メイおばさんの料理帖

「メイおばさんの宝箱」からはみ出してしまった料理や食べ物や食文化のお話を世界のいろいろな場所から楽しくお届けします。

たった5ドルの贅沢ランチ@バインミー

2016-08-30 08:26:03 | シアトルレストラン
「SAIGON BISTRO」は、「UWAJIMAYA」という大きなスーパーの
フードコートの中にあります。

チャイナ、コリア、ジャパン、ハワイ、ベトナム、、、、、、

ふだんは素通りしてしまうのに
なんだかこの日は「ベトナムスイッチ」が入ってしまって
メイおばさんにしては珍しく
ふらりとカウンターに座ってしまったのでした。

PHO(麺)は重すぎます。
とくれば、もちろんベトナムのサンドイッチ「バインミー」です。

カウンターの向こうからおばさんが
めちゃめちゃわからない英語で話しかけてきます。

とりあえず注文をしても
まだいろいろ話しかけてきます。

日本人らしい小柄なメイおばさんが
ひとりでちょこりとカウンターにすわって

「お豆腐のバインミーをお願いします。」

などと言ったのが珍しかったのかもしれません。

メニューなどありません。
「バインミー(ポーク、チキン、ビーフ、トーフ)」と
黒板に書いてあるのです。

トーフを頼んだらこんなバインミーが運ばれてきました。

カウンターの向こうでおばさんが作ってくれたものです。
小さなスープが付いてきます。

おばさんは、カウンターの上にのっている4つの調味料を
ひとつずつ説明してくれます。

よくわからない英語を一生懸命聞き取ろうとしていたら
「Good,Good」と言いながら
メイおばさんのバインミーに勝手に二種類のソースをかけてしまいました(笑)。


パンは美味しいし
たっぷり挟まれたパクチー、大根と人参のナマス
フライド豆腐(がんもどきの様なもの)は美味しいし
勝手にかけられたソースは美味しいし。

それなのに5ドルでおつりがくるなんて、、、、、

目抜き通りの観光客目当てのタイレストランでの
呆れるほどまずくて、あきれるほど高かったパイナップルライス事件の後では
なんと心に響くことでしょう。

歯ごたえのあるフランスパンをしかり噛みしめながら
しっかり噛める歯を持っていることの幸せ
しかり味わう舌を持っていることの幸せ
美味しい物を美味しいと感じることができる幸せに感謝しました。

バインミーは大好きです。
長い間フランスの植民地だったベトナムの
ホーチミンの町の喧騒の中を歩きながら
道端にぺったりと腰を下ろしたおばさんが
目の前でフランスパンを二つに切って作ってくれて
手渡してくれたバインミーの味は忘れられません。

あれがメイおばさんのバインミーの原点でしょうか。

自分で作ったってよさそうなものに
なぜかこのサンドイッチばかりは
ベトナムのおばさんに作ってもらいたいのです。

ところで、カウンターのとなりのアメリカ青年は
別皿に山と盛られた生モヤシとミントの葉を
慣れた手付きで麺の上に盛っては
箸でPHOを食べています。

おばさんは、なおもメイおばさんに話しかけてきます。
そのうち少しずつわかるようになってきて
だんだん会話らしくなってきました。

「おいしいバインミーだった。また来るね。ありがとう。」

おばさんがにっこり笑って大きくうなづきました。
たった5ドルの贅沢なお一人様ランチでしたよ。
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真夏のハワイ風冷え冷えコーンスープ

2016-08-29 08:52:41 | レシピ
夏になると何度かわが家のテーブルに上るスープがあります。
もともとは「Whole Foods」というアメリカのオーガニック系スーパーの
ニューズレターで届くレシピで見つけたものですが

これがなかなか夏らしく、なかなかユニークな美味しさで
見た目もとてもきれいなんです。
今やすっかり我が家の定番スープです。

「Whole Foods」のレシピでは「タイ風」と紹介されていましたけれど
メイ家では勝手に「ハワイ風」と呼んでいます(笑)。

なぜって、ココナッツウォーターやココナッツフレークを
たっぷり使うんですもの。
「ハワイ風」と呼んだってちっともおかしくありません(笑)。

白いコーンを使えばこんなに涼し気になりますし


白いコーンと黄色いコーンを使えばこんなですし


黄色いコーンを使えばこんな感じになります。


冷蔵庫に寝かせて冷え冷えになったところをいただく
まさに真夏にぴったりのスープです。
しかもけっこう簡単なの。

4人分ぐらいなら次の物を用意します。

□コーンの粒 3カップ(5~6本分のコーン)
□ココナッツウォーター 2カップ
□甘くないアーモンドミルク 1カップ
□ライムの絞汁 大匙2杯
□塩 小匙4分の1杯
□カイエンヌペッパー 少々
□乾燥ココナッツフレーク 3分の1カップ
□ピーナッツ 4分の1カップ
□バジル 4分の1カップ


