えくぼ

ごいっしょにおしゃべりしましょう。

肌の合うひと

2014-12-26 09:05:18 | 歌う

               ~ 肌の合うひと~

 肌寒い日々は去り体の芯まで冷える昨今である。肌触りのよい衣類に包まれ、肌の合うひとと過ごしたくなる。NHK短歌12月第3週は永田和宏が講師、題は 「肌」。特選の3首は

✿  一席    やや暗い肌色と普通の肌色を混ぜてわたしの今朝の肌色

                                     岐阜県  大田宣子

   ※ 朝、化粧した顔の肌がやや明るいのに安心したのか、穏やかな1日になる、と。

✿  二席     土石流流れ崩れし山肌にも来年の春たんぽぽが咲く

                                      大阪府  森本恵子

     ※ たんぽぽ と聞くだけで楽しくなる。まして土石流に傷ついた山肌に、、。

✿  三席     肌色と呼ばなくなりしクレヨンの「薄だいだい」を夕空に塗る

                                       奈良県  山上秋恵

    ※ クレヨンの肌色を「薄だいだい」と呼ぶようになったらしい。「肌」という言葉は人種
差別などにつながるからか。私は肌色に心が安らぐ、今も肌色のセーターを着ている。

 12月21日のゲストは後藤正冶、ノンフィクション作家である。氏は「短歌を作りたくなるとき」について語る。例えば失恋したとき、などと。楽しいとき、よりも辛いときのほうが歌に近づくひとが多いかもしれない。わたしも母が亡くなった頃から詠み始めた、もう話しあうことのできなくなった母へ話しかける。返事は生前の母の言葉。あの世の母をこの世に呼びもどすように。「短歌は悲しみの器」と言われたりするが、俳句より少し長く話すことができる。

 しかし、「短歌は言い過ぎないことですね」 という永田講師の一言、大切な一言だ

     これ以上書くと書き過ぎになりますね、では又。   12月26日  松井多絵子            。    


新設の「晩成文学賞」

2014-12-25 09:20:51 | 歌う

            ・・・・ 新設の「晩成文学賞」 ・・・

♠ しなかった、できなかった事あれこれと思いださせるコタツのぬくみ   松井多絵子

 歳の瀬の今、ことしも大した収穫もなく終わるのかと思うと淋しい。あの黒田夏子は今、どうしているか。2013年に「abさんご」という小説で芥川賞を受賞したひと。75歳での受賞が注目され老人に希望をあたえてくれたが、彼女の記事や本の広告を私は見かけない。

 60歳以上の人の小説を対象にした✿「晩成文学賞」第1回の受賞者が昨日発表された。

 ★ 小森京子 (65歳) 作品は 「浜辺の晩餐」 賞金は10万円。

  佳作は3名 ♠ 大山舞子 (80歳) 「風のうたびと」

          ♠ 三島麻緒 (65歳) 「黒犬先生伝」

          ♠ 大森レイ (81歳) 「あなたは何故、」

 「大人による、大人がじっくり味わい楽しめる」小説を平凡社が募集し、98作品が応募。全国の60歳~84歳達だ。選考委員は作家の村田喜代子と半藤一利。第二回は「時間」「手紙」「ごちそう」から一つをモチーフにした小説を募集。締め切りは2015年3月31日。
※応募の詳細は雑誌「こころ」22号(受賞作掲載)に掲載されている。

 60歳以上が対象の文学賞、ありがたい。新人賞は沢山あり若い作家には広き門。
未知の才能を発掘して育てるのは大切だが、受賞した新人はマスコミで芸能人的になる場合が多いのではないか。オシャレとオシャベリが上手になり自分の顔と名を売ることを優先し作品はいい加減になりがち、ではないか。読んだり書いたりの蓄積の多い老人に発表の場を沢山作ってほしい。小説を書くことで老人は新たに色々な人生を生きることができる。60年生きても自分の人生に満足している人はいるだろうか。不満な人こそ小説が書ける。

   自分の人生に不満なわたし、小説を書きたいですが「殻ちゃん」は未完ですし、、。

        時間、手紙、ごちそう、締切まであと3か月    聖誕祭 松井多絵子

                     

 


聖夜の星たち

2014-12-24 09:39:51 | 歌う

                ★ 聖夜の星たち ★

 1週間前に都内のイルミネーション・ツアーに参加したら、43名がほとんど老女だった。そのなかに 「15年前まではあのマンションの12階に住んでましたの」と言うEさん。レインボーブリッジを居間から見ながら過ごしていた彼女。いまは郊外の2Dkに1人暮らし。「83歳ですからね。今夜がこの世のイルミの見納めかもしれない」と。けやき坂の炎のような並木を「以前は青の電飾でしたのに」と眺めていた。青も赤も哀愁の滲むイルミネーションは。

