メイおばさんの料理帖

「メイおばさんの宝箱」からはみ出してしまった料理や食べ物や食文化のお話を世界のいろいろな場所から楽しくお届けします。

オリーブとヘルメス

2017-12-06 12:37:25 | オリーブオイル

メイおばさん、ブラブラ歩いていると

いろいろ面白い発見をします。

 

まあそれも、たぶんこんな移動暮らしだから

よりいっそう「発見」に思えるのかもしれません。

 

日本にいる間には、ここでなければできないことを

まとめて片付けます。

 

そのひとつが長年かかりつけの歯医者さんに行くことです。

特に何もなくてもメンテナンスに通います。

 

この歯医者さんへ行く道でいつも足を止めてしまう場所があります。

線路沿いの通りに面した小さな美容室の前に置かれている

鉢植えのオリーブです。

 

 

緑の葉っぱだけだったのが

季節の移ろい共に、小さな緑色の実をつけて

次第に黒く色を変えて行きます。

 

かつて地中海に面した国で暮らしていたメイおばさんにとって

オリーブとオリーブオイルは仲の良いお友達のようなものでした(笑)。

 

その後、世界のどこに住もうと友情は変わらず

どこのキッチンでも何種類かのオリーブオイルとお付き合いしています。

 

オリーブオイルの起源は一説によれば今から8千年も前の紀元前の時代。

旧約聖書に登場する「ノアの方舟」にも登場します。

神様が人々の驕りを戒めるために起こした洪水で

40日後にようやく水が引き始めたことをノアが知ったのは

鳩が加えてきたオリーブの葉でした。

 

ところでこれ、昔ギリシャで買った

メイおばさんお気に入りのマグネットです。

表にはまんまるの目をした可愛い梟(ふくろう)と

一粒のオリーブの実をつけたオリーブの枝が描かれています。

梟は女神アテネ(アテナ)のお使いでした。

 

ところで話はそれますが

その昔、ある所で

メイおばさんがオリーブの歴史を習っていた時のこと、先生が言いました。

 

「オリーブの木の栽培方法をギリシャの人々に教えたのは『女神ヘルメス』でした。」

 

えっ、えっ、ちょっと待ってください。

ヘルメスって男の神様でしょう????

 

みんなの前で手を挙げて先生の顔をつぶしてもいけないと

メイおばさん、休憩時間まで待って、ひとりそっと先生に言いました。

 

「あ、あの~、先生、ヘルメスは女神じゃなくて男性だと思いますが、、、、」

 

すると先生が言いました。

 

「あなた、何言ってるんですか。

 『エルメス』っていうブランドを知らないんですか?

 『エルメス』というのは『ヘルメス』のことです。

 女性に決まってるじゃありませんか。」

 

メイおばさん、反論を言うのもはばかられて

なんだかとても情けない気持ちと共に教室に戻ったのでした。

あの先生、今でもヘルメスは女神だと思っているのかしら(笑)。

 

読んでくださってありがとうございました。

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季節が移ろいオリーブが、、、、

2016-11-21 00:16:18 | オリーブオイル

あ、これ、メイおばさんじゃありませんからね。

こんなに若いわけないでしょ?(笑)

 

実はこれ、メイおばさんが日本にいる時に

定期点検に通っている歯医者さんへ行く途中の

美容院の入り口です。

 

青々と茂っている木は何だと思います?

そうです、オリーブです!!

しかも鉢植え!!

 

この子が、帰ってくるたびに育っているんです。

なんかもう、孫の成長を見るように嬉しくて(笑)。

 

5月末には若葉の間に小さな白い花をつけ始めていたのが

その後しばらく留守にしているうちに

季節は廻り、まあ何ということでしょう。

 

こんなに立派な実を結んでいるではありませんか!