その1:まずはコーンの粒を包丁でそぎとります。

その2:そいだコーンの粒を1カップのココナツウォーターと一緒に1分ほどブレンダ―にかけます。

その3:この「白い液体」あるいは「黄色い液体」を鍋に移し
いったん沸騰させたら弱火にして
なんとなくもたっとしてくるまで3分ほどゆっくりかき混ぜながら火を通します。

その4:火から下したところに甘くないアーモンドミルクを1カップ
ライムの絞汁を大匙2杯、塩とカイエンヌペパーを少々。
そしてまたまた1カップのココナッツウォーターを。



その5:あとは冷蔵庫で冷やすだけ。
大元のレシピによれば最低でも1時間、長ければ2日ですって。
つまりだいぶ前から作っておけるということです。
あるいは今日もいただいて、また明日もいただけるということ。
メイおばさん、あまり時間がない時は冷凍庫で冷やすという荒業をします(笑)。

その6:冷やしている間に、乾燥ココナッツフレークと砕いたピーナッツ
フレッシュバジルをとんとん刻んで混ぜ合わせたトッピングを作っておきます。
けれども時としてバジルがなかったりすれば、ココナッツフレークとピーナッツだけですませちゃいます。
なんかその方がずっとハワイ風ですし(笑)。

その7:ほどよく冷えたスープにこのトッピングをパラパラと振りかければ、は~い完成!!

生のコーンとココナッツウォーターのうっすらした甘味
ライムの酸味とカイエンヌペパーのピリリ風味
アーモンドミルクの香りとピーナッツ&ココナッツフレークの噛みごたえ。

これらが絶妙なコンビネーションで、味覚と嗅覚と触覚を満足させてくれます。
もちろん見た目=視覚も大満足。

残暑が行ってしまう前にぜひお試しくださいませ。

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ドルマデスの変身

2016-08-28 22:57:07 | パーティー
庭の葡萄の木から
「いったい何に使うの、葡萄の葉っぱなんて」
と言いながら、友が持ってきてくれた77枚の葡萄の若葉たち。


さっと茹でて、せっせと冷凍したことは以前お話ししましたけれど


以来、今年の夏はちょこちょこと我が家のテーブルに登場しています。

もちろん「葉っぱ」のままじゃありません(笑)。
ちゃんと中にお米や松の実やレイズンを詰めてドルマデスとしてですよ。


ところでこの写真は興味半分で
あらかじめ茹でた葉っぱと、生の葉っぱの両方で作った時です。
真ん中の青々しい生の葉っぱを取り巻いているのが
茹でた葉っぱです。


なんかぴちぴち美肌のおねえさんと
すっかり年季の入ったメイおばさんみたいですけれど(笑)。

結果をご報告すれば
面白いことに、くつくつ煮込んでしまえば
見分けが付かなくなりました。
触感もほとんど同じになりました。

きっと、たまたまそれだけ若くて柔らかい葉だったのでしょうけれど
あの次々に3分ずつタイマーをONしては茹でるという作業は
いったいなんだったのでしょう(笑)。

さて、さすがにちょっと飽きてきましたから
目先を変えて遊んでみました。

この日のお客様はアメリカ人のご夫妻。
ご希望はお寿司と天ぷら
その他とにかく日本の料理。

まさかそこに「ドルマデス」を登場させるわけにはいきませんから
テーブルに移る前のカクテルタイム、いえ「ちょい飲み」のおつまみにしてみました。


ドルマデスを半分に切って並べただけですけれど
まるで変身しましたよ。
まるでお寿司みたいでしょう(笑)?


それぞれに楊枝をさして
簡単に小皿に移してワンバイトで召し上がっていただけるようにしました。

これがなかなかの人気ですぐになくなってしまったものですから
メイおばさん、あわててまた小ぶりのドルマデスを選んで
二つに切っては並べましたよ。

そしてこちらが
ひとしきりドルマデスと白ワインを味わったあとの
本テーブルです。


ほうら、いつものメニュー表ものせられていますよ。


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実は手がかかるフィッシュ&チップス

2016-08-27 10:07:23 | レシピ
イギリス料理と言ったらまず何を思い浮かべます?

