・・・ 大学生歌人たち ・・・
♦ 横書きの学生短歌を読みしのち我の1首を手帳に縦書き 松井多絵子
現代短歌新聞12月号の歌壇時評は 「益々活発な大学短歌会」 塔短歌会の選者・三井修が書いている。歌集『砂の詩学』は現代歌人協会賞、『風紋の島』は日本歌人クラブ賞を受賞。氏の時評「学生短歌会」を少し引用 させていただく。
「このところ、大学短歌会が活発である。今年の短歌研究新人賞では、候補作以上の8名のうち2名が、角川短歌賞では、予選通過作品の35名のうち6名が大学短歌会所属である」。「大学短歌会と言えば、早稲田大学や京都大学、国学院大学が老舗であるが、最近は北海道大学や東北大学が存在感を示している」。
東京外語大学や岡山大学などの比較的小規模な大学も地道な活動を継続している。と述べている三井修は 外語大学アラビア語科卒である。氏の作品には中東の国々のことが色々詠まれている。アラビア語を専攻したためであろう。
在学中は熱心に歌を作っていても、社会生活の多忙なため、卒業すれば歌を離れていく人が多い。大学短歌会から見れば、新しい人が入ってきても、卒業と同時に離れていく。熱心な学生歌人が卒業するとその会の活動が下火になり、場合によっては廃絶し、何年か経てまた熱心な学生が入ってくると、再度、活動を再開する。そのようなことを繰り返してる、、
この数年わたしは何人もの学生歌人に批評会などで接している。一緒に食事をすると和食が好きな大学生たち。私より半世紀も遅く生まれた人たちなとは思えず、特に違和感などない。作品は日常の些細なことをうまく掬ったものに刺激される。学生歌人の葉書や手紙などは横書き、私の返信は縦書き。でもケータイやパソコンのおかげで私は近頃は横書きにも慣れてきた。学生歌人たちよ。卒業しても短歌を続けてほしい。メールは短歌で。平安時代の歌だってメールみたいなもの。 5 7 5 7 7 のあなたの恋のメールを、、。
12月4日 松井多絵子