 

こんなに立派になる前の、緑色の若い実を見られなかったのが残念なぐらい。

だっていきなり大人になってしまったみたいなんですもん(笑)。

 

全世界生産量の98%以上の生産国が地中海に面していると言われてきたオリーブでしたけれど、最近では日本もよく頑張っているようですね。

一昨日の朝日新聞の夕刊には、こんな大きな記事が掲載されていました。

「オリーブ栽培関東で拡大中

地中海沿岸原産で、国内では香川県・小豆島など温暖な地域で盛んなオリーブの栽培が、関東一円に広がっている。あまり手間がかからず、オイルを絞る実だけでなく葉や苗木も商品になるとあって、神奈川や静岡の沿岸地域だけでなく、群馬や埼玉など内陸部の農家や企業が続々参入。農家の収益向上や耕作放棄地の活用につながるとみて、国も後押しを始めた。」

ですって!

まさか美容院さんはオイルを搾ろうなどとは考えていらっしゃらないでしょうけれど、、、

 

ところでメイおばさんは、アメリカだろうが日本だろうが

キッチンにはいつだって何種類かのオリーブオイルを置いています。

だって、、、、、とその理由を話し始めたら夜更けまでかかりそうですから

ひとまず切り上げますけれど

健康にもアンチエージングにも美容にもいいですからね。

 

これはメイおばさんの東京キッチン。

お気に入りのギリシャのオイルが調理台の上に並んでいます。

毎日しっかり飲んでます、食べてますよ(笑)。

 

読んでくださってありがとうございました。
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オリーブオイルとギリシャサラダ

2016-02-19 10:34:11 | オリーブオイル
お日様がテーブルクロスの上でゆらゆらと踊るような
明るい日差しに恵まれた昨日の女子会は


「ムサカの作り方を教えて!」

というご要望にこたえて、ギリシャ料理となりました。
ランチですから軽めに行きました。

前菜はジャジキ(ヨーグルトとキュウリのディップ)と
タラモサラタ(タラコのディップ)
そしてスパナコピタ(ほうれん草とフェタチーズのパイ)

サラダはホリオティキサラタ(田舎サラダ)
メインがムサカ(茄子と挽肉の段々重ねのグラタン)
デザートはクレタ島のお菓子、メロマカロナ(蜂蜜と胡桃とオレンジのクッキー)

またいずれレシピをご紹介しますけれど
今日はまず「サラダの部」から。

こんな簡単なサラダがあっていいものでしょうか。
それなのにこんな美味しいなんてあり?


トマトとキュウリと玉ねぎとピーマンを適当に切って
フェタチーズの賽の目切りと黒オリーブを散らして
トッピングにオレガノをパラパラと。


それだけです。
ドレッシングは作りません。
その代わりにオリーブオイルとワインビネガー
塩と胡椒をテーブルの上に置いて
皆さん、勝手にやってくださいね、というギリシャ式。

こういう時はなるべくいいオリーブオイルを選びたいもの。
とはいうものお味見をして買うわけには行きませんから
当たるかどうかはまるで宝くじ(笑)。

とはいえ、なるべく勝率を上げるためには
つぶさにラベルをチェックして情報を取得します。

そして万一外れた時のために、少なくとも2種類を買うようにします。
ちなみに言えば、高いから美味しい、安いからまずいわけではありません。

たとえば今、メイおばさんのキッチンにあるのはこの3つ。


一番左は、オーガニックのアンフィルター。
つまり濾過をしないで瓶詰したものです。
イタリアとスペインとギリシャとチュニジアとキプロスのオイルをミックスしてイタリアで作ったんですって。

真ん中は、ギリシャのクレタ島のオイルです。
クレタで収穫したオリーブの実を絞って、クレタで瓶詰しています。
表に「ROBUST」と書いてあるように、けっこうガツンと来る味です。

そして一番右は、カリフォルニアのオイルです。
輸送費があまりかかっていないせいでしょうか。
この大きさでわずか8ドル45セントです。

感心したのはこのカリフォルニアオイル
表のラベルに11行にもわたって説明が書かれているのです。

「良いオリーブオイルの基本は新鮮なオリーブの実を絞ることです。このオイルはカリフォルニアで収穫されたアルベキーナ、アルボサナ、コロネイキ種を使って収穫後素早くコールドプレスで搾油したものです。その結果、まろやかで、スムースで、バターのようで、青バナナと白胡椒を合わせたような香りがします。どんな料理、どんなドレッシングにもお勧めです。」