いろいろな国の人たちが暮らすここシアトルでも
フランス料理、イタリア料理、日本料理、中華料理のレストランなどは
たくさん見かけますけれど
う~ん、なぜでしょう、イギリス料理を謳った店をあまり見たことがありません。

イギリス料理と言ってすぐに浮かぶのは
シェパーズパイとか、ヨークシャープディングとか、ブラックプディングとか、、、、
そして定番の「フィッシュ&チップス」ぐらい?

さてさて、この、家でも簡単に作れる「フィッシュ&チップス」
いえ「フィッシァンチッ」ですが
なぜか時々むしょうに食べたくなったりするのです。

とりわけ、こんなパブスタイルのカウンターに座った時なんかは
まず注文しちゃいます(笑)。


これは先日、まだオリンピック真っ最中
パイクプレースマーケットの人混みをずず~っと抜けた突き当り

ちょっと大人のパブ風レストラン「ROGERS」です。

窓の外はこんな風景ですが

いつものように並んで座るカウンターは
説明を聞きたくなるような珍しいビールがずらりと並びます。


またもや頼んでしまいました、「フィッシュ&チップス」。


ワインよりもビールに合う料理です。


メイおばさんは家でもよく作ります。


ただし魚によってはパラパラと揚げ油の中で身崩れしてしまったりもして


本音を言えば、「家でも簡単に作れる」なんていう枕詞は
ちょっとそぐわない時もあります。

しかも、本気になっておいしいフライドポテトを作るなら
けっこう手間暇かかります。


やっぱり「簡単に作れる」は撤回しようかしら(笑)。

それでは、メイおばさんの定番レシピをお知らせします。
ロンドンで買った料理本から取りました。

<4人分>
□小麦粉 200g(1+1/3カップ)
□オリーブオイル 大匙2杯
□ペールエール 250cc
□白身魚の切り身 4切れ
□飾り用のレモン 1個
□飾り用のローズマリー 1枝

□大き目のジャガイモ4個
□揚げ物用油

作り方はご参考までに本来のイギリス流をご紹介しますけれど、「こんな面倒くさいことやってられないよ~!」という場合にはどうぞ適当にはしょってくださいな。

チップスの部
① ジャガイモを冷たい水に浸して1時間置きます。

② 水を切りきれいなタオルでよく水気をふき取り、ラックの上に並べて30分ほど乾かします。

③ 深めの鍋に油を熱し、色づかないように注意をしてじゃがいもを10分ほど揚げます。それをキッチンペーパーの上に取り出します。

フィッシュの部
④ ジャガイモを乾かしている間に、小麦粉をボールにふるい、オリーブオイルとエールを滑らかになるまで混ぜ合わせておきます。ゆるいようでしたら小麦粉を足して調整してください。

⑤ ジャガイモを揚げたフライパンで残りの油を180度まで熱し(足りないようなら適宜油を増やしてください。)、④をまぶした魚の切り身を6分ほど、金茶色になるまで揚げます。

⑥ 揚げた魚をキッチンペーパーに移し、鍋の中の油をさらに190度まで加熱します。

最後に
⑦ ここに③のジャガイモを戻してさらに4~5分、色づいてパリッとなるまで火を通してください。

⑧ ジャガイモの油をきり、魚と一緒に素早くテーブルに運びます。

⑨ レモンとローズマリーを飾り、海塩をパラパラ振りかけるとよいですね。
手間をかけて揚げたジャガイモは外はパリッ、中はソフトでとても美味しくなります。

ね、たかが「フィッシュ&チップス」なんてあなどれないでしょう?

