「様々な伝統、美術が根付き、多様な文化を育む京都東山。
八坂神社近く高台寺の緑に包まれた清閑な地にXXXはございます。
先祖は、代々、豊臣秀吉の妻・北政所が茶の湯に使った、
菊水の井を守ってきた茶坊主で、大正元年、料理屋として創業致しました。」
ここまで読んで「XXX」がどこかがわかるとしたら
あなたはかなりの和食文化通(笑)。
さあ、先を続けますよ。
「料亭は大人のアミューズメントパークです。
お越しいただいたお客様に
時間と空間全てを楽しんで頂きお喜び頂けるよう、
景色や庭の佇まい、床の間の軸や花、空間全てに拘り、
これ以上無い素材、最高の技術でお料理をご提供させていただきます。」
まあ、老舗も老舗、大老舗の料亭が「アミューズメントパーク」と来ましたよ。
いきなりカタカナですからね。
何て斬新な発想かしら。
「京都の四季の風雅、四季が恵んでくれるおいしさを
是非お楽しみくださいませ。
心を尽くしてお迎えさせて頂きます。」
そんな、メイおばさんごときにはかなり敷居の高い
憧れのお店に行ってきましたよ。
いえ、京都の本店ではなくて、東京は赤坂の支店ですが。
「行ってきた」なんて、さも大人ぶって言ってますが
実は何を隠そう、まさかのご招待。
どこかと言えば、はい、恐れ多くも赤坂の「菊之井」でございます。
和紙に書かれたメニュー、いえ「御献立」をいただいて
ひとつひとつを丁寧に、時間をかけて味わっていきます。
饒舌は似合いません。
解説は野暮です。
どう美味しいかなんて御託を並べずに
ただ謙虚に、静かに、ゆっくりと味わって
素直に「おいしい!」と小さくつぶやきます。
頃合いを見計らった絶妙なタイミングで
カウンターの向こうの板さんが
音も立てずに新しいお皿を目の前に置いてくれます。
カウンター越しのおしゃべりはほとんどありませんが
質問をすれば丁寧に答えてくれます。
お値段なんて無粋なもの、どこにも書いてありゃしませんが
メイおばさん、好奇心に耐えかねて、翌日ネットで調べた○万円に
もうびっくり仰天なんとやら。
こういう大人の(笑)世界があるんですねえ。
しかも私たちの右側にお座りになっていたのは女性の2人組。
いかにも慣れた様子でくつろいで召し上がってらっしゃいましたよ。
極上のお酒をいただきながら。
御献立、書いてみましょうか。
まるで漢字の勉強みたい。
猪口、 赤蕪蒸し海老餡かけ 山葵
八寸、 手綱寿司 貝柱唐墨粉焼 菜種辛し和え
助子落雁 蕗の薹味噌漬け 梅豆腐
黒豆 のし梅 花山葵
向付、 河豚薄造り 皮湯引き 薬味 ポン酢
小鮪 辛子 黄身醤油
蓋物、 百合根饅頭 鵜つみれ フォアグラ トリュフ飴
青味大根人参結び
焼物、 牛肉つけ焼 辛味大根 フェンネル土佐酢和え
中猪口、柚子と山葵のソルベ
酢物、 三宝柑雲子蒸し 唐辛子 ぽん酢
強魚、 鰤しゃぶ 聖護院蕪 九条葱 橙 ぽん酢
御飯、 すっぽんうどん 葱 柚子
水物、 チョコレートアイスクリーム 焼きりんご
又は抹茶アイスクリーム 白玉 小豆
「名にし負う」菊乃井様体験でございました。
そんな所でカメラで写真を撮るなんて、まったく粋とは言えません。
わかってはいたのですが、ひそやかに、撮らせていただきましたよ。
一度は夫さんを連れていってあげたいけれど
メニューを全部英語で説明するのは、、、、、、たぶん、いえ絶対無理。
読んでくださってありがとうございました。
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