ここまでの情報を瓶に貼ったラベルに書き込んでいるなんて
なかなか見上げた根性じゃありません(笑)?
買ってみたくもなりますよね。
実際テイスティングをしてみたらなかなか良いオイルでした。

今回、ギリシャのサラダには
単純に真ん中のギリシャのオイルを選びましたけれどね(笑)。

ところでこれを見てください。
スーパーの棚に並んでいたこのギリシャオイルですが


裏を見たら、、、、、


右は賞味期限が2017年5月5日なのに
左はなんと2016年2月2日じゃないですか。
もう過ぎてますよ~。

もっとも過ぎたところでそう急に品質が変わるわけでもありませんが
やっぱりどうせ買うなら新しい方がいいですよね。

ところでいくら新しいのを買ってきても
こんな風に直射日光の当たる所に置いていたら
どんどん酸化して「おばあさん」になっちゃいますからね。


日の当たらない場所、暑すぎず寒すぎずの場所に置いてくださいね。
そしていったん蓋を開けたらなるべく早く使い切ること。

メイおばさんは1か月を目安にしています。
もっともいったん蓋をあけたら1か月なんて持ちやしませんけれど。
あな恐ろしや、今回だってリクエストのあったムサカを作るだけで
軽く1本空になっちゃいましたよ(涙)。

読んでくださってありがとうございました。
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オリーブオイルとの出会い~モリアエレア

2015-09-19 23:52:16 | オリーブオイル
実はメイおばさんたら
オリーブオイルフリークで(笑)
我が家では揚げ物でも炒め物でも
全部オリーブオイルを使っています。

バター大好きな夫さんを少しずつ
オリーブオイル派に「改良」したりもしています(笑)。

ところが、このオリーブオイルたるやなかなかの曲者で
実に奥が深いのです。

しかもすぐにご機嫌を損じて
ちょっと放っておこうものならストライキを起こし
香りも放棄してしまうし
場合によっては「酸化」というとんでもない変化を起こします。

難しいのは、味見をして買うことができないこと。
瓶の具合や、ラベルを読んで「勘」で行くしかないのです。

そしてなかなか手ごわいことには
値段が張るからと言って、良いオリーブオイルとは限らないことです。
お安い価格のものだって、これは!と言うものに出会うことがあります。

ですからメイおばさんは
初めてのブランドはなるべく小瓶のものを買います。
そして「うん、これは!」と納得したら大瓶にします。

と言ったって、小瓶と大瓶の両方があるとも限りませんから
なかなか難しいのです。

良い悪いよりはもっと感覚的に、好きか嫌いかでいいのですが
好きなオイルを見つけてたくさん買い込んだとしても
いったん蓋を開ければどんどんと劣化していきます。

今回もそうでした。
アメリカ暮らしの直前まで使っていた2種類のオイルは
暗い所に置いておいたにもかかわらず
酸化こそしていませんでしたが、帰って来たら全く香りが飛んでいました。
もったいないと思いながらも潔く捨てました。

いわば趣味、いえ道楽のようなもので
いろいろなオリーブオイルを試していますけれど
最近ちょっとした出会いがありました。

アメリカに行く直前に
三越伊勢丹のカタログの裏表紙の広告に魅かれて
注文してみたのです。


それが昨日のこの写真にも姿を見せていた
ギリシャのオリーブオイル「モリア エレア」でした。


直観は見事に当たって
この、ギリシャにしては珍しく(失礼!)センスのよいボトルの中のオイルは
白いラベルの「マナキ」種も、青いラベルの「コロネイキ」種も
うっとりするほどの香りと味でした。


とはいえ、そのままアメリカに運ぶのはいかに何でも重くて無理ですから
こんなプラスチックの容器に入れて持って行きましたよ。


こんな風にオリーブオイルのことについて書いていたら
何ページにもなってしまいそうですので
また少しずつ小出しにしていきますけれど
今日はこれだけ最後にお伝えしてお開き。

冷蔵庫には入れないでくださいね。
日の当たらない所に置いてくださいね。
いったん蓋を開けたらなるべく早く使い切ってくださいね。
目安は一か月かしら。
メイおばさん家は、1週間も持ちませんけどね(笑)。
       

読んでくださってありがとうございました。
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