この料理のコツはたぶん二つ。
たかがフライドポテトなどと言わずに、ジャガイモのチップスをきちんと作ること
そしてフィッシュの衣にペールエールを使うこと。

ちなみにペールエールとは色が淡くホップの苦みが強いビールです。普通のビールに比べると「味が濃い」と感じます。
メイおばさん、日本で作る時はたいてい「よなよなエール」か「水曜日の猫」を使います。
どちらも、長野県佐久市で醸造しているエールです。


アメリカで作る時は手あたり次第。
なにせビールの国ですからね、いろいろなエールがありますもの(笑)。

そして、最後になりましたが
これが、今年の春の本場ロンドンの
パブの「Fish & Chips」です。


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梨とチキンと胡桃のサラダに思うこと

2016-08-26 14:17:25 | 日記
2年間も取り組んでいた仕事が終わって
いきなりストレスから解放されて
本来のフラフラ癖が首をもたげてきたメイおじさん

今朝もまた、突然こんなことを言い出しました。

「メイ、こんなにいいお天気にどこかへ行かないなんて手はないね。
 ノースゲイトに行ってみない?」

ノースゲイトというのは郊外のショッピングモール。


メイおばさんは一度友人に連れて行ってもらったことがありますが
メイおじさんは一度も行ったことがないんですって。

たしかにまるで夏が戻ってきたみたいな心躍るお日様と青い空。
珍しく日傘をさしている若いお嬢さんもいたりして
しかもよく見ればこれがよく曲芸で使われるような(古い?)紙の傘だったりして。


正直な話、飛びぬけて素敵なモールでもありませんし
いかにもの定番のお店ばかりで、しかも閑散としていて、、、、、

けれどもせっかく来たのですからね、ランチのひとつも食べて帰らねば
というわけで、なかなかいい感じのレストランに入りました。


外テーブルではいかになんでも日に焼けますから
外テーブルの見える内テーブルを選んでまずはビール



そして、メイおばさんは「梨とチキンと胡桃のサラダ」


だってこれ、妙になつかしいのです。
春のアリゾナでよく似たサラダを食べました。
「梨とチキンとピーカンナッツのサラダ」でした。

ピーカンナッツの林が連なる所でしたから
サラダにもピーカンナッツが大盤振る舞いされていました。

今日のサラダは「ピーカンナッツ」ではなく「胡桃」でしたけれど
それ以外は全部同じです。

お皿の上にはロメインレタスと人参、セロリ、赤パプリカ
そしてたっぷりのグリルチキンと胡桃です。
添えられているのは何切れかの洋梨。
これでもスモールサイズです。
ドレッシングはメイプルシロップとブルーチーズを使ったもの。


「食」というのは実は味覚だけではなく五感かな、と思います。
あの時の風景、ピーカンナッツの林を抜ける風の音
あの砂漠の真ん中のレストランに入った時の香り
並んで座った夫の手のぬくもり、そして美味しさ。
それら全てが思い出となります。

だからこそきちんと味わい、きちんと感じ
きちんと食べたいと思うのです。


あわただしく過ぎていく日々の中で
今日のようにそんなことができたように感じる日は
単純に幸せです。

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市場のスモークサーモンピロシキ@シアトル

2016-08-25 09:03:19 | グルメ
娘のような若い友と水族館に行った後
町を歩きました。

礼儀正しく、気配りも満点、しかも可愛らしくて
まるでお嫁さんにしたいぐらい(笑)の
ワシントン大学博士課程の学生です。

「メイさん、お昼はどんなものがいいですか?」

とスマホでYELPを見ながら問いかけてきます。

いろいろあげてくれた中で、この日この時のメイおばさんの
アンテナに引っかかったのが「ロシア料理」でした。

いえいえ、料理というほど大げさなものでなくて「ピロシキ」ですけれど(笑)。

「ちょっと並びますけれどいいですか?
 でも並ぶだけのことはありますから。」

若い人たちの世界には、メイおばさんが気付かずに素通りしていたり
気付いても気後れして入れなかった場所がたくさんあります。
彼女が連れて行ってくれた「ピロシキ」のお店は
パイクプレースマーケットの真ん中にある、まさにそんな場所でした。

