方形のスパナコピタがのっています。


こちらは東京の食卓です。
こんな台で焼き上げた

まあるいスパナコピタがのっています。


そしてこれがつい一昨日、土曜日のシアトルの食卓です。
なんだかいつもとはだいぶ雰囲気のちがうスパナコピタがのっています(笑)。


これには深~いわけがあります。

説明(言い訳)その1は
弟子入りした可愛らしい助手にまかせてみました。
メイおばさんは口をはさむだけにして。

説明(言い訳)その2は
なぜかQFCという近所のスーパーにいつもの薄い冷凍パイ生地がありませんでした。
仕方なく買ってきたのは、いくら伸ばしてもやたら分厚いパイ生地です。

説明(言い訳)その3は
唯一の丸いパイ皿がキーライムパイが入ったままお蔵入り、いえ冷凍庫入りしていましたものですから
仕方なく正方形の耐熱容器を使いました。

そんな難問を前に
彼女(名前を仮にワッシーとしましょうか)がせっせと働きます。

ワッシーはギリシャ料理を作ってみたいという博士課程の大学院生です。
アメリカにわたって10年、ネイティブ並みの英語を話しますが
祖国は中国です。

パイシートを麺棒で延ばし
1枚下に敷いてフィリングを入れたら


もう一枚でカバーをします。


丁寧にふちを折り込むところも
余ったパイシートで桜の花を作って飾ってしまうところも
たいしたものです。


いつもに比べたらだいぶ分厚い仕上がりになりましたけれど
これはワッシーの技量外ですからね(笑)。


ところで先ほどから再三出てくる「スパナコピタ」とは
「Spinach Pie」(ほうれん草のパイ)のギリシャ名です。
フェタと呼ばれる真っ白い山羊のチーズと小口ネギ
そしてたっぷりのほうれん草で作ります。



簡単で美味しくて、家族も大好きなものですから
メイおばさん、どこにいようがせっせと作っています。
丸くなったり四角くなったりはしますけれど(笑)。

ギリシャでは「フィロ」と呼ばれる薄い薄いパイシートを
何枚も重ねて作ります。

アメリカでもスーパーによっては冷凍食品コーナーに「フィロ」を置いている所もあるのですが

あまりに薄すぎて(フィロとはそういものなんですが)
解凍する時にパリパリと崩れ、何度も痛い目にあったものですから
メイおばさん、パイシートを買ってなるべく薄く延ばして使います。

日本ではこんな輸入物のフェタチーズを買います。
けっこうなお値段ですが仕方ありません。


アメリカでは、フェタはスーパーの棚に透明のプラスチックケースに入って売られています。
クランブル(砕いた)タイプのものと、四角くお豆腐のようなタイプがあります。
どちらも目方によって値札がつけられています。
いずれにしても日本よりはずっとお安くて助かります。

ちなみに
クランブルタイプはフェタのように熱を加えるお料理に使うには便利です。
四角いタイプはこんなギリシャ風サラダに最適です。


「スパナコピタ」(フェタとほうれん草のパイ)の作り方を書いておきますね。
材料
*冷凍パイシート 2枚
*ほうれん草 1束
*フェタチーズ これ全部、あるいは200グラムぐらい
*小口ネギ 5~6本
*卵 3個
*パセリ 半房
*オリーブオイル 1カップ
*ディル、胡椒 適宜

1. ほうれん草を洗って細かく切り、大匙1杯の塩をふりかけて手で揉んで1時間ほどおきます。

2. ほうれん草の水気をよく絞り、オリーブオイル1カップ、砕いたフェタチーズ、小口ネギの輪切り、溶き卵、パセリのみじん切り、ディル少々、胡椒を加えます。

3. 耐熱皿にうすく油を塗って、延ばした冷凍のパイシートを底から側面へと敷き詰めます。

4. 敷いたシートにフォークで何か所か穴を空けておきます。

5. 2を流し込みます。

6. もう一枚のパイシートを延ばして蓋をします。卵黄をぬるときれいに仕上がります。

7. 十時に切り込みを入れ、170度のオーブンで45分焼きます。

こんな風にできればサイコーです!


冷えた白ワインと一緒に真夏の午後にいかがでしょう。

ランキングの方もどうぞよろしくお願い致します。
ありがとうございます!
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