              ★ 聖夜の星たち 五首    松井多絵子  

       青は愛、赤は愛憎そんなことあの日話した茶房を過ぎる

       ひさかたの光かぼそき枯草の小道を歩く、街へ行こうか

       今年との別れを知らせる唄なのだジングルベルを聴かねばならぬ

       それ以上言わなくていい、これ以上言いたくはない清しこの夜

       わが街の電飾さらに華やぐを許してほしい聖夜の星よ

 

             ※     ※     ※     ※

 ★歌壇情報   第26回歌壇賞 (本阿弥書店主催)

            歌壇賞 小谷奈央 「花を踏む」 (30首)

            授賞式は来年2月10日 東京・アルカディア市ヶ谷

     小谷奈央さま    おめでとうございます。踏まれた花も喜んでいますよ。

                                 Xmasイブ  松井多絵子   

                                          

 

        


直木賞の候補者たち

2014-12-23 09:36:50 | 歌う

           ★ 直木賞の候補者たち ★

♦ まず賞を、そして急いで実力を、ふかく礼して花束を抱く  松井多絵子

 12月20日(土)、芥川・直木賞の候補が決まった。芥川賞は無名の新人作家に対する賞らしいが、直木賞は或る程度活躍している作家が対象になるらしい。伊集院静、五木寛之、林真理子、宮部みゆき など受賞後も順調だ。受賞してから急いで実力をつける作家の作品は、難解なものが多く、読者を疲れさせる、ような気がする。私は直木賞の作家の作品の方が親しめる。純文学をふりかざす独りよがりな作品より、准文学?作品を応援したい。

 152回・直木賞候補作品と作者は

 ♠ 『鬼はもとより』 青山文平 ※ 66歳、直木賞歴代2位の高齢らしい。

 ♠ 『あなたの本当の人生は』 大島真寿美 ※ 55歳 

 ♠ 『宇喜多の捨て嫁』 木下昌輝 

 ♠ 『サラバ!』 西加奈子

 ♠ 『悟淨出立』 万城目学  

 この5人については 新年号・オール読物 に発表されているそうだ。候補作家へのインタビュー&全5作冒頭抄録、この中のどの作品が受賞するか、アナタが選考してみたら、。

 「直木賞はかなしき文学商人」とか「直木賞の第一の罪は賞をショー化させてしまった」などと言われたりしているらしいが、小説を書くことは大変な作業だ。マラソンみたいだ。メモ帳1冊とボールペン1本で散歩しながら歌を作るわたしは、小説家に最敬礼する。

                           12月23日  松井多絵子


川柳の「来年は」

2014-12-22 09:18:47 | 歌う

           ・・・ 川柳の「来年は」 ・・・

        ❤ 来年の日本は好況、だといいが    松井多絵子

 今日の朝日川柳、課題は 「来年は」  西木空人選7句に私のボヤキ※を添えます。

♦いつもより八月暑くなる予報   (神奈川県)  石井 彰

 ※ 真冬に八月を思えば気温が上り、体温も上りますね。暖房費も節約できる。

♦来年は来年こそはとハルキスト   (東京都)  坂本 敬彦

 ※ ノーベル賞は候補が花。来年こそはという期待でハルキストが年々ふえる。

♦おとなしいのだけじゃないぞ羊でも  (千葉県)  村上 健

 ※ おとなしい生き物こそコワイ。いつのまにか私が消されていた、、、。

♦活用形ら抜き教える先生も  (福岡県)  石井 温風 

 ※ ら抜きの先生たちは詩人かしら。あるいはケータイのメールがお好きなのか。 

♦来年も今年のようにとお金持ち  (東京都)  みわみつる

 ※ 株で儲けた人達には「阿部ちゃん」はアイドル。損した人達には「阿部は悪魔」。

♦男性も輝く時代が来て欲しい   (三重県)  永井 久一

 ※ てらてら光ってる男も多いじゃないの。川柳だって男ばかりが入選。

♦欲言わん穏やかな四季順に来い  (京都府)  山中あきひこ

 ※ 穏やか四季であれば何もいらない人間ばかりならこの世はバラ色なのに。

 私は先日、伊勢神宮で「この冬は風邪をひかないように」とだけ祈願しました。欲張ると神様に嫌われますから。「賽銭5円で厚かましいバアサンだ」なんて。

                          12月23日   松井多絵子