はい、並びましたよ、覚悟して。


行列は真ん中の歩道を空けて、こちら側とあちら側の二列です。
みんな実によく並ぶものです。


けれども不思議と退屈しません。
なぜって場所はパイクプレースマーケット、つまり市場のまん真ん中。
並んだままだっていろいろな動く風景が見られます。

それにこちら側の行列になれば
こんな風に左側の窓の向こうが見えるのです。

慣れた手つきで折り込んだり、たいらにしたり、切ったり、叩いたり
並べたり、オーブンに入れたり、トッピングをしたり、、、、、


やっと店の中に入れた私たちが
迷うこともなく選んだのはもちろん「Smoked Salmon Pate(スモークサーモンパテ)」です。

甘いのも甘くないのも
こんなに種類がありますけれど



やっぱりシアトル、やっぱり初心者
ならば、ビーフでもチーズでもハムでもチキンでもなく
スモークサーモンでしょう。

なぜか可愛らしいフクロウの袋(笑)に入ったサーモンピロシキを大事に持って

私たちはうろうろと座って食べることのできる場所を探しました。

あるもんですよ、ちゃんと。
市場の中、ちょっと奥まった所がまさに
イートインコーナーでした。
窓に向かってすわるカウンターは最高の眺めです。


スモークサーモンピロシキ
こんな大きさです。


いちおうサーモン(鮭)の形にしているようなのですが

見た目はまるで大きな焼き芋、潜水艦、あるいは
大きな分厚い唇(笑)。

がぶりと齧ればまさかの美味しさ。
中に詰められているのは
たっぷりのスモークサーモンと、クリームチーズのパテでしょうか。


これはいけません、はまりそうです。
市場に買い出しに来たついでに並んで
海を見ながらがぶりと齧って、ああ幸せと。

たかがピロシキに7ドル!と思いながら並んでいたあの気持ちは
最初の一齧りと共に水平線の向こうへと飛び去って

「この値段でこのボリュームでこの美味しさ。
これで7ドルは安いわねえ。」

などと呟くメイおばさんでした。

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厚底?薄底?厚蓋?薄蓋?@スパナコピタ

2016-08-24 10:11:00 | ギリシャ
つい先日は麺棒で延ばしたこんな生地を
四角い容器に入れて、はみ出した部分を挟みでチョキチョキ切りました。


そして中身を詰めて
上から蓋をしてオーブンで焼きました。


できあがりはこんなでした。
やたら土手の厚い、もさっとした四角いパイです


今回はこんな冷凍生地を見つけました。
これぞまさしくあるべき姿のための生地「fillo dough」!


「フィロ」とはギリシャ料理に使われる薄い薄いパイシート。
どのくらい薄いかと言えばこのくらい。
ちょっとした隙間風にだってはかなげに揺れてしまいます(笑)。


箱の中にはロールが二つ。


だいぶ前にワシントンDCで買った冷凍フィロが
箱を開けてそっとパラフィン紙から外してみたら
ものの見事にパリパリポロポロと崩れてしまった時以来
フィロを使うことはあきらめて
普通の冷凍パイシートを使ってきましたが

過去のトラウマを乗り越えなければと
再び買ってこわごわ取り出したフィロシート
崩れもせずに美しく
メイおばさん、がぜんやる気に燃えてしまったのでした。

一巻きが20枚、二巻き入って40枚。
スパナコピタを作るのに使ったのは
底に4枚、蓋に4枚でしたから
まだまだあと4回は作れる勘定!

とにかくとてもとても薄くてもろいので
溶かしバターを表面に塗って重ねました。
はみ出した部分は最後に折り込んで縁を作りました。


触感はサクサク、パリパリ
久しぶりにギリシャらしい「スパナコピタ」になりました。



太巻き? 薄巻き?
四角? 丸?

中身は同じですけれど
やっぱり今回のように
フィロを重ねた丸いスパナコピタがいいかなあ、、、、、


日本にいる時は冷凍のパイシートを延ばして作ります。
まず失敗なくできますし、たとえパイシートでも
とても美味しく仕上がります。

それに、とにかく簡単ですから
目先の変わったパーティーメニューや
ゲストメニューにお勧めです!

メイおばさんが日本で作る時のレシピを書いておきますね。

*ほうれん草 一束
*冷凍パイシート 2枚
*フェタチーズ 1個(通常スーパーで売られているこんなもの。200グラムだったかしら?)

*小口ネギ 5~6本
*卵 3個
*パセリ 半房
*ディル、胡椒少々
*オリーブオイル 1カップ

1. ほうれん草を洗って細かく切り、大匙1杯の塩を振りかけ手で揉み、1時間ほどおきます。
2. ほうれん草の水気をよく絞り、オリーブオイル、砕いたフェタチーズ、小口ネギのみじん切り、卵、パセリ、ディル、胡椒を加えます。

3. 耐熱容器に油を塗って延ばした冷凍のパイシートを底から側面へと敷き詰めます。
4. 底にフォークで何か所か穴を空けておきます。
5. 2を流し込みます。
6. 表面をもう一枚のパイシートを延ばしたもので蓋をします。卵黄を塗ると綺麗に仕上がります。
7. 十字に切り込みを入れ、170度のオーブンで45分焼きます。

ちょっと癖のあるフェタチーズですが
トマトとキュウリと緑パプリカ(ピーマン)と玉ねぎを適当に切って
黒オリーブとフェタをのせれば
シンプルなギリシャの田舎サラダになります。


オリーブオイルとワインビネガーと塩、胡椒だけで食べる
我が家の定番サラダです。

それでも残ったフェタチーズはオムレツに使ったりします。
加熱するときれいに溶けてくれます。

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お客様にはメニュー表を

2016-08-22 10:50:29 | パーティー
お客様ディナーが続いています。
初めてのお客様もあれば
二度目、三度目のお客様もいらっしゃいます。

メイおばさん、
お客様にはいつもこんなものをお渡しします。


何を召し上がっていただくかのメニューです。


これが記録にあれば
うっかり同じ料理をお出ししてしまうという失敗をせずにすみますし

テーブルに着く前のカクテルタイムで
ざっと簡単に料理の説明もできます。

お客様にとったって
何が出てくるか、どのくらい出てくるもがわからないより
先が見えた方が安心して食べられますものねえ(笑)。

みなさま、喜んでお持ち帰りになります。


等々、一石二鳥どころか一席三鳥、四鳥のメニュー表ですが
いくつかパターンを作っておけば簡単です。
場所と日付と相手のお名前と
メニューの部分を書き換えればいいだけですもの。

ちなみにこれが昨日のメニューです。
お客様のご希望でギリシャ料理のコースにしました。

前菜は
「タラモサラタ」(たらこのディップ)
「ジャジキ」(ヨーグルトとキュウリのディップ)
「ドルマデス」(葡萄の葉ロール)

サラダは白いフェタチーズと黒オリーブがのった「田舎サラダ」

メインは「スパナコピタ」(ほうれん草とフェタチーズのパイ)と
「ムサカ」(茄子とミートソースの段々重ねのグラタン)
デザートは胡桃のケーキです。

途中経過をちょっとお見せしますけれど
これがいったい何になったんでしょう(笑)。


さてさてお客様をお迎えするのには
料理の準備に加えて、テーブルセッティングや
さりげなく置く花なども予算に合わせて考えなければなりません。

昨日のテーブルクロスはワインレッドでしたので
花は同系色の淡い色にしてみました。



薄いピンクのアルストロメリアです。
この花のいいところはとにかく安い、そして長持ち。
近くのスーパーでたったの4ドルでしたよ。

それがなんだか可笑しくて、、、、、

「1束4ドル 2束買えばひとつが無料」

って書いてあるんですが

これってつまり一束買っても4ドル
2束買っても4ドルってことでしょう?

一束だけ持ってレジに進む人なんていったいいるのかしらねえ(笑)。
メイおばさんはしっかり同じ系統の色のアルストロメリアを2束探して
レジに持って行きましたよ。


レシートを見れば
4ドルが二回打たれて8ドルと記載され
そのすぐ下に「-4ドル」

なんだか不思議な思考法(笑)。
ともあれこんなにたくさんのアルストロメリアがたったの4ドルなんて
いい買い物でした。

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真夏の夕のガーデンパーティー

2016-08-21 00:04:45 | パーティー
毎年夏も半ばにさしかかると、こんな手作りカードが封筒に入れられて
各戸のドアに挟まれます。


「Please join us for the XXXXXX Plaza court yard party.」
(XXXXXXプラザの中庭パーティーへどうぞ。)


そして
このコンドミニアムを愛する住人たちが
噴水も藤棚もある美しいイギリス風の中庭に集います。

隣接したテニスコートはスタッフの働きで
パーティー会場に変わります。

5時半からのカクテルに30分ほど遅れて下りていけば
いつものコートヤード(中庭)はすでにして大賑わい。


みなそれぞれにワイングラスを片手に
立ったままでおしゃべりに花咲かせます。

そこここに小さな丸いハイテーブルが置かれて
お皿なしでも食べられるようなカナッペが並びます。


6時半、ディナーが始まりました。
ネットやポールが外されたテニスコートが
素敵なディナーコートに変身しています。

緑のテーブルクロスに白いパラソル、白いナプキンが
まだ眩しさの残る夏の宵によく似あいます。

ガーデンパーティーだからと言って
紙皿や紙ナプキン、プラスティックのナイフやフォークではありません。
ワイングラスだってきちんとした硝子です。
これがここのコンドミニアムの「心意気」なのです。
この美しく快適な住まいの
マネジメントチームの人たちの「誇り」なのです。


お食事はブッフェスタイルです。
庭の一角に白い布で覆われた長テーブルが置かれ
私たちは好きな物を好きなだけお皿に盛って
好きなテーブルに座ります。

その間もあちこちで真夏のパーティーによく似合う
陽気で楽し気な笑い声が聞こえてきます。

紫ポテトのグリル
ベビーリーフとトマトのサラダ
ポルトベッロのフィリング
サーモンのグリル
ローストビーフ
三種類のカップケーキ

これが今年のメニューです。
とてもアメリカ的なメニューです。


ポルトベッロというのは、大きな大きなキノコです。
メイおばさんの手のひらぐらい大きなものもあります。

ローストビーフは大きな塊をシェフが薄切りにして
お皿に載せてくれます。
グレービーやホースラディッシュは自分で好きなだけ。

毎年と言ったって実は去年に続いてまだ二度目の経験ですが
立ったままのカクテルでは「立ち話」を学び
周りの人たちの装いからは「パーティー」を学び
料理のメニューからは「アメリカ」を学び

初めて会った人と一緒に取り囲むテーブルでは
話題の選び方や話し方
間の取り方や聴き方、相槌のうち方

そして
飲み方、食べ方を学びます。

いい年をしてもなお
まだまだ発展途上のメイおばさんです。

時には恥をかきながら
時には我が英語力に失望しながら
それでも一生懸命学びながら歩いています。

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満月のタルティフレッテ

2016-08-19 08:02:20 | フランス
昨夜は素晴らしい満月でした。
もっとも満月はいつだって素晴らしいのですけれど
それでもいつもお天気に恵まれるとは限りません。
雨が降ることもあれば、霧にかすむこともあります。

同じ月なのになぜか大きく見えることもあったりするのは
見る側の心が映るからでしょうか。

そんな昨夜の満月の食卓は
別にお月見弁当でも、月見蕎麦でもなく
まったくお月様とは関係のないこの料理「TARTIFLETTE」(タルティフレッテ)。
古くから伝わるフランスのオーブン料理です。

なんて知った顔をして言っても
メイおばさんにとっても初体験。

春のボルドーで買ってきたこの料理本の中から選んでみました。


だって前の日の残りの茹でじゃがいもを使ってしまいたかったし
けっこう簡単にできそうだし
おいしそうだし、、、、、


1. 塩を一振りした水に皮を剥いたジャガイモを入れて沸騰したら約20分(と言ったってジャガイモの大きさによって違いますよねえ。ようするに串が通るぐらいになるまで)茹でて水気を切り、冷めてから厚切りにしておきます。

2. ベーコンを刻んでフライパンでよく炒めます。
炒めたベーコンはキッチンタオルに移してぎゅっと抑えて油を切っておきます。

3. 同じフライパンに油(メイおばさんはいつでもオリーブオイル)を引いて玉ねぎを炒めます。

4. Reblochonチーズを角切りにします。このソフトタイプのウォッシュチーズ、そうそうは見つかりませんから

メイおばさんはたまたま冷蔵庫にあったチェダーチーズで代用しました。その結果かなり色づいちゃいましたけれど(笑)。

5. 耐熱皿の底にまずはガーリックをすりつけて香りをつけます。その上にジャガイモ、玉ねぎ、ベーコンの順に重ねていって、また余ったジャガイモをのせた上から胡椒をふった生クリームをまわしかけ、最後にチーズをのせて、白ワインをジャブっとかけて、440度F(220~230度C)で20分から25分焼けばできあがり!!!


8時半開始の夕食が進むのと共に、お月様が上がって行きます。


黄色いのはトウモロコシです(笑)。
お月様のかけらではありません。


地球が回り、月が動き、時が流れ
テーブルの向こうの風景が変わって行きます。


私たちはいつどこにいようと、たとえレストランでも
向かい合ってすわらずに、隣り合ってすわります。
お互いの顔を見るよりは
一緒に同じ物を見ていたいからです。

分量の目安を書いておきますね。

ジャガイモ 800グラム
スモークベーコン 200グラム
玉ねぎ 2個
油 大匙1杯
チーズ 上を覆うぐらい (正式にはReblochonチーズを1個)
ニンニク 1片
生クリーム 大匙2杯
白ワイン 150cc
塩、胡椒

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